JR東海の「東海道マッハ便」

2024年2月15日にJR東海から、新幹線の11号車の車販準備室を活用した荷物輸送サービス「東海道マッハ便」が発表された。段ボール40個分の輸送が可能とされており、だいたい2㎥くらいである。区間は東京ー名古屋ー新大阪間で対象列車はこだま号のみである。

「輸送日の概ね2週間前までに輸送内容(対象列車・荷量・荷姿等)を確定する必要がある」としており、急ぎの荷物を運ぶのに2週間前までに予約するのでは間に合わないので、定期的な商品輸送が想定されているようである。JR東海物流が輸送を担当することになっており、集荷や配達もするようである。JR東海物流が担当するのは、新幹線の駅構内での作業に慣れているためだろうか。区間を限定したサービスであればJR東海物流がやるのでもよいが、様々な荷物を運ぶなら、大手宅配便事業者の方が集配能力が高いはずである。

東海道マッハ便は、JR東日本のはこビュン等JR他社の同様のサービスに接続させることが可能とのことで、東海道新幹線で同様のサービスが開始されることで、JR東日本エリアからJR九州エリアまでがつながることになる。

のぞみはどうしたのだろうかと思ったが、のぞみとひかりはグリーン車の客向けにモバイルオーダーサービスを提供しているので、車販準備室がまだ空いていないのだろう。それでもスペースの半分、1㎥くらいは荷物を積むスペースがあるのではないだろうか。のぞみは圧倒的に本数が多いので、1列車当たり1㎥でも終日の輸送力ではかなりの量になるはずである。1㎥のスペースを複数の宅配便事業者に卸すのでは効率が悪いが、列車ごとに振り分ければ3社くらいに割り当てることができるのではないだろうか。

もしかしたら、のぞみでは今後ビジネス文書の速達輸送等のさらに高付加価値なサービスを提供するつもりなのだろうか。それに対して速達性の劣るこだまはより安価でまとまった量の荷物の輸送を担うのだろうか。またJR他社のサービスと接続させるサービスをこだまに押し込めることで、本命ののぞみはJR東海独自のサービスを提供しようとしているのだろうか。


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