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社会見学in大阪

くらしの今昔館見学レポート 村井春奈

 稽古しながらどうにも立体化しにくい部分は、実際に触れたことのないものを扱うという部分です。時代が違うということの違和感、考え方も文化も様式も住んでいる空間の大きさも、それこそ人の大きさだって違いかねない。100年前ですもんね。一つ一つ触らないと何一つ具体的になってこない、時代物をやる生みの苦しさを初めて感じている村井です。
『留守』は女中の暮らしを描いたものなので、暮らしがわかんなきゃどうしようもない!ということで、大阪くらしの今昔館に社会科見学に行ってきましたよ!

 ものすごく久しぶりの大阪市へのおでかけで、緊張していました。コロナになってから他府県への移動は特に気にかけています。たかつさん、おとみちゃんと気合を入れていきました。電車の中でスケジュールを話します、みんなの懸念は腹の虫……まずは腹ごしらえだ!と向かったお富ちゃんおススメの寿司屋が休みで意気消沈、が、近くに台湾料理のお店があり、私はルーローハンと冬瓜茶ミルクを飲みました。うまい、冬瓜茶の甘いのにめっちゃすっきりしてる感じ、瓜やわ……感動していました。美味しいことは至高です。

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無事におなかの虫を抑え込んだ私たちは今昔館へ。和の装いを取り入れた制服のお姉さんたちに迎えられ、入る前にコロナ追跡の登録を促されます。大事なことですね。お金が返ってくるコインロッカーに荷物を入れたらばいざ出発。近代史の世界へトリップですわ!
住まいのミュージアムコーナー、江戸時代の街並みを、高いところから眺めます。桂米朝さんの語りでガイドがあるのですが聞きやすい。照明効果で天気が悪くなったり日が暮れたりします。日光や色で雰囲気ががらりと変わるのでテンションが上がります。

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階段を降りると、見ていた世界の中に実際に入り込めるコーナー!映画村みたい!コロナ禍のため、常設していた着付けコーナーやパフォーマンスにかかるものはクローズされていましたが、それでも楽しいのは、建築の美しさ、実際にはいれる立体、ここで生活が営まれていたという現物に触れ、空間に入れる!という体験型ミュージアム…素晴らしいな!展示用ですからきれいだし、実際はもっと汚かったり、臭いもしただろうとは思いますが…なんせほんまに造りがきれい。お店ののれんや看板にしても美意識の高さが端々から滲んでいて、見るところが多いのです。だって全部手作りなんですよ!?これ同じ人間が作ったものやねんな……感嘆が止まりません。来場者が少ないのをいいことに写真を撮りまくる私たちでした。だってあまりにも映えるのです。裏長屋・風呂屋・小間物屋・薬屋と各所に紙面での資料も置かれています。良い紙だな……。楽しすぎて長居してしまう……。

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フロアが変わって明治・大正・昭和の大阪の街の変遷を見れるコーナーへ。文化が変わっていく様子を生活にちなんだ物から見ていく視点、また時代特有の歴史的背景から生まれた偶発的な生活スタイル・街並みなど興味深いものがたくさんあります。大戦後、家がなくバスを家として生活していたというミニチュアが印象に残っています。
 小学生時分にパン工場やお菓子工場の見学、いろいろと社会科見学の機会がありましたが、今が一番面白いという…。小学生の時は「クリームパンもらえた!」「カールもらえた!」と食い物ばかりに目が行ってしまっていたものですから、それ以外を覚えていないのですね。自分と地続きに考えられるような歳では無かったから?とお茶を濁しておきましょう。いや、食い物に目が行くのは今も変わりませんが……。
帰り道の阪急は『雅洛』という超おしゃれな「観光客のためにこさえた!」と豪語できるような電車に乗れて「良い締めまでつけてくれるなんて憎いぜ!」とほくほくしていました。電車を降りた時に「村井さん、持ってきた日傘はどこに行ったの?」とたかつさんに問われるまでは……。こっちが締めかよ……。吐き捨てたい気持ちでしたが、よく言えば「天神橋筋六丁目が私を呼んでいる」ということです。日傘を取り戻しがてら寿司リベンジを心に誓う村井でした。


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