見出し画像

面接で聞くストーリー STAR, AAR, SBI

ジョブ型での採用面接では、職務記述書(ジョブディスクリプション)が求める期待(ハード面)と企業の行動規範・文化が求める期待(ソフト面)との両面から、入社後の候補者の活躍(短期)と成長(長期)の確度を探っていきます。

例としてアマゾンジャパンでは、「行動(実体験)に基づく面接」を基本としています。

行動に基づく面接
面接官には、行動に基づいた質問をするということが根付いています。Leadership Principlesを面接のガイドにしながら、過去に直面した状況やチャレンジについて、またそれをどのように解決したかについてお伺いします。

https://www.amazon.jobs/jp/landing_pages/in-person-interview

あなたが実際に体験した〇〇〇〇のストーリーを聞かせてください。

採用面接は、まさに候補者の「ストーリー・テリング」であり、面接者の「ストーリー・リスニング」といえます。

わたし自身が候補者の方にうかがうテーマは、「最も困難な課題にチャレンジした体験」「最も誇りに思う成果」「最も貴重な失敗からの学び」、が多かった。「チャレンジ」が成功した場合は「誇りに思う成果」、失敗した場合は「貴重な学び」となります。結果の成否よりも、その候補者の実体験が具体的かつ鮮明に脳内に再現されることを重視しました。

テーマの設定から、順序だててストーリーをうかがい、深堀りしていくフレームワーク(枠組み)としては、STAR、AAR、SBIがあります。わたしは候補者も意識しやすい三部構成のSBIを基本としました。

STAR (Situation, Task, Aciton, Result)

(S)Situation…行動時は、どんな状況だったか
(T)Task…その状況でどんな課題があったか
(A)Action…課題に対して具体的にどう行動したか
(R)Result…行動した結果はどうだったか

https://parame.jp/saiyou-mikata/star-interview/

AAR (After Action Review)

1) What did we expect to happen?  (目標)
2) What actually happened? (行動)
3) Why was there a difference between what we expected and what actually happened? (評価)
4) What can we change next time? (学び)

https://hbr.org/2023/01/a-better-approach-to-after-action-reviews

SBI (Situation, Behavior, Impact)

Situation: Describe the specific situation in which the behavior occured. Avoid generalities, suc as "last week," as that can lead to confusion.(状況)
Behavior: Describe the actual, observable behavior. Keep to the facts. Don't insert opinions or judgements. (行動)
Impact: Describe the results of the behavior. (結果)

The University of Alabama at Birmingham - Learning & Development

SBIは、上司・同僚・部下へのフィードバックのためのモデルとして広く活用されています。面接でストーリーを聞くモデルとしてはSTARが一般的ですが、S (Situation) と T (Task) はひとまりで聞くようにしていたので、ST+A+RはS+B+Iの三部構成にしていました。

S (Situation) では、本人を取り巻く環境状況と、本人の状況との両方を聞きます。本人の状況は、職務、役割、目標、課題などを再現するものなので、STARTのT (Task)と重なっています。

SBIで語る・聞くショートビジネスストーリーは、ストーリーでいう三幕構成(はじまり、なか、おわり)、序破急(じょ・は・きゅう)の三部構成になっていることに、ストーリーを学び始めて気がつきました。

わたしの採用面接でのストーリー・リスニングでは、S (Situation) を最重視していました。あたかも自分がその場にいたかのように、具体的に状況が再現されると、次の行動やそこからの結果についても具体的になり、掘り下げる質疑応答がスムーズになります。その候補者のドラマが、そこから動き始める感じです。

振り返ってみると、こんな前職での体験が、ショートビジネスストーリーのリスニング、ライティングへと、自分自身を導いてきたように思います。採用面接を通じて、多くの方のストーリーをうかがうことが楽しかったのです。


しかし、そもそも「ストーリー」とはなんでしょうか。その言葉を使っていながら、よく整理、理解できていない自分がいます。次回からは、「ストーリーってなんだろう? 読書ノート」として綴っていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?