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ヒストリック ジェスカイコントロールデッキ解説

こんにちは。HareruyaHopesの佐藤です。

今回は無事(?)禁止改訂を乗り越えましたのでストリクスヘイブンチャンピオンシップで使用したジェスカイコントロール(ヒストリック)について簡単に解説をしようと思います。

※追記 2021/7/22 より 本記事掲載のデッキにて使用されている渦まく知識は禁止となりました。解説やデッキリストは禁止改定前に沿ったものとなりますのでご了承下さい。

デッキの動きや、カードの採用理由、主要マッチアップに対すゲームプラン等がメインの内容です。

大会レポートについては前回投稿しましたので、興味があればご覧ください!

ジェスカイコントロールとは?

初めに、ヒストリックのジェスカイコントロールがどのようなデッキか説明します。
ジェスカイコントロールはその名の通り白青赤の3色を使用したコントロールデッキです。
優秀な除去、優秀な打消し、優秀なアドバンテージ源を有したデッキです。相手によって構築を変え、柔軟に対応できることも特徴の一つです。ヒストリックはカードプールが広いため、仮想敵に合わした自由度の高い構築が可能です。
また、3色デッキではありますが、トライオーム、ギルドランド、M10ランド、寓話の小道などを使用できるため、マナベースが強く安定感があります。

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フィニッシュ手段は?~2タイプのジェスカイコントロール~

優秀なスペルを駆使して、盤面をコントロールするだけでは勝つことはできません。(心を折って勝つことはありますが…)勝つためにはゴールであるフィニッシュ手段が必要です。一口にジェスカイコントロールといってもフィニッシュ手段によって大きく2つのタイプに分別できるためそれぞれ簡単に説明します。

マグマ・オパス奔流の機械巨人
フィニッシュ手段兼アドバンテージ獲得手段として、マグマ・オパスと青巨人こと奔流の機械巨人を採用しているタイプです。
マグマ・オパスは唱えることができれば大量のアドバンテージを確保してくれますが、それに見合う8マナというコストが必要となるスペルです。
そこでネックとなるコストの大きさを解消してくれる相棒となるのが奔流の機械巨人です。
奔流の機械巨人は場に出た時墓地のインスタントをタダで唱えることができる生物です。マグマ・オパスは宝物トークンを出しつつ能動的に手札から墓地に落とすことができます。通常ではいささか大きいコストを墓地を経由し踏み倒すことができるため相性が良いと言えます。
出てくる宝物トークンも奔流の機械巨人を唱えるターンを早くしてくれるので一石二鳥です。
5/6の奔流の機械巨人を瞬速で出しつつ、マグマ・オパスを唱えるのはインパクト大ですね。
青巨人とは別にミジックスの熟達を採用することでマグマ・オパスを踏み倒して唱えるルートを増やしています。

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◆相棒 孤児護り、カヒーラサメ台風
もう一つのタイプは、孤児護り、カヒーラを相棒に据え、サメ台風をフィニッシュ手段として採用しているタイプです。
カヒーラを相棒とする条件は下記です
"あなたの開始時のデッキに入っている各クリーチャー・カードが、それぞれ猫か エレメンタルやナイトメアや恐竜やビーストであるカードであること。"
少しわかりにくいかもしれませんが、デッキにクリーチャーを入れないことでも相棒とする条件を達成することができます。
そこで、クリーチャーではありませんが強力なクリーチャートークンを生み出せるサメ台風をフィニッシャーとして採用することでカヒーラを相棒にすることが可能です。
相棒というシステム上、手札に加えるコストはかかりますがゲーム開始時からアドバンテージが確約していることは強みとなります。
余談ですが、相棒システムは面白いのですが、バランス調整が難しく今後もあんまり(むしろ無し?)増えないんじゃないかなと思います・・

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今回使用したジェスカイコントロールを選択した経緯について

前置きが長くなりましたが、今回自分が使用したジェスカイコントロールについて解説します。デッキリストは以下です。

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※本稿の最後に日本語用インポートテキストを載せます。

ご覧いただくとわかるように、上で説明したどちらのタイプのジェスカイコントロールでもありません。奔流の機械巨人は採用されているが、マグマ・オパスは無し。相棒も無し。
このような構築になった経緯を説明します。

