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魔法使いの家にホームステイする③


しののめゆきつばきを口の中でほろほろと頂きつつ城下町を後にして、
温泉にてまったりのんびりと温まりました。


魔法使いの家には心地良過ぎるおこたがあり、
温泉の温もりも相まって、もう半目です。半目。


寝ちゃってていいですよ。湯上がりだし。

なんて言いながら、マスターあんこは魔法のキッチンにて、なにやら拵えてくださっているご様子。

妖精さんは、

これこれ。これにしましょう。

と言って大きな画面に暖炉でパチパチと燃える薪の映像を流し始めます。



こう、友人と誰かの家に集まった時に、なんとなくテレビを流したりすることってありますよね。

あれが実は苦手なんです。
基本的にマルチタスクを搭載していない私は、
ひとつのことに集中してしまうので
テレビが流れていると知らぬ間にじーっと釘付けになってしまうんです。
そうなると、話してる声も聞こえなくなってしまうのでテレビとおしゃべりが同時進行できなくなります。


魔法使いの家ではテレビがあっても画面には
心地よく燃える暖炉の火。

なんか音楽かけましょうか

と言って流れてきたのは鳥の声。


魔法使いの家は、森の中にあるようです。


そんなまったり空間を満喫してもはや半覚醒状態になっているところへ、


じゃあ、そろそろですね
はい、プレゼントです

とマスターあんこが渡してくれたのがヘッダー写真の文庫箱です。


実は、お家に上がらせていただいた時から、ずっと気になっていた文庫箱。

なにせ余分なものは一切ないお部屋ですから、
綺麗に紐がかけられた文庫箱は、ただならぬ存在感を醸し出していたのです。
ランチ前のお宅探検時には、
「これは、何ですか?」
と聞いても

それは、まだ、早いですね

と濁されていたので、え!いよいよ?!
と急に目が覚めたのでした。


またもや、よくわからないドギマギ感で眩暈がしそうになりながら、


いざ。開封の儀。

(シモーヌ姉より拝借)


な、な、な、なんと!
中には原稿用紙に書かれた原稿が!!!直筆の!


しかも、東京のみちがミートボールの作り方をお店の人に教えてもらっているというスピンオフ!


読みながら、ぎゃあぎゃあと興奮しまくり、
あわや鼻血が出るか、というところに、




みとぼるーーーーーーー!!!
みとぼる、きたー!!!


たたみかけてくるわけですよ。
マスターあんこは。
間髪入れずに。


もう、大興奮です。大の大の大興奮です。大です。

そして、美味しい!
ほっぺたが落ちる!

赤ワインのふくよかな香りのトマトソース、
クミンがふわりと香るみとぼる、
パスタの茹で加減も絶妙で、
ほっぺたが落ちる!


すごい!すごい!を連発しながら頬張る姉と私。
もう、「すごい!」の言葉では表現しきれなくて新しい「すごい」の最上級のことばを探そうとします。

「すごい!っていうか、これはもう、すごい!いや、あんこぼーろだね!あんこぼーろ!拝啓あんこぼーろ!うん、拝啓あんこぼーろって感じ!略して拝ぼーろ!」

と謎の「拝ぼーろ」という新語が生まれる始末。


ああ、ディズニーランドって、こういうことなんだな。あの、作品の中に出てくるアレが、目の前に出てくるっていう感動。自分が作品の中に入ってしまったような夢の国。
これはもう、ぼーろランドですよ。

妖精さんも
 よかったな よんかいつくったもんな
とニコニコ。



興奮冷めやらぬまま、姉のお友だちの熱烈なドラッグストア昔話ファンと電話でお話ししたりして、夜は更けていったのでありました。



そして・・・

実は今回のホームステイで一番懸念していたのが「寒さ」対策でした。

実はマスターあんこの過去記事お遍路をこっそり行っていた私は少し気になる記事があったのです。


寒さにめっぽう弱い動物ですということは事前にお伝えしていましたが、
やはり、魔法使いの家にホームステイするからには少々の修行もあるのかな、と。


そうして、びくついていた私のカバンの中には、
まるで冬のキャンプに行くが如く、
寝袋の中に入れて使う体感温度が15度上がるというインナーシュラフだの、湯たんぽだの、厚手の靴下だの、エマージェンシーシーツだの、ホッカイロだのが忍び込ませてあったのです。



ところが、ご用意いただいたお部屋には

ふっかふかのお布団。
しかも敷マットまであって、更なるふかふかの境地。
さらにさらに、アイリスオーヤマのカラリエによって、そりゃあもう、ふっかふかのぽっかぽかのお布団が用意されていたのです。


なんていうか、もう、自分の弱さが恥ずかしくなりました。

マスターあんこと妖精さんのお心遣いが
心の芯まであっためてくれるという、
ふっかふかのほっかほかの温かい魔法で
深い深い眠りにつきました。



つづく。

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