アナログバイリンガル (#ショートショートnote杯)
バイリンガル、とは何?
私の場合、まずここから調べなければ。何故なら、言葉と意味を知らないから。
調べたら、二言語を自由に使いこなすことらしい。
ならば、私は文章(筆談)と身振りのバイリンガルというところか。
耳が聴こえず発音が不明瞭な私にとって、これは日常のこと。
どちらも意志を伝える為の大切な言語だ。
書くなら箇条書きがいい。
それで伝わらなければ身振り手振りという奥の手がある。
手話は学んだ人同士やでなければ通じないし仲間内だけの表現があるので、身振りの方が伝わる。
必死になって伝えようとすれば、案外なんとかなるものだと思っていた。
だが「そこにある水をください!」といくら伝えてもダメだ。
手を伸ばせば届くところにあるというのに!
ならば、実力行使しかあるまい。
だが。
実行して一気飲みしたはいいが、激しく後悔することとなった。
なんと、コップに入っていたのは無色透明の酒だったのだ。
なるほど。納得。
そりゃ、未成年には渡せないよな。