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トレース台を買ったら革命が起きました

私はイラストもマンガもペン入れまではアナログで描いています。
何故ならパソコンでペン入れをすると目が痛くなるし、アナログで30分の作業に3時間かかるからです。
あとはマンガの枠線、集中線のペン入れが好き。
自分はマンガを描いているぜ……!
と、強く感じるんですよね。

私は、生きている実感がほしい……。

そんなわけで、自分の目を守り、作業時間と生(せい)の実感を得るためにアナログにこだわっています。

ですが、消しゴムかけが大嫌いでして。

A4の紙に端から端まで消しゴムを力強くかける。
それでも消えない線があって、そこだけさらに消すとインクまで薄くなる。運が悪ければすれる。
たまに紙がよれて折れる。
何故か消えない下書き線。

そうすると原稿をスキャナで取り込んだ際にゴミが大量に残って修正が大変。

辛い……。

負担を軽くするためになるべく少ない線で下絵を描くのですが、元々しっかり描くタイプなので、ラフ程度では正しい線が分からない。
勘でペンを入れて、消しゴムをかけて見事撃沈。
というのをずっと繰り返していました。

嫌いな消しゴム掛けをの労力を減らすにはどうしたら良いかと考え、

そうだトレースだ!!

とひらめきました。
トレース台=高いものというイメージがあったのですが、社会人として財を成した私と現代の進歩は著しく、1000円で買うことができました。

中国製の謎製品。メルカリで沢山売っていました

お試しには丁度よい価格ですね。
薄くて軽くて使いやすそう。
とにかく消しゴムかけがなくなれば良いなと思って軽い気持ちで導入してみました。

最初はイラストのトレースを。

おお、くっきり見えますね!

できた線画を見て、線がキレイだなと思いました。
スキャンしてもゴミが全然ないです!

そして本領を発揮したのはマンガでした。
消しゴムをかけなくて良い安心感からゴリゴリ下描き。
原稿用紙を真っ黒にしても大丈夫!
もう原稿用紙に遠慮も忖度も要りません。

ペン入れした原稿を見てびっくりしました。
これが……私の絵……?

『コネートル』7p

下描きとほぼ同じクオリティ
ペン入れ後の絵を反転して歪んでいなかったことなんてあっただろうか……。
作画にどのくらい差が出たかというと、

『impasse』9p

こちらは原稿用紙の下絵を直接ペン入れしたマンガです。
4ヶ月前なので元々の画力に差はありません

今回並べてみて、その大きな差に自分でも驚きました……
トレース台、もう手放せません。

さて、基本的にはメリットしかないのですが、やはりデメリットもありまして……コスパは最悪です。
メモリ付きと無地の原稿用紙が必要になるので、1ページあたり20円くらいコストが掛かります。

あとはアナログゆえの問題として、かさばる。

27pの漫画を描くとこの厚さ(110kgの原稿用紙計54枚)
製本したら2.5mmなのに……

そして重さ
しかし、この重みは作品の重み。
マンガを描いたぞ……! という生の実感を得られるので目をつぶりましょう。

下絵はいつもすぐに処分してしまうのですが、今回は初めて自分でも納得のクオリティでマンガが描けたので、20円もかかっているし勿体なくて捨てられないです(笑)

【まとめ】

メリット

  • 消しゴムをかける手間がない

  • スキャン後のゴミ取りが楽

  • 原稿用紙に遠慮せず、作画が丁寧にできる

  • アナログでレイヤー機能が使える

デメリット

  • 原稿用紙が2倍になるのでコスパが悪い

  • 紙がかさばる、重い

  • ライトを長時間見ると目が痛い(でもPCを見るよりずっと楽)

デジタル全盛期に時代錯誤も良いところですが、地道な漫画制作だからこそ、あえて泥臭く描きたい時があるんです……。

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