友達って?
はじめに
ここでの内容はデリケートな問題です。
言ってしまえば、「宗教勧誘」について。
他人事じゃないよ、ということを伝えたくて書こうと思いました。
先に断っておきますが、信教の自由があるので、誰が何を信じていようが非難しません。
しかし、こちら側にも信教の自由があります。信じようと信じまいと、こちらの自由です。
「勧誘されたら断りたい」という方だけお読みになって頂けたら、と。
まず、ここでは相手を「A」とします。
Aは高校時代の友人。
クラスが一緒になったのは1年間のみだが、そこそこ仲が良かった。
高校時代にAと遊びに出かけたりした覚えはない。(もしかしたらあるかも、程度)
Aからの連絡
突然、Aから5年ぶりにLINEが来た。
「先日、高校時代の友達と会った際に、(私の)名前が挙がったため、どうしてるか気になって連絡をした」という旨。
先述の通り、仲は良かったので普通に返信した。
他愛のないやり取りをしていると、向こうから誘いが。
「久しぶりに会いたいって思うんだけど、どう?」
正直嬉しくはなかった。
その理由は、私とAの共通の友人から、数年前に聞いた話。
「Aから宗教の話をされた。怖くて(当時の)担任に相談したら、『誰にも言わない方がいい』って言われたけど、貴方はAと仲が良いから伝えておく」
それが記憶の片隅に残っていたため、連絡が来た時点でかなり心がザワついていた。
だからと言って、私が勧誘されるとも限らないし、久しく顔を見ていなかったので、Aと会うことにした。
前日は試験対策
約束の前日。
明日、もしかしたら勧誘されるかもしれないし、されないかもしれない。
でも、知識を入れるに越したことはない。
友人とした会話の記憶を頼りに、その組織の名前と共に検索した。
「○○会 勧誘 断り方」
こういう時に役立つのが、某知恵袋。
しかし、沢山質問がある分、断り方も様々出てくる。
私が参考にしたのは、”ハッキリと断る”という回答。
いや、それ普通でしょ。と思った方。
相手の意見をバッサリ切れるタイプの方だったら簡単かも知れない。
でも、
面と向かって、しかも友人に勧誘されたら…
と考えると、結構不安になってくる。
そんな、”ハッキリと断る”という回答に関して、ザックリと内容を書いておきます。(気になる方はご自身で調べてみてください)
このような意見を読んで、何度か頭の中でシミュレーションを行った。
いつ来るかもわからない抜き打ち試験への対策のようなもの。
普段から勉強しておけばよかった、と思っていたあの頃が懐かしいですね。
Aとの再会
いよいよ当日。
集合場所である駅に先に到着した私は、心臓がバクバクしていた。
久しぶりに会うことによる緊張だけでなく、勧誘されるかもしれない不安。
そして、Aが仲間を連れてくる可能性があるからだ。
某知恵袋には、「サシと聞いて行ったら知らない人もいた」というケースがあると書いてあった。
が、まずそこはセーフ。
12時過ぎだったため、昼ごはんを食べることに。
どこがいいか、というやり取りの2ラリー目、
Aが「サイゼリヤに行きたい」と一言。
向こうから案を出されたため、恐る恐る店へ向かった。
まだツレがいる可能性は否定できない。
しかし、店員に人数を聞かれて「2名」と答えたところを見ると、どうやら本当にサシのようだった。
試験はある?
店に入ってからと言うもの、近況報告をしたり、高校時代の思い出話で盛り上がったり、と本当に楽しいだけの時間だった。
引っかかる部分があるとすれば、
これについて、鎌をかけるつもりで
「誰と会った時にその話になったの?」と尋ねると、
「え~誰だっけ、覚えてないな」と。
まあいいか、とその時は思ったのだが、
のちのち話を聞いていくと、高校時代の友人とはほとんど会っていないらしかった。
しかも、最近会った高校の友人は2人ほど。
1人は私の友人ではないし、もう1人に会ったのは半年前。
最近、とは言い難い。
そんな中で、私の名前が話題に挙がった時に一緒だった友人を覚えていない、というのはかなり怪しい。
でも、穿った見方をしているからかも、と誤魔化した。
さあ、お互いご飯も食べ終わったし、もうこれは店を出る感じか?
本当に会いたかっただけなのでは?
昨日の試験対策は必要なかったかな?
と思った矢先だった。
大切だから
「実は今日、話したいことがあって」
先ほどまで人目を気にせず大きい声で話していたAが、途端にひっそりと話し出した。
一瞬空気が張り詰めて、周りの雑音が聞こえなくなった気がした。
頭の中に警告音が鳴り響いて、赤のランプが点滅を繰り返す。
やばい、これはやばい。
私が姿勢を正したことに気付いたAが
「そんな重大な話じゃないから大丈夫だよ」と笑う。
笑い事じゃねえよ、あんたが話すこと知ってんだよ!!
「あのね――」
Aは私の気を知ってか知らずか、話し始めた。
「幸せになる方法?みたいなのを教えてあげたくて」
確定演出!!激アツ!!!
一番怖いつかみだって、それ!!!
泣く子も黙るやつ!!!
