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CDの仕事 -競合コンペのコツ-

東京のクリエイティブエージェンシー勤めのCDが日々の仕事を書き記す「CDの仕事」。気づいたこと、失敗などをコンテンツとして紹介していきます。

時間をどれだけ有効につかうかのゲーム

競合コンペでCDとして何を大切にするか?と聞かれた場合、私は「時間」と答えます。「え?クリエイティブディレクションやアイデアじゃないの?」と思うかもしれませんが、現役CDにしてみれば、そこは「できて当たり前」で、そこを頑張る感覚がないです。むしろそこにムラがある人をアサインするにはリスクがあると会社は判断します。
オリエンから提案までで、自分の領域ではないところを如何にコントロールするかが大事だと思います。つまりピッチは「時間をどう使うかのゲーム」とも言えます。

企画はリレーで作られていく

前回の記事にも触れましたが、競合代理店にも同じオリエンがされる中で、同じ時間が与えられます。たとえば4週間の中で、オリエン固め、リサーチ、戦略、ビッグアイデアやコンセプト、クリエイティブ開発、フィジビリティのチェック、提案物の制作、各部署への共有、プレゼン準備など、実際はもっと細かいですが、部署間のリレーが続き、ひとつの企画が出来上がります。その最初から最後までにCDは関わり、色々な判断しながら進めていきます。

何に重きをおくのか?

オリエンが違う以上、集められるチームの構成も違いますし、お客様が「戦略」「アイデア」「完成度」「費用対効果」「新規性」など一何に重きをおくかなども毎回変わります。 全体を差配するCDだからこそ、限られた時間、人材の配分が問われます。
リサーチや戦略に時間を割くべきか?クリエイティブに厚みをもたせるべきか?フィジビリティを入念に調べるかなど、時間の最適化を考えます。もちろんチームメンバーの特色も関係します。強いADがいる場合はお客の意図でなく、こちらの強みをだすために、クリエイティブに時間を作るという選択もあります。今まで何度もピッチに参加した経験からすると、ただし自社の強みから組み立てるより、お客様が何を求めているから組み立てた方が勝率があるように思います。

CDの役割とは?

ピッチでよくある光景が戦略に時間を割きすぎて、アイデア開発の時間があまり取れなくなってしまい、アイデアが弱くなる、もしくは、そのあとのデザイナーが使う時間がないので徹夜を強いたり、企画書そのものが作り込めないといったことで、各部署の時間の取り合いで衝突が起きたりします。全員でチームでありつつ、自分の部署の落ち度で負けて戦犯にならないように各チームも必死です。
そんな中、リサーチャーへの指示であったり、戦略とクリエイティブとのつながりを滑らかにして、アイデアを考えやすくしたり、ディレクションを明確にするなど、各部署でのCDの立ち回りでバトンがよりいい状態で次の部署に渡すことができます。ここまで読むと、「アカウントやプロデューサー、トラフィックの役割では?」と思う方もいますが、制作進行をまとめる事と、どこに厚みをもたせるかの時間を割り振ることが別の事で、逆に他の部署では短い期間で最大限のパフォーマンスをしてもらわないといけないので、CDがそこまで見ていると、提案の質はかなり高くなります。

日頃の観察が大切

ピッチ以前に、CDは戦力となるスタッフの実力を日々観察することが大事です。なにが得意か?なににどれくらいの時間がかかるのか?など、初顔合わせのチームだと、やり方を合わせることにも時間がかかるリスクがあるので、ピッチでない時にもそういった観察は必要です。

時間の割り振り以前に大量のスタッフを投入して、リサーチを短期間で終わらせたり、制作をしたりと物量で解決する方法もありますが、潤沢なスタッフや時間がなくても、ちゃんと結果につなげていく事もCDの手腕なので、全体をみながら、短所を消して長所をのばすように考えています。




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