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家事とコント

6月3日は、自分にとって、かなり大事な日だった。
名古屋に住む自分が出れる東京のライブの中では1番規模の大きいバトルライブがあったからだ。
(僕は大学4年の10月からコントを始め、就職した後も出れる範囲でライブに出ている)
1ヶ月前から準備して、名古屋のライブでも試して。
結構自信がある状態になったと思い、勤務中も、ちょっとコントのことを考えていた。(良くない)
少し違和感を覚えたのは、事務員さんから「今日は豪雨が予想されるため、早めに帰宅しましょう」というメールが来た時だ。
でも、その時は、「雨かー。バスだるいなあ」くらいに思っていた。
会社が終わり、帰宅。家のことをして、予約していた夜行バスに乗るため、集合場所に向かう。
バスの案内係の人は、言った。
「はい、今日はね、東京行きのバスは運休になりました。広島行きの人は〜〜」
聞き間違いか、言い間違いか、どっちだろうと思い、その人に聞き直したら、どっちでもないことがわかった。

バスが無くなった。

ただ、この時の僕はまだ余裕だった。ライブの集合時間は新宿の劇場に12時。朝、新幹線に乗れば余裕。
そう、余裕なのだ。
その場でスマートEXで予約し、家に帰り、すやすや寝た。なんなら家でぐっすり寝てから舞台に向かえるのだから、ラッキーくらいに思っていた。

翌朝、7時に起きる。
よし、家の片付けでも済ませてから駅に行こうと思い、何の気なしにTwitterを見たら

目を擦り、目を擦った後、目を擦った。
間に合わない。朝からかく脂汗は不快感が倍増する。どうしよう。きてくれる予定だった人たちに出演できなくなった旨と謝罪を伝え、ライブ主催者の方にも長文謝罪文章を送信した。

もうこの日は、布団にうずくまっていたい気分だったが、もう一つ、15時からケイダッシュステージのブロンズライブに出る予定だった。正午以降、新幹線が動くのなら、15時のライブには間に合うかもしれない。急いで、11時過ぎに名古屋駅に行くと、人がごった返していた。昨日の夜から止まっているから、そりゃそうなのだが、熱気がすごいことになっていた。
列に並んでいる間、同い年くらいの女性と話した。
「東京ですか」
「そうなんですよ」
「いつ動くんですかねー」
「この列、東京であってますよね?」
話すだけでなぜかちょっとこの状況を楽観視できた。聞けば、友達の誕生日会に出席するため、東京に向かうという。なんて素敵な理由。
「なにかあるんですか」と聞かれた。
「コントをするためです。」というと、新幹線早く動いてくれトークがブレると思い、「親戚の結婚式があるんです」と嘘をついた。
そこから30分くらい経ち、ようやく、新幹線に乗れることになった。車両に人がなだれ込んだ。すごく運が良くて自由席で席に座れた。LINEを見ると、キャンセルしたライブの主催者の方からすごく優しい返信が来ていて、その時点で、新幹線に乗る方を選んだ自分を肯定できた。来月のライブにオファーしたくれるという。幸。
14時40分くらいに新宿につき、急いで劇場に向かい、なんとか出番に間に合った。結果は14組中5位で昇格できなかったのが悔しいが、ライブに出れる時点でとても贅沢なことなんだと思った。

その後、ライブを見にきてくれた友達とご飯を食べた。次の日も地元の友人とスーパー銭湯に行って休日を満喫した。
本当に、布団に潜り込む方じゃなくて、新幹線に乗る方を選んでよかった。

最近、会社の同期と話すと、同期は「時間経つの早いわー勘弁してよー」と言う。
そういえば、高校や大学の時のように、もう何ヶ月経っちゃった、という感覚にしばらくなってない。
いいのか悪いのかはわからないが、絶対に仕事と家事とコントに原因がある。
でも、6月3日はとりあえず、仕事と家事とコントをしてる自分でよかったと思った。
これから本格的に仕事で外出が増えてくる。これまでとは疲労が全然違うと思う
自分の体力はどのくらいなんだろう。
わがままなことを言えば、家事もコントも今の感じでやりたい。
結局、目の前のことに丁寧に接するしかないですね。


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