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なにものゼミ第二回講義概要

なにものゼミの第二回講義を12月7日に行いました!
第2回のゲストはWOWOW太田慎也さんをお呼びしました。

チーフプロデューサーとしてパラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ「Who I am」を制作し、国際エミー賞やアジア・テレビジョン・アワードにノミネートされ、ABU(アジア太平洋 放送連合)賞最優秀スポーツ番組、日本民間放送連盟賞特別表彰部門 優秀(3度)、科学技術映像祭 文部科学大臣賞などを受賞されています。


WOWOWパラリンピックやるんですか!?

2015年の春、上司から突然パラリンピック番組の担当をするように声をかけられたという太田さん。当時、パラリンピックの情報はグーグル先生に聞いてもあまり出てこないほど、情報がなかったという。番組の中身もタイトルも決まっていない、情報もない。
正直、「WOWOWパラリンピックやるんですか!?」というお気持ちだったそうだ。

なぜ”WHO I AM”?


皆さんは「自分」について語ることができるだろうか?

人とつながることが優先されすぎるあまり、個が埋もれ、人が自分と向き合う気力をなくしているのではないか。そんな社会の中で、世界中のパラアスリートが持つ物語をドキュメンタリーとして描くことで、個と向き合ってみたい。そんな思いを込めて「Who I am」になったという。
また、「パラスポーツは障害者がやるものだ」という価値観が多く残っており、障害は私たちの意識の中にある。そんな意識を持ちながら、番組のフィロソフィーを書き、番組を制作したとおっしゃっていた。

IPCの大会


IPC(国際パラリンピック委員会)の大会を初めて見に行ってみると、競技が終わった後は、パラアスリートに世界中のメディアが集まっていたという。パラアスリートも受け答えがスーパースターで、「自信に満ち溢れていて自分を持っている」、「かっこいい」、「きらきらしていて自分より人生楽しんでいるんだろうな」と感じたとおっしゃっていた。これまでは、メディアの人間として「取材してあげている」という感覚だったが、そのようなバリアを壊してもらえる感覚になったという。

自分のバリアが障害を生み出している

選手に取材をしていく中で、太田さんは当初ざわざわした気持ちや気まずい気持ちを抱いてしまったこともあったとおっしゃっていた。

例えば、

車いすの人と話すときに、立ったまま話すべきか、しゃがんで話すべきか分からず、申し訳ないと気まずくなってしまった。
名刺を盲目の人に渡したときに、相手にとってはただの紙っぺらだと思ってしまい、胸がざわざわした。
先天性の四肢奇形で両腕と右足がないという選手と握手したときに、肘を出してくれたが、どのように握手して良いか分からず、胸がざわざわした。

しかし、このようなざわざわや気まずさは雰囲気として相手にも伝わってしまうもので、社会における障害は、全てこのようなバリアがある自分自身が生み出していたのだということを実感したとおっしゃっていた。

皆違うことは美しい

これは太田さんが取材した選手の中で最も印象的だったというベアトリーチェ・ヴィオ選手(車いすフェンシング)の言葉だ。

彼らの言葉は障害者だから言える言葉ではないが、力強く、美しく、彼らの言葉から教わることは多いと太田さんはおっしゃっていた。

等しく与えられた人生という舞台において全力を尽くし、情熱を傾け、夢を見て、そのために困難を克服すること、これに障害を持っていてもいなくても違いはない。
人生が輝くかどうかは、全て「自分」次第。何事も捉え方次第で、小さくてもポジティブな事に注目することで私達も明日頑張ろうと思えるのだとおっしゃっていた。


Q.あなたはなにもの?


ーA.物事を前向きに捉え、やりたいことをやっていると自信を持って言える者

このゼミの定番の質問。

「5年前は電車が少しでも遅延しただけで舌打ちするような人間だったと思います。でも今はいろいろな人と出会い、考え方を変えてもらったことで、今は前向きに楽しく生きてます!」とおっしゃっていた。

時折、松岡修造さんや織田裕二さんといった方のモノマネをはさみながら、ユーモアにあふれた講義を行ってくださいました。ありがとうございました。

*「WHO I AM」は全シリーズ無料で見れるそうです。ぜひご覧ください!!

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