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「ホワット・イフ...?」の感想(ネタバレあり)

もしも...キャプテン・カーターがファースト・アベンジャーだったら?

「キャプテンアメリカ/ファースト・アベンジャー」の別ルートとしてとても説得力があった。
「ホワット・イフ...?」は観るまで突拍子のないアイデアで考えた出オチシリーズなのかと思ったら、あくまでMCUを本筋としてあってもおかしくない小さな変化から全然違う物語に変わっていくエピソードの積み重ね方が丁寧で、やっぱりそこはMCUクオリティ。実写と違うアニメだからこそ出来る味わいのアクションシーンも良い。

スティーブ・ロジャースは元々軍人じゃないのでスーパーソルジャーになった後も軍の言いなりで動いて時期が長かったけど、カーターの場合は組織内の融通の利かなさを重々分かっているのでスタークと共にすぐ行動を起こし、コズミックキューブを早い段階で奪還しているのが優秀だし、キューブのおかげでハワード・スタークが初期アイアンマンスーツを完成させてスティーブが身に纏い闘うという流れがとても上手い。
カーターとスティーブが対等な関係でバディ化しているのが本筋の方を知ってるからこそ感動的。途中の2人飲みで肉体やマシンの運転手じゃなくお互いの精神性を讃え合い恋に落ちていく描写も素敵だった。
しかしキューブ奪われたヒドラの兵器のしょぼさが気の毒。

色々と変わっていても、やはりダンスの約束しているのは泣かせる。

もしも...ティ・チャラがスター・ロードになったら?

タイトル見た時に一番「なんでもありじゃん!」と思ったけど、彼が子供の頃から外の世界に興味がある点や、宇宙鉱石であるヴィヴラリウムの槍をきっかけでヨンドゥが見つけるくだりなどの理由づけが無理なくしっかりされている辺りは、こちらもさすがMCUクオリティ。

しかし、ティチャラという人格のしっかりした人がラヴェジャーズになるだけでエンドゲームの様な宇宙戦争展開なしになるのは流石に笑った。その結果サノスがすっとぼけ庭師となり、ロナンは力を無くし、ドラックスの家族も生きてる、ネビュラもそんな改造されてない、他のマルチバース世界の中でも群を抜いて平和。

ただサノスが居なくなった事でコレクターが力が強大になっている。終盤の武器コレクションを見る感じだとコーグやヘラなどソーのラグナロクの時のメンバーが悉く敗れているっぽい。

後、ティチャラが優秀過ぎるおかげで本家のピーター・クイル版スターロードが比較されてしてしまう感じになって気の毒。
ラストに出てきたこの世界のピーターのしょんぼりした雰囲気と、地球にいてiPodとかあるはずなのに大事にお母さんからもらったカセットテープのウォークマンまだ使ってる所でめちゃくちゃ切ない気持ちになった。

その他、音楽もガーディアンズとブラパンを合わせた様なアレンジになってて良かった。

そして油断してたら最後のチャドウィック・ボーズマンに捧げるメッセージに泣いた。

もしも...世界が最強のヒーローたちを失ったら?

お馴染みのヒーロー達が次々死んでいくのだけど、あまり悲壮感が無く、どちらかというとコミカルでブラックコメディ回だと思う。
アイアンマン2から始まりソーとインクレディブルハルク3作の絡め方が絶妙に上手いし、その流れのままキャプテンマーベルを加えアベンジャーズ一作目へと続いていくのも良い。

しかし暗殺者と化したアントマンがめちゃくちゃ怖い、そしてピム家の人々の不幸が辛い。

とはいえ正直観た直後はヒーロー不在の話なので「ホワット・イフ...?」前2話に比べると一本の作品として弱い気がして、「当然話によって当たり外れがあるよね」と観た直後は思っていたけど、最終話の繋げ方でビックリした。やっぱMCU抜かりないな、、、。

もしも...ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?

単品の話としてかなり終わり方に救いがなくて結構ショッキング。ドクターストレンジというキャラクターの精神が崩れたらここまで酷い事になるのか、、、。本筋でも常軌を逸する位忍耐強いキャラだけどベクトルが真逆にいったら本当にヤバい。というか他の世界線にも頭のおかしいドクターストレンジがいっぱいいそう。

2人のドクターストレンジのバトルシーンはとても見応えあり。悪に堕ちたストレンジの魔物と一体化した様なビジュアルの攻撃はディズニーアニメっぽくて観ていて純アニメ的な気持ち良さがあった。

闇の魔術を極めまくって人間として存在を超越した結果、ウオッチャーの存在にも気付けるというのは後の伏線として抜かりなし。
あとキャプテンカーターの回から引き続き触手の怪物登場してたけど本家の方でも今後重要な存在になったりするのかな?

もしも...ゾンビが出たら?

先週のドクターストレンジ回から打って変わりかなりコミカルな回。
映画1番詳しいスパイディがゾンビ映画のセオリーをいちいち説明してくれるのが可愛い。世界がゾンビ化して余程暇だったのかその辺のメンバー集めて自主映画撮ってるのも最高に笑えた。

それとバッキーを執拗に追ってくるファルコンとキャップなど、無意識的な生前の記憶が残ってそうな感じがちょっと切ない。
その割にみんな「それはそれ」で生前がどんな人であろうと容赦なく殺すのが面白いし、唯一そういう割り切りが出来ず、ゾンビになっても恋人を変わらず愛し続けるキャラが人間ではないヴィジョンだけなのが味わい深い。

ラストの最悪ゾンビ登場で終わる切れ味も良かった。

もしも...キルモンガーがトニー・スタークを救ったら?

