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母卒業〜2つの形

今日20年を共に過ごした猫やんを
火葬していただいた

彼は白い小さな壺に入った

長生きな猫に私たち家族は
たくさん癒されていたと
誰も居ない部屋で実感する

2週間前
私は母卒業の一回を迎えた
息子の一人暮らし宣言から
あっという間に部屋を見つけ
10日目に引っ越して行った

彼は前職でリサイクルショップ
の仕事に就いていた
給料が良いからと選んだ仕事は
住む人が手に追えなくなった家や
いわゆるゴミ屋敷を片付ける仕事

帰ってくると今日の様子を
話してくれるのだけど
私には無理だ!!と
叫び出したくなるような
ヤバ案件も多数あった

以前の彼は嫌なことから
さらっと逃げ出すタイプだったが
これを機に頼もしい人に変貌を遂げた

ある日
「転職、新しい仕事決まった」
「一人暮らしするから」

急展開!!

私自身は20歳で嫁ぎ
その後3歳の彼を連れて離婚して
1人の大人として生きていけるように
なってくれたらと接して来たけど
なかなか巣立たないから
甘やかし過ぎたかなぁと
思う気持ちもあった

バンザーイ!!!!!!
私も子育て終了です
母卒業1

しかし年老いた猫のことは
彼も心配だった様子

猫は小学生だった彼が
埼玉の公園で拾って来た子
自転車のカゴに入ってやってきた

それから男同士だったからか
甘えるというより
ライバルみたいな存在で
階段を上り降りする足に
猫パンチを繰り出す仲だった

長い月日が過ぎて
埼玉から札幌へ引っ越し
アパートから一軒家へ

長いこと同居した私の元相方を
含めてこの一軒家で約10年

元相方とユニットを解散した
2019年に1人減り

今回息子が一人暮らしを
その姿を見て安心したのか
猫は徐々に弱り始めて
2週間後の朝に
私が仕事へ行くのを見送り
1人で逝ってしまった

いや

逝かせてしまった

朝トイレから出てヨロヨロと
いつもは行かない
大嫌いな掃除機がある場所
その奥にある病院に行く時
使う猫ゲージに入って行った

頭を撫でて
行ってくるよごめんね

と話しかけたのが
最期になってしまった

と言っても毎日毎日
ほとんど1人で待たせていた
猫生の半分は留守番だったかも

そして働いてばかりの母
母は仕事が好きなタイプ
息子や猫に留守番を強いてきたなぁ

2人が一緒に居てくれた事に
甘えていたんだなって思う

私や息子や元相方にとって
あの子の存在はひたすらな癒し
抱っこしたり可愛い顔や
面白い動きを見て笑った

息子が小学校高学年の時
足がめっちゃ臭くて
猫が恐る恐る嗅ぎに行った時
目がこれ以上開かないという
くらいの見開き加減で
慌てて後退りした姿!
動画に撮れなかったのを後悔

しかし全員の頭に鮮明に
焼き付いているのです

ただただ家に居て
私たちが差し出すカリカリを食べ
たまに私たちのご飯をもらう
抱っこして〜と甘える

楽しみはそのくらい

猫が生きているうちから
ペットを飼うということは
深いなぁって思っていた

私には申し訳ないなって気持ちが
浮かんできてしまう

私が自由人だから余計だろうけど

最期を看取るまでは
大事な家族として私が
しっかりやりたいと思っていた

トイレの扉をこじあけて
無理矢理入ってきて
抱っこしてた時とか

夜寝る前に外まで聴こえる
奇妙な声で鳴いていた老猫

私が出た後のお風呂場の壁を
なぜかペロペロ舐めていたとか
不思議な子でした

母卒業2
晴れと雨が交互に来る不思議な
お天気の日火葬しました

動かなくなっても
カチカチになっても
骨になっても
可愛さは変わらないんだと
知りました

テレビをつけても
YouTubeを見ても
昼寝をしても

誤魔化すのは難しい

母卒業の2つの形

そして人生初の完全なる一人暮らし

さて
何しようかな

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