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ワンダヴィジョンの感想(ネタバレあり)

ディズニー+で鑑賞。
ディズニー+に関してはみんなも思ってるだろうけど、改めてかなり不満点が多い。
今回のワンダヴィジョンも初日第一話から不具合で観れなかったり(それ以降もあんまり改善されてない)ネトフリとかに比べると再生中の操作性も悪い。しかし不服だけどマーベルを人質に取られたらお金を払うしかないのでしょうがない。しょうがないのだ。

ドラマでも流石のMCUクオリティ

MCU同一世界モノのドラマは今までも結構あったけど、大体映画本編とは絡まない「スピンオフ」だったと思う。それに対し、「ワンダヴィジョン」はガッツリ映画本編と繋がった本筋の続編になっていて、ここから次の物語に直接的に繋がっていく事になる。

特にこの後控えた作品だとワンダが出演することが確定している「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)」への繋がりがかなり濃いと思われるのでそちらも楽しみだ。


とはいえ今作を観る前は、「一連のMCU映画の流れの中に入るなら、二時間ちょっとにまとめて映画として大きいスクリーンで観たかったなぁ、、、」とか、映画好きとしては少し思ってしまっていたのだけど、そこは流石MCUで「ドラマにする意義」をちゃんと提示出来ている所に痺れる。

第一話からアメリカのシットコムドラマの歴史を辿る様な作りになっていて、一話ごとに世界観が60年代、70年代、80年代と飛んでいきその時代時代のドラマのトレンドを取り入れながらお話が進んでいく。

つまりTVドラマとして観るからこそ一番活かされるこのシチュエ―ション作りがまあ上手いし、それでいてワンダという壮絶な不幸に襲われ続けてきた一人の女性の数ある幸せな記憶のそばに「TVドラマ」が小さな救いとして存在していたというのが、TVドラマがある事そのものを肯定しているみたいでとても切なく胸に響く。

そしてその彼女の物語がコロナ過という大きな不幸の中、家の中で閉じ籠っているしかない僕らへの小さな救いにもなっている。
個人的にはそう意味で本当に多重的に感動してしまう。

こういう物語がある事そのものを肯定するようなMCU作品って今までなかったと思うしかなり新しい試みだと思う。

あと単純に毎週一話ずつしか進まないからこその次のお話へのフックも巧みで一話終わる度に「何がどうなってるんだよ!」と謎が謎を呼んでいく脚本がドラマとして本当によく出来ている。

最後は良くも悪くもいつものMCU

ただ正直そのフックになったものが最終話で全てスッキリ解消されたかと言われると微妙で、ラストの違う場所で主要登場人物がそれぞれの敵と闘い始めるドタバタ展開は、やっぱいつものMCU映画と変わらないのね、という印象。
これはこれで楽しいのだけど毎週毎週の盛り上げ方が上手かっただたけに結末が少し拍子抜け。

特に最大のサプライズだったX-MEN版クイックシルバーがただのそっくりさんだったというオチにガッカリ。
結局彼がクイックシルバーである事の意味が、観てるこちらを驚かす為だけでお話上あまり意味を成していないのもなんだかなぁ。
(まあ高速移動とか実際にしてた所を観るとただ普通の人が操られていたとか言われても、あんまり納得出来ないので、「やっぱX-MENだった!」とか、今後無理矢理辻褄合わせるのかも知れないが、、、)

登場人物

ワンダ

第8話のそれまでの彼女の人生が語られていく所が切ない。
ピエトロやヴィジョンが亡くなった悲しみの深さも相当だったし、5年後に戻った時のアベンジャーズファミリーも彼女の心に寄り添える人が殆ど居なくなってしまった事もこれほどの事件を起こした事に繋がっていると思う。母親的な役割をしてたっぽいブラックウィドウや大黒柱のキャップも居ないのもなかなか辛い。
一番仲が良かったホークアイとか気にかけてあげられなかったのかなぁと思ったけど新たな弟子の作品も控えてるしそっちにかかりっぱなしなのかも。(知らんけど)

今回遂に彼女の能力が明らかになって色々納得。
催眠術的なやつとサイコキネシス的なやつって能力として違い過ぎない?と思っていたけど、実は「魔女」としての才能が少しあってそれをインフィニティストーンで倍増した様な能力だった。
石の力でドーピングしまくったドクターストレンジって感じっぽい。
ドクターストレンジ次回作でMCU世界の「魔女」と「魔術師」の違いについて説明されんじゃないかな。

ヴィジョンの具現化に関しても、彼女の記憶に沿ったヴィジョンなのかと思ったら、彼女の考えと対立したりして、本物ではない筈なのに「生きている」存在としてそこにいる。2人の子供もそうだけど知能や心やスーパーパワーをそのまま持った命を生み出す事が出来る存在ってもうMCU世界において神と言っていい能力。

お話が進み真相が分かっていくにつれて、ハッピーエンドで終われないのが分かってくるのが、観ながら辛かったけど、エンドロール後のシーンでとことん闇に落ちてさらに先に向かっていく終わり方は結構好き。

ヴィジョン

ドラマ内ドラマパートの(ややこしい)コミカルさが今までのイメージを覆していてとても可愛らしい。

回想編でピエトロを失ってふさぎ込んていたワンダにかける言葉が本当に優しくて改めてとても好きになった。
インフィニティウォーの初見時、ワンダと付き合い始めていたのが分かるシーンが以前からの関係性の変化が急過ぎてちょっと驚いたのだけど(まああんだけ盛り沢山の映画に足しようもないけど)、それを補う上でもここのシーンは素晴らしかった。

アガサ・ハークネス

MCU初登場の「魔女」の力を持った人。
凄まじい力を持った事で他の仲間から処刑されそうになるが逆に力を吸い取ってその後は完全に一匹狼魔女として生きてきた。要はワンダのあるかも知れない未来を体現してる人物なのだけど、ワンダが彼女の様になってしまうかは今後の話になりそう。
それ故に写し鏡にあんまりなってないし、現時点のラスボスとしては印象が弱い気がした。
ただ死んでないのでまた他のMCU作品に登場するかも知れない。

ドラマならでは今週が終わって次週の期待度をどんどん上げていくリアルタイムで観ている事ならではの楽しみは映画では味わえないので、そこは素晴らしかったけど、全体で考えるとちょっとラストは尻つぼみという感じ。

まあMCUドラマシリーズはまだ始まったばかりだしこれだけ面白ければ合格点だろうけど、またケヴィン・ファイギがどんどん仕掛けてくるだろうし今後の展開も楽しみ。

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