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まぁるいお山に藤の花咲く 浦神の4月

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浦神「猫楠舎」 2022年4月の日記

「木の葉採り月日記」
●4月某日
台所の窓から見える西側の石垣は1年中草で覆われている。特に春、暴力的なまでの草の伸び具合に、台所に立つたび「オーマイガ」とつぶやいてしまう。しかし今年は違う。石垣の草たちを草焼きバーナーでブボォブボォと焼き払ったからだ。さらに一輪車でせっせと砂を運び、セメントを捏ね、わっしわっしと石垣下をコンクリ化した結果、素の石垣が姿を現した。いとうれし。

草焼きバーナー処理した西側の石垣


●4月某日
ちょっと前から台所の水切りかごが氣になっていた。そんな折、ZOOMゼミナーで「うちは水切りかごないですよ」「うちも」というやりとりがあり、背中を押された形で「えいやっ」と水切りかごを処分した。途端にスッキリ清潔、超氣持ちいい。洗った食器類などはいったんタオルの上に置き、すぐにリネンで拭いて所定の場所に戻す。濡れたタオルは洗濯機へ。格段に台所の雰囲氣が変わった。調子に乗って、ナマハゲのごとく「他に捨てられるものはないが~」と家じゅうをのしあるく日々。

●4月某日
スプレーと遠吠えが始まった雄の子猫ヤムヤム、本日N動物病院で去勢手術。朝一で預け、手術終了の昼までは妙法山阿弥陀寺までドライブすることに。途中、那智の滝を右手に見、さらにその先を行くのはワタシの車のみ。常に清々しい阿弥陀寺の見晴らし台からキラキラ光る熊野灘を見渡す。ここからの眺めは一見価値あり。他所からのお客様が来るともれなくここにお連れし、喜んでもらう。今年は花見に行かなかったが、阿弥陀寺の境内でハラハラと舞い散る桜花を見ることができラッキー。

阿弥陀寺見晴台からの眺め


昼、無事に手術が済んだヤムヤムを家に連れ帰り、ホッとする。ヤムも、これで正真正銘、猫楠舎の家猫さんやね~。

去勢手術が済んだヤムヤム


●4月某日
北側の山が藤で紫色に染まっている。遠くから眺めるだけではもったいない。天氣もいいし、近くまで行ってみよ。「思い立ったが吉祥寺」、首からカメラをぶら下げて、藤花に向かって歩き始める。線路を渡った津波避難所のあたり、真下から見上げる藤花が青い空に見事に映えとる~。自然の藤花は、庭のものより自由奔放でハツラツとしている。ワタシの頭に藤花アンテナが立ったらしく、玉の浦近くでもわっさり咲いた藤花を発見。さらに帰宅後、改めて山を眺めると紫色ではなく、ちゃんと藤の花が見えたから不思議。

藤棚の花より俄然ワイルドな藤


●4月某日
久しぶりに那智勝浦町立図書館で本を借りる。なかでもモースの『日本人の住まい』は猫楠舎の造りを知るうえで最高の手引書になると直観し、ネット注文した。日本家屋の素晴らしさに氣づくのは、なぜか外国人。豊かさのなかにいてそれに氣づかない日本人、この構図は変えられないものか。その他借りたのは、中村哲、北村薫、小澤俊夫、蒲池明弘の本。すべて學び心を刺激する本ばかり。

駐車場のヨモギを乾燥させ入浴剤に


●4月某日
このところ毎晩、乾燥ヨモギを鍋で煮出して入浴剤としている。ヨモギを入れる巾着袋がほつれてきたので、ひさびさに裁縫箱を引っ張り出し、ちくちくと針仕事。やり出すと案外楽しい。せっかくなので予備の袋を作ることに。リネンタオルを再利用し、やや大きめに作る。巾着袋は100均でも買えるが、店への往復の時間とガソリン代を考えたら手作りで十分。たまの裁縫も氣分転換になるものだ。


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