5.BIGMAMA

ご機嫌いかがでしょうか、なのすずです。
今回はBIGMAMA。
少しでも1曲1曲が出会うべくして出会う方に巡り会えますように。

little cloudは、彼の視る世界はとても狭く「君」中心だった一方で、「君」の視る世界は彼からすれば広く見えたからこそ彼には「君」の心情を理解しきれない歯痒さを感じる曲。ドラムは日常だと思っていた生活が徐々に崩れていき、自分の視野の狭さを物語るベースと「君」の視野の広さを感じるギター、ヴァイオリンはそれら1つ1つを比べて現状を整理していき歌によって断ち切れない未練を嘆いている。歌の最後の一節に彼の未練が詰まっていて、結局彼は「君」の空の広さを理解らないままなのだろう。

CHAINは、ただの復讐を「僕の正義」と良いように言い換えて「おまえ」に制裁を下そうとするが、夢の中にいる「君」はそれを望んでいないことも分かっているから「君」の存在も記憶から消していく復讐の連鎖の曲。ギターが鎖のように繋がり続ける復讐を彼の心の中に仄暗く宿る復讐に費やす炎をベースが、ドラムは彼の良心である「君」の存在、ヴァイオリンはそんな「君」も「おまえ」も断ち切ろうと歌うことで躊躇いを消していく。人には良心という神様が宿っているらしい。既に彼の中にはその良心はいなくなってしまったのだろう。

「それはきっと天使が長く勤まらない理由」は、誰もが愛に飢えているからこそ、人に愛を与え続ける天使も愛されることを忘れてしまう、そんな天使を陰ながら支える人の曲。ドラムは愛がほしいと騒ぐ大衆で、ギターはそんな大衆の期待に応えようと愛を与え続け、徐々に翼の重みが増えていく様子をベースが、天使を支えようと声をかけてヴァイオリンが天使が休めるように包み込んでくれている。人に優しくできるのも愛せるのも、優しくされている人と愛されている人だからこそできること。人は与えるばかりでは重みに耐えかねて自らを傷つけるようになるだろう。

No Way Outは、彼が待合せ場所に来る途中に亡くなったことを知らずに待ち続ける彼女に、訥々とストーリーテラーが物語の続きへと導いていく曲。ドラムは彼の身に起こった悲劇を伝える一方で、ヴァイオリンが身を引き裂くような想いで彼を待つ彼女をストーリーテラーは歌うようにそんな彼女を訥々と次の話に導こうとする。ギターは転がり続けるような人生を物語り、刻刻と残酷に進み続ける時計をベースが表現している。幸せに比例して増す痛みは人を臆病者にさせるかもしれないが、悲劇からの脱出方法なんて自分で他の人に助けてもらいながら見つけるしかない。そんな風に彼女が想えるようになれたらと願ってしまう。

英雄を抱いてマリアは眠るは、ボロボロの服で記憶を失った状態のマリア(王女)が森の中で見つけた1冊の英雄伝記を読み進めていく内に、自分の置かれている状況とこの英雄との約束を思い出す曲。ドラムは森の木々の葉が擦れ合う音で、そんな森の中で目を覚ますマリアが自分の置かれた状況を理解していく様子をギターが、ベースはマリアの揺れ動く心情を表し、ヴァイオリンはその英雄伝記が彼女自身の記憶だと悟ってほしいと早く読んでほしいと促しているよう。オルガンがその英雄と魔女の戦いがどうなっていくのかを表していて、歌うことでマリアを見守るストーリーテラーだろう。英雄とマリアがどうなったのかは、彼女自らが綴る「英雄を抱いて王女は眠る」という本で分かるのだろう。

まずはこの5曲まで。私は風見鶏のように気まぐれなので、増えたり書き換えていたりとひょこひょこ変わります。自分の色を出さないように、自分の感性と言葉を捻り出して書き出しました。個人的な独特な視点での捉え方もましましなので、お口に合うも合わないもそれぞれで受けとめて頂ければ幸いです。

【編集:2023.8.28 8:40】

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