#21 in yer memories


実家にて。否、正確には自分の実家なんて遠にないのですが兎に角母親の家にて。
小学校〜高校迄の卒業アルバムーがあったので見てみた。若くて細い自分がそこにはいた。

小学校の時のあの子の文集を読んで。勿論何度も読んだあの子の作文。恐らく、6年間の思い出のベスト1を書け。みたいなお題なんだと思う。自分の作文なんて、目も当てられない位の駄文で、全体おまえの6年間は何だったのだ。と、言いたくなる程に薄っぺらかった。

彼女のテーマは修学旅行で、達筆とは言えないが素直な字面でたかだか一泊二日の旅行を秀逸にまとめあげていた。
時々出てくる新幹線の中での話や、隣の部屋の男子。
もしかしたら自分の事を少しは思いながらとか思って。

彼女は秀才だったのでお受験を経て地元ではない中学へ進学し、その後は知りませんがきっと幸せに暮らしているんだと思う。

卒業間近に、担任に呼ばれて前に出てその旨あいさつをしてた瞬間を恐らく自分は忘れる事はない。

いつ死ぬのかは知りませんが、きっと今生の別れなんだったんだろう。

彼女の事はいつまでも覚えているんだろう。

俺、おっさん。生きている。ifもしもは、ない。

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