◆マグマ・オパスに依存し過ぎたくなかった
マグマ・オパスを墓地経由で踏み倒すことについて触れました。
この墓地経由というのが引っ掛かり使用をためらいました。
ヒストリックの最大勢力はイゼットフェニックスだろうと予想が立ちます。
イゼットフェニックスの対策方法の一つとして墓地対策が挙げられ、それがそのままマグマ・オパス奔流の機械巨人を使用したジェスカイコントロールの対策として突き刺さります。「墓地対策に弱い。」そこが気になりました。
また、2枚シナジーなので、ドローサポートが優秀とはいえ片方しか引かずにもじもじするという状況も発生するかと思います。奔流の機械巨人は単体で引いても勿論強いですが・・

◆相棒にあまり魅力を感じなかった。
孤児護り、カヒーラを相棒とすることができますが、果たし相棒として据えるほど価値があるのか疑問でした。手札に加えたところでほぼ3/2警戒の生物を使用できるだけで、ルールスのような回収能力があるわけではないのです。
相棒にすることで確実にアドバンテージを取れるとはいえ、ほぼ能力のない生物をサイドボードも一枚削ってまで取る必要はあるのだろうか?と考えていました。それなら自分も奔流の機械巨人を入れるのが良いと今回は判断しました。

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そんな感じの経緯で先に説明した2タイプのジェスカイコントロールは使用せずに、それぞれを混ぜ合わせたようなデッキリストになりました。奔流の機械巨人渦まく知識を使いたかったのも理由です。次にデッキの動きと採用したカードについて説明します。

デッキの動き

基本的には従来のジェスカイコントロールとデッキの動きは同じです。
序盤は優秀な各種スペルで盤面をコントロールしゲームを支配します。
ド三ナリアの英雄、テフェリーがそれまでの攻防で失ったリソースを回復してくれるので、中盤の目標の一つとしてはテフェリーを安全に着地させることがあります。テフェリーの+1能力は強力で、たとえフルタップで着地させてもドローをしながら2マナを立てせることができ、打消しと除去を構えることができます。2マナに強力なスペルが多く嚙み合います。
この2マナ立たせにどれだけ絶望したことか・・・
フィニッシュ手段としては、そのままテフェリーを維持して勝つことや、奔流の機械巨人サメ台風(ハードキャストも結構やります)、アーデンベイル城などがあります。
簡単ではありますがこんな感じです。
PWを含めるとドローサポート呪文が多く、どういうタイミングで唱えるかというのは重要なポイントになります。
ここは想定されるパターンが多く、中々言語化が難しいので沢山練習して慣れるというような言い方しかできませんが、少なくとも何となく唱えるのではなく、先を見越し、目的を明確に意識して唱えるのが良いかと思います。
引いたカードを確認してから考えるよりは、ある程度プランを持って決めておくと時間の短縮にもなりますね。

あと渦まく知識は他のカードと組み合わせて、ライブラリーの上を入れ替えられるような状態で唱えることを意識します。(寓話の小道ナーセット表現の反復ヴァントレス城 等)

採用したカードについて

全部は長くなるので割愛しますが、何枚かピックアップして説明します。

◆メインボード
記憶の欠落
出た当初はどうなのかな?と正直思いましたが、使ってみて実感する強さ。
ライブラリートップに戻るものの、裏目の無い万能なカウンターになります。盤面が押されている時は弱くなります。

稲妻のらせん
アグロキラーな一枚。除去をしつつ回復されるのはアグロ側としてはたまったものではありません。個人的にも好きなカードです。

アズカンタの探索
ミラーなど対コントロールを意識した一枚。
変身したときにもたらすアドバンテージは計り知れず。自分もミラーで出されるとげんなりします・・・

多元宇宙の警告
アドバンテージ源。奔流の機械巨人の受け入れ先としても優秀。
かなり得した気分になります。(実際得している)