「お母さんがずっとやってて、私も高校生の頃から日常なんだけど。毎日唱えるっていうか。それで私はずっと救われてて…」
「例えば、地震が来た時とか、そういう時に守ってくれるみたいな…」
『あっ、これ進研ゼミでやったところだ…!』
ここは思わずテンションが上がりました。
知恵袋で地震の話を持ち出してくるって書いてあったんです。
本当にここだけはニヤけそうでした。すみません。
本題に戻ります。
「○○のことは大切に思ってるから、幸せになってほしくて――」
「どう?」
いや、どう?やなしに、、。
「そういうのは興味ないな」
予習通りちゃんと言えました。えらい。
…え、てか、勝手に幸せじゃないと思われてます?なんで?どういうつもり?
これでも十分幸せでしたけど?
貴方に勧誘されるまでは!!!
大切だと思うんだったら、そっとしておいてくれます?
すみません、取り乱しました。
「そうだよね、怖いもんね。その気持ちもわかる」
気持ちが分かるんだったらやめてくれると助かるんすけど。
「今は必要なくても、これから必要になってくると思うんだよね」
ねぇ、私「今は興味ない」とか言ってない!!
ちゃんと意思表示したのに!!ぷんぷん!!
「あ、自分を信じてる、みたいな…?」
なんやねんそれ。馬鹿にしとんのかえ。
何信じてたってええやろ!!
その後は、○○会はしつこいって昨日読んだなあ、
なんてぼんやり思いながら適当に聞き流していた。
そっちが食い下がるんだったら、こっちだって「興味ない」の一点張り。
負けてたまるか。
結局全部で3、4ラリーくらいした覚えがある。
Aの手が震えているのが分かったから、緊張してるのはお互い様。
これまで何人かに話してても緊張するんだね。
勧誘はノルマがあるみたいな話聞くし、母親にプレッシャー掛けられてんのかな。知らんけど。
とにかく、かなりしつこい印象。粘るわ粘るわ。
「気持ち分かるよ」って言いながらめちゃくちゃ勧誘してくる。
なんもわかってないよ、あんた。
一通り終わると、Aはお手洗いへと席を立った。
母親に連絡しに行ったかわからないが。
その後は何もなく、サイゼリヤをあとにした。
もう二度と
本当はもう帰っても良かった。
でも、金輪際会わないだろうから、と思って予定の時間まで一緒にいることにした。
洋服を見に行ったり、カフェに行ったり。
その間、もう一度だけ話を持ち出された。
愛想笑いで切り抜けたが。
時刻は16時過ぎ。
最後の足掻きのようにも聞こえるそれに、耳を疑った。
「お母さんが来てるんだけど、会ってみない?」
震えた。怖すぎる。本日イチの恐怖。
「わざわざ来ていただいてアレだけど、遠慮しておくよ」
「そうだよね、急にそんなこと言われても怖いよね~」
無理やり会わされるかと思ったが、どうやらそういうわけではなさそう。
ずっと思っていたが、こちらが怖がるとわかっているならやめてくれ。
大切だと思ってるなら、怖がらせるな。
結局口だけじゃないか。
てか母親来るな。
さあ、もう解散の時間。
やはり最後の最後まであの話。
「本当は今、唱えてほしいんだけど、難しいだろうから、ね。でも、今日話したことは覚えていてほしい」
ご丁寧に、唱える言葉まで教えてくれた。
「また絶対会おうね!」
やはり全てに愛想笑いしておいた。
こっちだって覚えておいてほしいくらいだ。
もう会うことはない、と言うことを。
「またね」だなんて言わなかった。
さいごに
お疲れ様です。
ここまで、私に起きた宗教勧誘の一部始終を読んでいただきました。
ありがとうございます。
このようなことは、これを読んでいる皆さんの身にも起こりかねません。
他人事だと思って笑っていると、いざという時に痛い目を見る可能性だってあります。
私は事前情報があったので、対策を講じることができました。
先にも書きましたが、この類はかなりしつこいです。
少しでも隙を見せたらアウト。
その場から逃げることも大事です。
悲しいけれど、それまでの関係、と割り切るしかない。
どっちにも得はありませんからね。
どんな勧誘にせよ、久しい知り合いから連絡が来た時には警戒するのが一番かもしれません。
皆さんも、いつかに備えて、断り方や手法を調べておくことをお勧めします。
ここまで目を通して頂きありがとうございました。
少しでも参考になればと思い書きましたが、いかがでしたでしょうか。
皆さんが怖い思いをしないのが一番ですが、もし目の当たりにしたときは、しっかりと自分の意思表示をなさってください。
そして、信教の自由があることを忘れずに。
(この先は読んでも読まなくても結構です)
おまけ:Aに思うこと
友達なら、大切なら、こんなこと言わないでほしかった。
ただ友達でいられれば、それで十分だったのに。
事実だけを述べてくれたのなら、まだ友達でいられたかもしれないのに。
どこまで本心か分からないが、Aが言っていた。
「上辺だけの友達はいらない、本音を語れる友達は少しでいい」
私もその ”本音を語れる友達” だそうだ。
そう言ってくれてうれしかったよ。
でも、1人失ってしまったね。
冷たいかもしれないけど、私は自分を信じているから。
じゃあね。
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