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キャプテンマーベルの感想(ネタバレあり)

1回目はTOHOシネマズ二条、2回目はイオンシネマ京都桂川で鑑賞。どちらも字幕。

観終わって劇場を出る際、前を歩く若いカップルの女の子の方がジーパンの上から彼氏の尻の穴を指でグリグリしながらキャプテンマーベルの感想を話してるのが衝撃過ぎて映画の余韻が吹っ飛んだ。

MCU最新作という事で当然の様に楽しみにしていたし、映画史に残るトラウマエンディングのインフィニティ・ウォーと最新作エンドゲームを橋渡しする大役も担っているとても重要な作品で鼻息荒く観てきた。

巧みな話運び

まずストーリー展開は上手いと思った。
今回はMCU初登場のクリー星のシーンから始まる。
ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー1でザンダー政府がロナンなんとかして!ってお願いしたら「は?平和条約結んでやったのに何を出しゃばっちゃってんの?俺ら忙しいんで、じゃっ」とテレビ電話を切った感じの悪い大使のいるあの星。
この記憶が残ってる人が観たらクリーの印象良くないし、ジュード・ロウ演じるヨン・ログもめちゃくちゃ胡散臭いし実は悪い事してんだろうなというのは、かなり予想しやすいと思う。なので中盤付近で動きが怪しくなってくる展開で、そうだろそうだろ、やっぱ悪いだろと安心して観てた。

そういう容易に予想出来そうな展開が続いてただけに、スクラル人がただ安住の地を探している移民だったという後半の展開はやられた。クリー人が悪役になるからといってスクラルの正体があそこまで被害者とは思ってなかった。
ベン・メンデルソーンがあんな役で出てたし、スクラルはスクラルで悪い事してるんだろと思ってただけにビックリ。二回観ると「メガネすると上官っぽいだろぉ」という定番の悪役ビジュアルをミスリードギャグにしていて笑ってしまった。

ブリー・ラーソンはかわいい

今後MCUで重要になっていくであろうキャプテンマーベルことキャロルが、とても魅力的でこれだけで今回の映画は勝ちだと思う。
演じてるブリー・ラーソンがキリっとした表情の割に声が可愛らしく不思議な愛嬌があって好き。アドリブなのか分からないけど話をしてる途中で相手を素早く小突いたり、ジョークを言う時の目の動かし具合とか、文章にすると何でもないんだけど映像で見ると凄い自然でちょっとした仕草でこの人素敵だなって誰もが思う魅力を出していた。

社会的な抑圧によって本来出来るのに出来ない事にされて自分自身もそれを信じかけていた人が、「やっぱおかしいだろ、ふざけんな!」って気付くことで力を解放させていくという、今までありそうでなかったフレッシュな展開だと思った。
違和感に対して「違う」と表明出来る事こそ記憶が消えたとしても残り続けた彼女らしさで、彼女が何故ヒーローなのか?という理由になっているのはMCU(映画)初の単独女性ヒーローとしてとても相応しい。
あの彼女が「立ち上がる」感動は女性だけのものじゃ決して無く、生きづらさを抱えた誰もが共感できる素晴らしいシーンだと思うし、子供達が観て男の子でもキャプテンマーベルみたいになりたいって子がいても全然おかしくない、カッコいい名シーン。

ラストバトルでこれまでクールに振舞っていたヨン・ログが剥き出しで自分の土俵で闘わせ様としてぶっ飛ばされる所は今回の決着としてバッチリ。

サミュエル・L・ジャクソンがかわいい

ひたすら陽気なサミュエル・L・ジャクソンが楽しい。キャロルが地球に来て彼が登場するタイミングで映画の温度が上がる。
あと彼女の事を唯一色眼鏡で見ない男性がフューリーなのもグッとくる。
彼女との短い旅でどんな存在に対しても偏見を持たず、あくまで個人として相手を見るという事を学んだとしたらアベンジャーズへの結成の経緯が遡りで深みを増した気がした。
それと隻眼になった理由があんなしょうもない事がきっかけだったのは笑った。

軽快なコメディ要素

個人的にはさりげないコミカルシーンの入れ方が巧みで好き。
一番いいと思ったのは電車のシーンで乗客の表情をいちいち細かく入れるところ。予告でも流れてたおばあちゃんをぶん殴る所で乗客の「まじか」っていう顔と、さすがにほっとけないので訳も分からないまま3人位がキャロルに必死にしがみついて止めようとするくだりとか、この辺り色んな人の表情をテンポよく入れてるのが観てて気持ちいい。

他「はい、ポケベル、ポケベル出して」などブリー・ラーソンが身振り手振りだけで笑わせるシーンも多くて良い。

苦言を言うなら

宇宙のデザインが他のMCU作品に比べると目を惹く新しいものが無いというか、ガーディアンズ1、2やソー3やインフィニティウォーで宇宙シーンに慣れすぎて世界観を壊さず新しいビジュアルを見せるのも限界になってきた気がした。

最後のスーパーマン的に空を飛んで宇宙船をぶっ壊しまくるシーンは良かったけど、生身の格闘アクションシーンの撮り方はそんなに上手くないと思った。ブラックパンサーでも感じたけど暗くて見にくいシーン多いし、後半の音楽流しながら闘う所も本当にバックで音楽流してるだけだし、正直ジェームズ・ガンならもっと上手いこと演出するのになぁと無い物ねだりをしてしまう。

四次元キューブが出た時は、「またそれかよ!」ってずっこけた。「空間」を操る能力の石だったと思うんだけど、キャプテンマーベルの能力としてもそこから派生した力って感じがしないし、今回の扱われ方は只々強いパワーの石って設定で正直あんましっくりきてない。(それを言ったらワンダとかピエトロも同じなので言いがかりだとも思うけど)

あとアベンジャーズ初期メンバー第1号ってあの状況ならまずグースを選ぶべきじゃないか。もしかしたらあの後、窓から逃げて現在は野良化してるとかかな。

その他クリーは彼女をどう利用しようとしてたのかよく分からなかった。あのままヨン・ログが彼女を宥めすかして兵器として利用するつもりだったのかな?いくらなんでも不安定過ぎない、それ。
力を制御する技術はあるけど体から吸い出したり洗脳したりする力がないのは、なんか都合いい気がする。

彼女の物語がメインの映画なのでラストはヨン・ロッグをぶっ飛ばす所で終わるのは正解だと思うんだけど、結局クリーの帝王みたいのは存命(AIだっけ?)なのでMCU世界観的にはあの戦争の終結ってガーディアンズの1作目では終わってたのかモヤモヤしている。ザンダーと平和条約結んでるのはキャプテンマーベルが他の星々と仲良くする様に働きかけたからなのかも知れない。知らんけど。


とか、色々ごちゃごちゃ言ってるけど2回観たらストーリーの仕掛けとかやりたい事が色々分かったし、作品としては合格点だとは思う。
何よりブリー・ラーソン演じるキャプテンマーベルが魅力的なのでエンドゲーム本当楽しみ。


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