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3/19 ますむらひろしと宮沢賢治

おはようございます。
宮沢賢治の『皮トランク』で繰り返し使われる「こんなことは実にまれです」というセリフを、昨夜読んでいた ますむらひろし『コスモス楽園記』第5巻64ページ「60地図」に発見しました。

正確には「こういうオトナは実にマレです」。
デブ猫・文太が、小学校の子どもたちの弁当を盗み食いします。臨時の担任教師となった真弓が文太に薪を投げつけ懲らしめるシーン。
読んでいて、それに氣がついたじぶんに愉悦を感じました。

このシリーズはブックデザインが凝った造りで見惚れてしまいます。

猫つながりということもあり、ますむらひろしさんのコミックは昔から好きでほとんど持っています。
今回久しぶりに読み返したところ、今までは見過ごしていた端々に顕れる宮沢賢治の引用にドキドキしました。
よく考えたら、ますむらひろしと宮沢賢治はセットで考えてしまうほど密接につながっていて、なんと『銀河鉄道の夜』は3回も描いていらっしゃる。

しかし、ちょうどやったばかりの『皮トランク』のセリフに巡り合うのは、やっぱりシンクロニシティかしらん。してみると、世の中はシンクロニシティに満ちている。

もっともこういうことは実によく起こるんですよねぇ。
まずもって、例えば猫好きは外を歩いていて猫に氣づきやすくなるといった「アンテナを張っているから」というのがあります。
しかし、どうもそれだけではないようにも感じる。
あちらの方からも近寄って来る、磁石の力のような、そんな感じですかね。

なぜ、ますむらひろしのコミックを読もうとしたのか。
数日前に読んだ岡野玲子の『妖魅変成夜話』の隣に並んでいたので、つい手に取った。しかし、常に必ず隣の本に進むわけではないかですからね。
なんかしらの力が働いて、ますむらひろしワールドに入ったとしか思えない。
本のほうから「賢治やってるんだったら、次はコレでしょ」とやってきた感じなんですよね。

以前も「アレ、なにかの本に書いてあったんだけど、どこに書いてあったかな」と探していたら、本棚から突然1冊の本が落ちた。拾いあげてパラパラとページをめくったら、探していた箇所がまさにその本にあった。
これ、クリストファー・ノーラン監督の映画『インターステラ』で、本棚から勝手に本が落ちるシーンと同じで、びっくりしたのを覚えています。
「事実は小説より奇なり」
ホントはフィクションなんかよりノンフィクションの方がはるかにワタシたちの想像を超えたことが起こっているんじゃないかしらん、と時々思います。


ただワタシの場合こういうことはあくまで単発でしか起こらない。なので、特殊能力があるわけではなく、たまたま時代の波とか、なんらかのポイントが合致してるんだろうな。たぶん、そういう体験をしてる人、たくさんいると思います。

宇宙のリズムにうまく乗ってると物事がスムーズに進むっていうのと同じようなもんじゃないでしょうか。
最近はたぶん宮沢賢治の軌道に乗っているので、いたるところで賢治に出会う。で、思うのは、現在手持ちの書籍に賢治関連がだいぶあるってことです。和歌山から引っ越す際、書籍はかなりの量を手放したわけですが、それでも残った書籍の中に賢治がいっぱい潜んでいるんです。

そして、中学時代、星座観察の仲間内でワタシは「ジョバンニ」と呼ばれていたことを数日前に思い出しました。いくら中学生とはいえ、よく恥ずかしげもなく、ジョバンニですと、なはは。そういや、その仲間のなかに「ユキオ」君がいた。「行雄」はワタシの生まれてこなかった弟の名前。
うーむ、時間は過去現在未来で動いているわけではないのかも、ね。
やっぱパラレルワールドなのよ~。

賢治がパラレルワールド感覚で作品を残したと考えると、腑に落ちることがたくさんありそうです。ワタシにとって、河合隼雄先生も賢治と同じ。だから繰り返し、繰り返し本を読む。

ではでは、今日もご機嫌元氣な1日を。

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