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【第2回 なにものゼミのリアルに迫る!】依存症と真実と、掌の愛。

講義のウラバナシをお届けする、『なにものゼミのリアルに迫る!』。
第二回は、新型コロナ感染拡大防止の為、リモートでの取材を余儀なくされました。
今回の主役は、「依存症と真実」回を担当した二年の和氣彩香さんです。


夕焼けに照らされた鈍色のビル群。
緊張というのは恐ろしいもので、見知った筈の景色さえ、真新しく見た事のない物の様に見える。
「ギャンブル依存症問題を考える会」と掲げられたドアの前に到着すると、やはり戸惑ってしまった。
例えるならば小学生の時、恐る恐る職員室の戸をノックした時の、妙な緊張感。
二週間前、初回担当者に「緊張しすぎだよ」と声をかけていた自分よ、二週間後に同じ思いをするぞ________。

和氣「今ならはっきりとわかる、山下(初回担当者)の気持ち。マジで緊張するから、緊張しすぎだよとか言って声かけた事を山下に謝りたい(笑)」

確かに、ズーム越しでもその緊張感はひしひしと伝わっていた。広報の私は「頑張って」と声をかける事しかできなかったのだが…。

今回講義を引き受けてくださった田中紀子さんと高知東生さんとは、実は初対面ではなかった。このなにものゼミが産声をあげたばかりの頃、一度お話を伺った事がある。
ただでさえ「初対面」とは新鮮な気持ちになるものであるが…お二人の雰囲気、掛け合いは新鮮を超えて衝撃的だった。
特に田中さんは快活そのもの。
高知さんが、その口調や喋り方のテンポに対して「息継ぎするのを忘れるでしょ?」と頻繁に仰っていた程だ。
お会いするのが二度目の今回も「新鮮を超えた衝撃」は色褪せておらず、むしろ一回目を超えたものだった、と和氣は語った。

今回の講義の裏テーマは「できるだけ双方向な講義に」

喋りのプロであるお二人の対話に講義の行方を委ねながら、和氣が学生視点で話題を深堀りしていく。
その雰囲気や迫力は、ズームのカメラを飛び越え、参加していた学生たちの元へ届いていた。当に「双方向な講義」以外の何物でもない。

和氣「お二人が、依存症について伝える事に対して、どれほどの使命感と誠実さを持っているかを『体感』した」

司会として講義の核を見ていた和氣。だからこその「体感」であったのだろう。


「手があって良かった。そう思ったんだよね。」

和氣にインタビューを行う中で、思わず二度聞きしてしまった言葉だった。

「手は握ったままでは何も掴めない。手が開かれているからこそ、誰かの手を握る事ができる。」

助けたい人に手を差し伸べるのも愛。
一度握りしめた手を、相手を想って放す勇気も愛。
机上の空論であると言い聞かせ、大人になる為に捨ててきた「愛」の存在を、彼女はこの講義の中で、確かに再確認していた。

「依存症」と「真実」。
和氣とやり取りをする中で、「真実」を伝える事に対する、彼女の誠実さ、そして責任感を垣間見る事が多々あった。

真実に迫る事。リアルに迫る事。
直ぐに触れられそうで、触れられないもの。
彼女はその難しさを分かっていたからこそ、今回の講義を進行すると同時に、言葉にできない沢山の感情を得る事ができたのだと思う。

文責: 深瀬

【なにものゼミの参加フォームはこちら。】今からでも遅くない!要チェックです。

https://docs.google.com/forms/d/1SPvfsRhH6u-pxXbeckSuwbtKYicnsYvONVB_61fAvG0/edit

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