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詩「最も小さくて暗い星」

病状がひどいというより、服薬がつらすぎて、小説を書けない時期。
ひっそり、ブログで詩を書いていました。
そのブログはもうなくなってしまったんですが、たまに、そこから拾い上げたり、また新しく書いたり、noteに載せていこうかなと思います。
ご興味があれば、ぜひぜひご一読ください。


「最も小さくて暗い星」

月明かりが枝葉の間から
柔らかく射し込んで
足元の木の根を蒼く浮かすようだ

秋の夜は透き通りすぎて残酷
星々に心の奥底を見据えられてるみたい


私は本当は
何をどうしたいんだろう

次々に心の明るみに出てくる
不安や焦燥や
未来に懐疑的な言葉たちは
金輪際いらないと締め出して

天体のど真ん中へ手を伸ばし
大地に足をふんばって

運命の輪をまわせるのは
無数に散らばる眩い恒星たちじゃなく

どんなに小さくて儚くたって
この命

私にあるのは
この命なんだと宇宙を仰いだ


ぎりぎり見えてる
最も暗くて小さな赤い星が
楽しげに笑った

私たちはみんな
他にどう見られようとも
そうして
自ら光るものなのと

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