みんな大好きキルモンガー無双エピソード。
大学の卒論が殺人マシン製作計画だったりでメカオタクの一面が見れたり、その流れでトニー・スタークとバディ化していく前半も楽しい。
あっさり救出されたトニー・スタークはアークリアクターを作る事は無くなり、代わりにヴィヴラニウムを使うというアイデアも良い。しかしヴィヴラニウムって動力にもなるんだな。

ただライアンクーグラ監督版ブラックパンサーに比べると、彼に対する視線が結構突き放した感じで、「本当は悪い人じゃないのに悪に染まるしか無かった人」という哀愁はあまり感じなかった。記号的な悪役のサクセスストーリーって感じがした。
まあ本家はライアン・クーグラがマイケル・B・ジョーダンを好きすぎなのもあるけど。

もしも...ソーがひとりっ子だったら?

今回のシリーズで一番のおバカ回。
そして、スターロードティチャラの回と同じ位宇宙が平和。オーディンがロキを返してあげただけでここまでお気楽な雰囲気になるとは。逆に言うと本筋の方はオーディンがマトモじゃないせいでソーの家族はめちゃくちゃになった気が。まあこの後ヘラとかも出てくんのかもしれないけど。
しかしこの世界のソーの、何も考えず生きている感じは凄い。1000年以上生きて精神年齢中学生くらい。最終話のウルトロン戦も、マジで自分が何故ここで闘っているのかよく分かってなさそう。

友情によってソーとロキが兄弟同然で仲良くなってるのとか本筋があれなだけにちょっと感動。というか悪戯の神じゃないのでここのロキは性格良さそう。ありのままの自分。

コーグの悪ふざけでフューリーが半殺しにされて、本筋ではあんだけ勿体ぶって登場したキャプテンマーベルが怒って来る展開も面白い。ソーとのマジ喧嘩が観られるのは眼福。あと国境跨ぐぶっ飛ばし合いもアニメならではの演出で良かった。

ラスト「なんか知らないキャラが出てきた、、、」という、次回へのフックはビックリした。

もしも...ウルトロンが勝ったら?

「エイジ・オブ・ウルトロン」では、ほぼいい所なしでボコボコにされてたウルトロンのまさに「俺の時代!」回。
あのままヴィジョンのボディをゲットしてたらアベンジャーズ敗北してるのは驚いたし、その後きたサノスもあっさり敗北してるのは笑った。石5つ揃ってるんだからもうちょっと頑張れよ、とは思った。

その後のマルチバースの存在にも気づく程の全能な存在になっていく展開は観てるこちらを物語の中から観られる怖さがあってウォッチャーと同様にゾクっとした。
しかしウォッチャーの自分の立場がヤバくなった途端、諦めかけるホークアイに「おい!もっとがんばれよ!」と応援しだす感じはこれまでMCU作品を観てきた僕らと完全に同じで、とても人間臭い。

マッドマックスというかアニメなのでどちらかというと北斗の拳に出てきそうな女戦士ファッションのナターシャもカッコ良くて好き。

もしも...ウォッチャーが誓いを破ったら?

これまでのエピソードで感じたそれぞれ若干の食い足りなさを、冒頭で次々と回収していく手腕が見事で大満足。特にキャプテンカーターは「キャプテンアメリカWS」の最初と同じ展開なのに、闘う女性ヒーロー同士という事でナターシャとの友情がスティーブに比べより深いのも納得だし、後半にウルトロンに世界を滅ぼされたナターシャからの信用の勝ち取り方もとても自然で上手い。

そしてこれまでのエピソード要素を余す事なくウルトロン戦にぶつけてくる感じも良い。まさかのゾンビ回要素まで入れてくるのは拍手。中盤のチームならではの協力バトルも最高でドクターストレンジの魔法で増やしたソーのハンマー、ナターシャとカーターの盾の二重攻撃など観てるだけで楽しい。
ウルトロン世界のナターシャの新たな居場所にヒーローが居なくなった世界へ行くのも優しい着地で僕は好き。

その直前にウォッチャーとナターシャの「物語の中の人とそれを観るファン」との問答シーンはとてもメタ的な面白さがあった。
ポップコーン食べながら私達が殺されてるのを楽しんでたの?と言われるとグウの音も出ないのだけど、ウォッチャーがそれでもあなた達の物語に救われてるんですよ!とファン代表みたいに返す所は味わい深い。

しかしキルモンガーファンというかマイケル・B・ジョーダンファン的には彼を単純な悪役のまま終わらせてしまったのはあんまり好きになれなかった。
根は悪い人じゃないのでヒーローとして活躍するキルモンガーも観たいなぁというファンの願望。
ただ今回死んだ訳じゃなく封印されただけなのでシーズン2以降出てきたりするかも。
それと早くサノスアーマーガモーラのエピソード観たい。

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