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装丁日和 文庫編

 こんにちは。菜のはな書房です。
 「装丁日和」第3弾、文庫編です。
 文芸書と比べて安価で買いやすい文庫ですが、本体+カバーの組み合わせで、紙の種類やサイズなど基本の形態が決まっている分、ポイントになるビジュアルがわかりやすいのではないかと思います。

 今回紹介する4点は、「写真」「文字のみ」「模様」の3つのバリエーションになります(キャラクターイラストが主体のライトノベル系は、また別の機会に特集できればと思います)。
 多種多様な文庫デザインの世界をご覧ください!

1)「女生徒」太宰治 角川文庫
 装丁 : 祖父江慎 +cozfish
 写真 : 梅佳代

2)「女の子は本当にピンクが好きなのか」堀越英美 河出文庫
 装丁 : 川名潤(カバーデザイン)、佐々木暁(カバーフォーマット)

3)「書を捨てよ、街へ出よう」寺山修司 角川文庫
 装丁 : 寄藤文平+鈴木千佳子

4)「銀河鉄道の夜」宮沢賢治 角川文庫
 装丁 : 大武尚貴+鈴木久美
 装画 : てぬぐい 弁慶縞(株式会社かまわぬ)

「女生徒」太宰治 角川文庫

「女生徒」太宰治 角川文庫

 梅佳代さんの写真作品を採用したもの。タイトルともに横組みで、一風変わった仕上がり。「文豪」の作品だが気構えずに表紙写真の女の子たちのような気持ちで(?)読んでみたい。


 「女の子は本当にピンクが好きなのか」堀越英美 河出書房文庫

「女の子は本当にピンクが好きなのか」堀越英美 河出文庫

 タイトルと著者名のみの構成。「ピンク」の文字部分はピンク色で、シンプルだが目に残る色遣い。


「書を捨てよ、街へ出よう」寺山修司 角川文庫

「書を捨てよ、街へ出よう」寺山修司 角川文庫

 表紙に本文からの引用を配した力強いデザイン。赤と緑の配色、銀の箔押しがスタイリッシュ。これをポケットに忍ばせて街へ出よう。

「銀河鉄道の夜」宮沢賢治 角川文庫

「銀河鉄道の夜」宮沢賢治 角川文庫

 手ぬぐいブランド「かまわぬ」コラボカバー。弁慶縞という模様。宮沢賢治作品はいろいろな出版社から出ているが、この角川文庫版「銀河鉄道の夜」が最も秀逸。夜空のような深い青が魅力的。

 作品のイメージを構築する表紙のさまざまな要素にも注目してみてください。
 「装丁日和」シリーズ、次回は「マンガ編」を予定しています。お楽しみに!

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