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AI崩壊の感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。
1番大きいULTIRAスクリーンで観るの久しぶりだったけどそれだけでテンション上がる。

僕が購読してる「僕らのモテるための映画聖典」の主催の入江悠監督の最新作。
イベントにも何回か行かせて貰っていて、とてもリスペクトしている監督さんなので、毎回新作が出る度に楽しみであるのと同時に面白い作品であります様に、、、という緊張感もある。

僕が特に好きな作品はSRサイタマノラッパーロードサイドの逃亡者、ビジランテ、太陽。
当たり前の様に人が人を搾取する世界で、それ以外の価値観で生きる人に優しい視線を送っている様な作品が好き。

で、今回の新作を観たのだけど、正直入江悠監督作品で1番ピンとこない映画だった、、、。

都合の良い展開や、何種類も被るタイムリミット設定、主人公の過去の魅力の無さ、などなどどう考えても微妙。

でも岩ちゃん製作の警察側AIの大沢たかおの追い詰め方はちょっと面白かった。ドライブレコーダーとかスマホのカメラとか僕らの生活に馴染みのあるモノを使っているのは親近感がわいたし、ある程度説得力があった。

ただこないだのワイスピとかなんでも良いけど、そんななんでもかんでもネットに繋がっているもんですかね。近隣のカメラの映像をまとめて見れるより、色んなものがネットに繋がるように準備するのが凄く大変そう。

その辺はちょっと先の未来だから!という設定だから飲み込むにしても捕まえにくる警察が無能過ぎるだろ。
あんな一般のおじさん捕まえるのにどんだけ手間かかってるんだ。特殊部隊の人達も全然プロ感なくてコントっぽい。地下道のくだり、当たり前の様に次の場面にいったけど、何で逃げられたのか謎。
あと狙撃者の銃を撃つタイミング下手過ぎる。賀来賢人殺す必要ないのに死んで可哀想。

おそらく黒幕の岩ちゃんも自分の部下があそこまで無能なのは予想外だったんじゃないだろか。日本変える前にまず警察組織の無能な部下をAIに殺させる所から始めるべきだった。
↓ここまで追い詰めて捕まえられない、っていくら何でも現場の責任を追及する描写が無いとおかしい。
広瀬アリスと三浦友和のコンビにイライラするより特殊部隊員の方が仕事出来な過ぎて全然ダメじゃん。

入江監督作品は結構追ってくる人が映画の展開の為に「待つ」シーンが多いのだけど、今回はこのくだりが何回も繰り返され続けるし流石にマイナスだと思う。

他にAIにより暴走した車が突っ込んできて、大沢たかおが逃げるくだりがあるんだけど、「何故か分からないけど、これはAIが大沢たかおを逃そうとしてあえて車を突っ込ませたんだな」と思ってたら全く何の理由もない偶然だったのがビックリした。いくらなんでもご都合主義過ぎる。

娘が閉じ込められるくだりを作りたいが為に写真を無くして、、、からの流れとか乱暴過ぎる。
しかもどっから写真出てきてんだよ、あんな所に入り込む訳ないじゃん。そもそも荷物検査の時に通信機器だけじゃなく全部預ける形にしてないのも謎すぎる。
ここのタイムリミット設定もよく分からなくてAIからすりゃあの心臓部に人残っているのが1番嫌な筈だし、真っ先に追い出すか殺すべきだと思うんだけどなんであんな生殺し状態で置いとくのかよく分からない。

AIによる虐殺が始まるタイムリミットと娘が凍死するタイムリミットは別だと思うんだけど、どっちかで良かった気がする。

こういう展開として面白くなる流れを作りたいが為だけにしてる御膳立ての詰めが甘いのでだんだん話がどうでも良くなっていく。テンポも悪くなるし正直観てて気が遠くなる。

あと個人的にキャラクターがみんな感情的なのもあんまり好みじゃない。
主要の人が話している後ろで表情を大きく変化させてリアクションする役名のない人達とかの演出があんまり上手くないと思う。

でも役者さん自体は存在感として良い人もいて、個人的に岩ちゃん。キリッとしたスーツ姿がカッコいい。
ずっとサイコパス役とか悪役での活躍が見たいなぁと思っていたので全く反省しないし、話通じないのは新鮮だった。
後ろの席の若い娘2人組が岩ちゃんファンだったらしく岩ちゃんが何かやる度に声出して喜んでるのが良かった。黒幕だと分かった時に「最悪や、、、」と言ってた。

あと玉城ティナが可愛い。そこまでメインの登場人物じゃないのでノイズになる位美人だ。 家族の写真大事ですよね、のセリフあんまり意味無くて笑った。

あと毎熊さんは本当いい顔つきで出てるだけで華がある。ちょっとしか出ないけど同僚のMEGUMIも良かったしあそこの編集部のエピソードもっと観たいくらい。

その他良かった所で言うと、貨物船内での逃亡シーンは長回しの緊張感があるし、哀しき獣みたいで見応えがあった。海に飛び込んだ後のAIが計算した生存率高すぎて驚いた。どういう計算なの。

という感じで全体的に全然面白くなかったのだけど、入江監督には今後もお金のかけた映画沢山やって欲しいので心の底からヒットして欲しいし、次の作品も楽しみにしている。

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