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ハンターキラー潜航せよの感想(ネタバレあり)

MOVIX京都にて鑑賞。結構入ってるなぁ、という実感はあったけど、実際日本でめちゃくちゃ大ヒットしていて喜ばしい。

ここまで分かり易くてタフで男らしい映画も最近珍しいんじゃないだろか。

冒頭いきなり潜水艦が沈むシーンから始まり「一体何が起こっているのだ!?」という感じのワシントンの混乱とは対照的に、現場の人間達があんまりジタバタせずにどっしり構えてるのが観てて気持ち良い。

海の男達

ジェラルド・バトラーの登場。いきなり雪山でトナカイ(?)を弓矢で狙っているシーンから始まるんだけど、弓を引く直前で後ろから奥さんトナカイと子供トナカイが付いてきてる事を知って殺すのをやめる。この描写で「こいつは悪い奴ではない!いい奴!」というのが分かるのだ。このレベルの分かりやすい描写でこの映画突っ切りますよ!って宣言にもなっているので僕はこの辺からずっと笑顔である。

任務が伝えられて作戦を実行しようとするが乗組員が休みでいないので「この町のバーは何軒あるんだ?」って呼びに行くシーンの会話の感じとか「今って2019年だよな、、、」思わず確認したくなる粋なやりとり。最高。

船内をウロウロして船員の顔をチェックして回り、その後の演説シーンもカッコいい。要約すると「俺に任せな」。

そんな昔ながらな潜水艇モノの匂いも出しつつフレッシュな見せ場も沢山用意されてるのが偉い。何といっても潜水していく角度によって男たちがのけ反っていくシーンとか思わず笑っちゃう位カッコよく決まっている。

中盤沈んだロシア船の艦長を助け出し船内がピリピリするが、敵であろうと大変な目にあった奴にはリスペクトを忘れないジェラルド・バトラー。それに答えるロシア船艦長。この人も苦労が顔に滲み出てる感じが素敵でこれまで色々修羅場を渡り歩いて来たのだろう。そうに違いない。

あと潜水艦パートで、特に好きなのは小さな音を出すだけで地雷が反応してしまうので音を出さない様に必死に全員動かない様にする所、ナットが緩んで音が出てるので静かに締めて安心したら「ああ!レンチが落ちる!」シーンとか一級ホラー映画並に緊張感たっぷりで素晴らしかった。

陸の男達

現場の人間は他にロシアに潜入ミッションを受けた凄腕ネイビーシールズの4人がいる。潜水艦描写だけだと、息が詰まるし彼らの話が入ってくるのは僕は良い構成だと思う。

しかし、こちらの描写もなかなか力が入っていて観ていて全く飽きない。銃器描写も迫力あったし、監視の際に使っていた船のラジコンカメラなどガジェットを観ていて楽しい。ローンサバイバー的なタフなチーム感も良くて、まだ入ったばかりへの新人に対する荒っぽい可愛がりが最高。

偵察任務で来た筈なのに途中から拉致された大統領を救出するというイーサン・ハントレベルのミッションに変更になっても「へへ、しょうがねぇな、、、」とオッケーしてしまう隊長の佇まいが午後ロー的な男感でヤバい。

他の3人もキャラが立っている。特に冒頭からテンパり気味の新人君が良かった。早い段階で脚を撃たれてしまい「彼女とかいてフラグ出まくりだし、こいつ早めに死ぬのでは、、、」と思ってただけに、後半での熱すぎる再登場シーンは思わず声を出して応援したくなった。

ハードミッション過ぎてボロ雑巾の様に大統領を連れ出すシーンは笑った。人質として使えねぇなら殺しちまえ!と容赦なく射撃してくる敵の分かり易い悪さが潔い!重症を負ったSPっぽい人もロクに紹介されないが大統領を守ろうと犠牲になり本当いい顔して死んでいく辺りも素晴らしい。

死線を越え部下2人を亡くしながらも、なんとか潜水艦チームと合流し大統領を引き渡せた隊長、ここの「任務は終わった、後は俺のやりたい様にやる」と言わんばかりの表情で(別に言ってない)残った新人を助けに戻るシーンは熱すぎて泣いた。

大体握手で終わればいい映画

その後潜水艦内は大統領を引き渡された後の展開も凄まじくて、どんどん絶対絶命になっていく。

しかしラスト武力や知恵ではなく敵の善意に頼む!というのは最近の映画であんまり観た事なくて逆に新鮮だった。大国同士のいざこざで色んな思惑があったとしても、末端の現場の人間の相互理解のおかげで世界が救われるってとても良い決着だと思う。

そして思ってたより派手な爆破で敵が死にスッキリした後、色んな人の握手で終わっていく美しいエンディング。特に海と陸のやりきった男二人がお互いを称えあう所はまぁ泣く。大体の映画のエンディングはこれでいいのではないかという気持ちになってくる位カッコいい。

そんな感じでいつもに増して馬鹿っぽい感想になったけど、ベタなシーンを真面目に熱く感動的に作れる事はとても大事な事だと思うし、こういう映画こそ胸に刻んでいかなければいけないと思った。


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