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【最終回】講義予告

このゼミのミーティングに初めて参加した時、最終回が一体どのような形でフィナーレを迎えるのか全く予想できていなかった。

もちろん、今、現在だってどのような終わりを迎えるかなんてわからない。だが、これまでの講義で初めて感じた事、理解した事、考えたことの多さに運営の自分自身ですら衝撃を受けている。

「次回はどのような講義になるのだろう」とハラハラドキドキしていたこの感情も来週で終わってしまうかと思うと、何だか物足りない冬になってしまいそうだ。

だが、まだ私たちには次の講義がある。

そして、次の講義もきっと私たちに新たな世界線をもたらしてくれるに違いない。

次回の講義は、ALS患者である岡部宏生氏をお招きして、「ALS」と「これから」について講義を行っていただく。

48歳の時にALSを発症した岡部氏。
ALSを発症してから何度も死にたいと感じた事もあった。だが、岡部さんは社会やご家族に支えられ、先輩患者の生きる姿に刺激を受け、懸命に自分の命を生きようとし、自分の意見や考えを発信なさっている。
今回の講義は、「ALSの安楽死」の問題についても取り扱っていく予定だ。最終回にふさわしくまさに「生」に向き合う講義になるであろう。

講義担当である太田に話を聞くと、『発信するという事、報道するという事』に重きを置いた講義になると言う。

京都ALS嘱託殺人事件を踏まえての講義となる。
特定の人々に「死ぬことを許す」ことは、人間を「死んでもいい」命と「死んではいけない」命に区別することを意味する。尊厳死に関する安易な議論は、いつか自分達を殺すかもしれない。コロナで誰もが「重傷者」になりうる今、当事者感覚を持って「内なる優生思想」について考えてほしい。
この事件の報道があったとき、SNSでは多くの議論が生まれた。その中には殺人を委嘱したALS患者の林さんへの同情、安楽死を安易に肯定するような主張も多くみられた。
しかし、この議論はALS患者をはじめとする重度障害を抱える方からすれば、自分たちの命に価値があるのか、ないのかを目の前で議論されているようなもの。あまりにも思慮に欠ける。
こうした不適切な議論を、報道は煽ってしまってはいなかったか。
新聞学科でジャーナリズムを学ぶ学生も多く受講する本ゼミ。
簡単に発信できる時代になったけれど、発信することを学ぶ私たちはその発信の重みを理解しなくてはいけない。そう言った想いを込めた講義になるはず。

このゼミを受講する私たち『若者』は、これからの日本を築く礎となっていく。
その1人である講義担当太田が、今、私たちが生きる社会の中で考えなければならないものを、岡部さんとの対話で一つ一つ確認していく。

次回、一体なにものゼミがどのような形で幕を閉じるのか、みなさまにもぜひ見守っていただきたい。

文責:石垣、深瀬

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