新中国自動車道は可能か

中国地方の高速道路は、当初中国自動車道を中心に、山陽山陰方面に分岐する路線で構成することが計画された。その後輸送需要の多い山陽に山陽自動車道が建設されると、山間部を通り線形の悪い中国自動車道が嫌われ、山陽自動車道経由のルートにシフトした結果、中国自動車道はガラガラになってしまった。

しかし山陽自動車道は交通量が多くそれでいて4車線しかないので、混雑していている。新東名や新名神のように、域内輸送は東名や名神に任せ、後からできた高規格の高速道路を長距離移動用のバイパスとして活用すれば、棲み分けが可能である。現状の中国自動車道の問題は、長距離用のバイパスとしてはあまりに線形が悪いことである。しかし、せっかく中国自動車道が既にあるのだから、線形の悪い区間から順次高規格道路に切り替えていくことはできないものだろうか。インターチェンジ付近は用地買収費用がかかるので既存設備を活用するとして、山間部の線形の悪い区間をコツコツ線形改良していけば一から新線を建設するよりも安価に整備できるのではないだろうか。

例えば東城IC庄原IC間の中山峠は雪で大型車がスタックしやすく、これが大型車が中国自動車道を忌避する一因になっている。ここをトンネルでショートカットできれば雪の影響なしに走行できる。次に、北房JCT新見IC間は高速道路なのに60km/h制限がかかっており、高速道路に急カーブは危険なので新ルートで線形を緩和すべきだろう。線形が緩和された区間から順次制限速度を100km/hに引き上げていけば次第に長距離用のバイパスとなっていくだろう。120km/hで走れる線形であればそれに越したことはないが、どのみち大型車は120km/hでは走れないし、あまりに高規格だと建設費用がかかりすぎるので、費用対効果を見ながら規格を決めざるを得ない。

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