大祖始の遺産
イゼットフェニックス対策としてメインから。
これだけ多いならもっと取っても良かったかな・・
自分の奔流の機械巨人と相性は悪いのでタイミングには注意。

表現の反復
様々なフォーマットで使用される1枚。ソーサリーであるのが気になって少な目でしたが、増量しても良かったかも。土地を伸ばす使い方が強いので、
序盤の土地の置き方を気をつけて唱えたいところ。(青赤を出せる状態で唱える)

暗記+記憶
少し重いが、何でも触れるので便利。覆いを裂く者、ナーセットの組み合わせも強力で、頻度は少ないでしょうが積極的に狙いたいところ。

◆サイドボード
目覚めた猛火、チャンドラ
ミラーやコントロール対策枠。
打ち消されないがあまりに強力で、強制的にタイムリミットを押し付けます。リミットがあるので動かざるを得ず、その隙をついてさらに優位に立てたりします。

悪斬の天使
アグロ対策枠。イゼットにも入れます。
サイド後は丸焼きも増えるのであまり過信は出来ませんが、
クローティスなど触れないクロックと相対した時にライフリンクが頼もしい。
プロテクション(ドラゴン)でコルヴォルドも怖くない!

厚かましい借り手
ミラーやジェスカイターン対策枠。
ミラーはサメ台風による攻防が発生するのでその対策として。
ミラーのサイド後は全体除去は基本アウトするため、火力で届かないサメは致命的になります。
ジェスカイターンはロアホールド着地後もバウンスで対処できるので実質カウンターのように働きます。ネザールは止めて・・

シヴの火
軽い追加除去枠。
軽く、キッカーで4点まで届くのが嬉しいところ。
4点になると、変容するケラトプスはじけるドレイクにも当てられます。
しかし、後に裁きの一撃で良くない?と思ったり・・

全部は触れてませんが以上となります。

主要マッチとのゲームプランとサイドボード

■ VS イゼットフェニックス
メインは覆いを裂く者、ナーセットの着地がポイントになります。
信仰無きものあさりを初め、ドローするカードが多く採用されているため、刺さります。メインであれば打消しが少なく、丸焼きのような直接触れる手段も無いため定着しやすいです。落とされる確率を減らすため、着地したら忠誠度能力は基本起動しません。ロックが決まれば、速攻に注意しながナーセットを維持し、フィニッシュ手段に繋げます。

サイドボード例
IN 大祖始の遺産 2 丸焼き 1 シヴの火 1 神秘の論争 1 サメ台風 2 悪斬の天使 1 目覚めた猛火、チャンドラ 1 厚かましい借り手 1

OUT ド三ナリアの英雄、テフェリー 2 プリズマリの命令 2 アズカンタの探索 1 奔流の機械巨人 2 暗記+記憶 1  記憶の欠落 2

サイド後はカウンターと丸焼きが入ってくるので、ナーセットを定着させることは難しくなりイージーウィンは難しいです。大祖始の遺産で墓地を牽制しながら、相手の攻勢を捌き、サメ台風チャンドラに繋げます。
青い呪文は常に神秘の論争を意識するようにします。

■VS ジェスカイコントロール
メインはお互い全体除去を初め不要なカードが多いのでどちらのタイプにせよ叩きつけ合いになります。PWを定着させる、定着させないかがポイントになるかと思います。当然テフェリーに定着されると一瞬で負けます。

サイドボード例 (相棒タイプを想定)
IN ドビンの拒否権 2神秘の論争 1 サメ台風 2 目覚めた猛火、チャンドラ 1 厚かましい借り手 2 丸焼き 1

OUT プリズマリの命令 2 神の怒り 2 審判の日 1 奔流の機械巨人 1 大祖始の遺産 1 ド三ナリアの英雄、テフェリー 1 稲妻のらせん 1

常にランドセットしたいため、後手を選びます。
相手が先手だと、先にPWを着地させマウント状態に入る可能性もありますが、序盤にフルタップでPWを唱える行為はお互い打消しを抱えるデッキのためかなりリスクがあります。というのも、先に唱えて打ち消されると。逆に相手の場にPWが着地する隙を与えてしまいます。サイド後は打消しも増えるため打ち消される確率が上がります。
そうなると逆に苦しくなるため、先手を渡しても早いターンでは唱えてこないだろうという読みです。(仮にこちらが打消しを持っていなくても)
アズカンタを先手で通されるのだけは辛いのでそこをどう見るかですね。

