スクールカースト文学3選
こんにちは。菜のはな書房です。
今回ご紹介する本のテーマは、「スクールカースト」。
「学校」の持つ側面としての「スクールカースト」を描写している小説を集めました。
以下の3タイトルのあらすじと見どころを綴っていきます。
朝井リョウ「引金」GRANTA JAPAN with早稲田文学 早川書房
柳美里「自殺の国」河出書房新社
綿矢りさ「蹴りたい背中」河出書房新社
朝井リョウ「引金」
あらすじ:些細なことからいじめの標的になった主人公。大学進学し、「リア充」になった彼は自分をかばった同級生のもとを訪ねる。
❕ここが見どころ❕
高校2年〜大学生という絶妙な期間。環境の変化に適応し社会復帰するも、「変わらない」友人への苛立ちを募らせている。主人公が引く「引金」は変化をもたらすのか。
柳美里「自殺の国」
あらすじ:女子高生のグループ内の「ハブリ」に怯える主人公。家族も友だちも確かな存在ではなく、夢もない。いつも眺めている自殺者募集の掲示板で、「実行」の話が進み始める。
❕ここが見どころ❕
10代の「いつメン」「親との関係」、閉塞した環境の表現がリアル。主人公が行き着く先は?ぜひ読んで確かめてみてほしい。
綿矢りさ「蹴りたい背中」
あらすじ:クラスで浮いている少女・ハツ。もう一人のはぐれ者「にな川」がモデルの女性のファンと知り、興味を持つ。
❕ここが見どころ❕
いまいち同級生と交流が持てない(持ちたがらない)主人公とクラスメイト(社会)との溝はまさに「平成の学校」。わかりやすい恋愛イベントや友情譚ではなく、10代のときだけでなく大人になってから読み返してみても◉。
「引金」は特に短編なので読みやすいかと思います。3冊ともそれぞれの濃淡があり、切り取り方が違うのでぜひ読み比べてみてください📚
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?