サイド後はお互い打消しが増えるため、土地の並べ合いによる我慢比べの勝負になります。そのためインスタントタイミングでプレッシャーを与えられるアーデンベイル城サメ台風の有無は大きな差になります。
プレッシャーを与えつつ、やむを得ず動いてきたところを捌いて優位に立つという展開を目指します。
デッキ公開性であればサメ台風など相手のインスタントタイミングのアクションが何枚あるか確認しましょう。

相手がマグマ・オパス型だったり、サイド後のセカンドプランの有無等でサイドボードは柔軟に変えていきます。当然100%正しいとは微塵も思っていないのでサイドボードは参考程度と考えてください。

概ねこのような感じです。
ジェスカイターンについては禁止改訂でデッキが消滅したので割愛させていただきます。(展開的にはメインは厳しく、サイド後取り返す展開になります)
アグロ系には打消しを減らし、悪斬と追加の除去を入れるイメージ。

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。
このデッキでどれだけ戦えるか楽しみであったのですが、チャンピオンシップは残念ながら初日落ちという結果で完走することができずでした。
禁止改訂により環境が変わるのと、今後このデッキを使用して大会に出る予定は無いため、供養という形で簡単ながら記事にしてみました(泣)
冒頭でも触れましたが、ジェスカイコントロールはサイドボードも含めた自由度の高い構築が可能で、弄っていても使用していても楽しいデッキでした。
デッキの中身を決める段階で、マグマ・オパス型は断念しましたが、墓地対策が刺さるといっても、サイド後のセカンドプランだったりで何とかなるとも思うので、もっと追及しても良かったと思いました。コントロールデッキながらブン回りパターンが用意されているのは強みですしね。

追加の禁止等が仮にある場合はどうなるかわかりませんが、今後も形を変えつつもジェスカイコントロールというアーキタイプは残ると思うので興味があれば色んな形を試しつつ使ってみてください!

またどこかの機会でお会いしましょう!

ではまた!

ARENAインポートリスト

デッキ
4 ドミナリアの英雄、テフェリー (DAR) 207
4 ラウグリンのトライオーム (IKO) 251
4 記憶の欠落 (STA) 16
1 多元宇宙の警告 (KHM) 46
1 サメ台風 (IKO) 67
2 アーデンベイル城 (ELD) 238
2 硫黄の滝 (DAR) 247
1 審判の日 (STA) 2
1 暗記 /// 記憶 (AKR) 54
3 神聖なる泉 (RNA) 251
1 山 (THB) 253
2 プリズマリの命令 (STX) 214
3 覆いを割く者、ナーセット (WAR) 61
4 渦まく知識 (STA) 13
3 蒸気孔 (GRN) 257
2 聖なる鋳造所 (GRN) 254
1 平地 (THB) 250
2 神の怒り (AKR) 46
4 稲妻のらせん (STA) 62
3 寓話の小道 (M21) 246
2 奔流の機械巨人 (KLR) 70
1 大祖始の遺産 (ALA) 218
1 神秘の論争 (ELD) 58
2 島 (THB) 251
2 氷河の城砦 (XLN) 255
2 表現の反復 (STX) 186
1 アズカンタの探索 (XLN) 74
1 ヴァントレス城 (ELD) 242

サイドボード
1 サメ台風 (IKO) 67
1 丸焼き (M20) 140
1 神秘の論争 (ELD) 58
1 ドビンの拒否権 (WAR) 193
1 神々の憤怒 (AKR) 138
2 大祖始の遺産 (ALA) 218
1 サメ台風 (IKO) 67
1 ドビンの拒否権 (WAR) 193
2 厚かましい借り手 (ELD) 39
1 目覚めた猛火、チャンドラ (M20) 127
1 シヴの火 (DAR) 142
1 轟音のクラリオン (GRN) 165
1 悪斬の天使 (M21) 6

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