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『なるほどデザイン』から学ぶデザイン思考(その2)

前回のおさらい


前回は、『なるほどデザイン』からデザインを作り上げていく思考法を学びました。

デザインを作り上げていく思考法は、
情報を相手に伝えるという点や、
目的を達成するためにニーズを正しく捉える点、
細かい修正を重ねて目的の達成を目指していく点において、
どの業界にも通ずる重要な考え方であるとまとめさせていただきました。




では今回は本書のチャプター2「デザイン七つ道具」から、
情報の伝え方」を学んでいくことにします。

ステップ2:デザイン七つ道具

相手に伝えたい情報が整理でき、
相手のニーズも把握すれば後は相手に伝えるのみ!

しかし、伝え方も千差万別。これも正解がないものなのです。

では、どのようにして整理した情報を相手に伝えるのか?

そのためには「七つ道具」と呼ばれる考え方があったのです。

デザイン七つ道具」とは…
・大事度天秤
・スポットライト
・擬人化
・連想力
・翻訳機
・虫眼鏡
・愛

以上が「デザイン七つ道具」と呼ばれ、情報を整理するときや、
細かな調整、修正を加えるに使うものだそうです。
1つずつ説明をしながら、「デザイン」の業界以外で
どのように活用できるのかを考えてみます!

その1「大事度天秤」


伝えたいことを整理した際に、同時に実現できないことが出てきた場合、
目的の達成にはよりどちらが大事かということを考える手法です。

あれもこれもと盛り沢山にせず、
その瞬間において何を伝えないといけないのか、
情報の優先度を整理することの重要性を教えてくれています。

極端な例になりますが、1つの研修でその業界に必要なスキル全てが身につくのは理想ではあります。しかし、現実はそうはいきません。

書籍にしても、飲食店にしてもそれぞれが「大事」と考えている部分を明確にしていることで、情報やサービスの受け手は発信側のコンセプトなどを理解しやすくなります。

全てを理解するためには、全てをそのまま伝えるのではなく、明確なコンセプトを示し、「何を伝えようとしているか」を読み取らせやすくすることが、情報やサービスの伝達には欠かせないというわけですね。

その2「スポットライト」


これはデザインされた製品を受け手が離れて見た時に、
「何を伝えようとしているか」瞬間的に判断できるように、
一番伝えたい内容にライトを当てるという手法です。

実際にライトを当てるのではなく論理学でも用いられる
対比」の手法と同じだと考えてよいと思います。

情報や製品において、脇役を用意することで、
本来伝えたい「主役」が引き立つ。

これも先程と同じく、「何を伝えようとしているか」
発信側のコンセプトを伝える
ための手法だと考えられますね。

その3「擬人化」


今自分がデザインしている製品を人間で例えてみる手法。

人間に例えてみることで、「主役」「脇役」の関係性を視覚的に把握するための手法だとも考えられますね。

デザインや製品を人間に置き換えて考えてみることで、
自分たちがターゲットにしている層と近づけているか、
修正できている部分はないかと考えることもできます。

あくまで、デザインは製品・情報を伝えるための手段であると考えれば、
子どもに伝えるため、女性に伝えるため、高齢者に伝えるための、
言葉や言い回し、装飾の部分に至るまで、
「伝えられた相手が受け入れやすいデザイン」にしていくことの重要性を教えてくれる考え方だと思います。

その4「連想力」


情報を整理した際に出てきた言葉で連想されるイメージから、
デザインのヒントを引き出していく手法。

伝えたい情報や言葉が整理されていれば、
その主役に相当する言葉や情報で連想されるイメージを、背景や装飾に使い、伝えたい内容をデザイン全体で表現できるというわけですね。

これは、情報を整理していく前の段階でも、
デザインによって情報を伝えたいターゲットから連想されるイメージを組み立てていくことで、どの情報を優先的に伝えれば、
ターゲットはこちらに興味を持ってくれるのかという分析にも使えますね。

ただ、連想に頼りすぎてしまうと、
偏見からアイデアを生み出してしまう恐れがありますし、
偏った連想から生み出された広告がSNS上で炎上してしまう事件も、
連想に頼りすぎた結果であると言えるかもしれません。

あくまで、ヒントにすることが肝心であり、
最後はその連想が正しくターゲットを捉えることができているのかと
考えなおす、振り返ることがやはり重要
になってくるでしょう。

その5「翻訳機」


伝えたい要素を整理し、言語が多くなってしまう場合は非言語(写真やイラストなど)に翻訳することで、言語情報と非言語情報とのバランスを調整する手法。

これも先程の連想と同じように、詳細な言語をシンプルなイメージに落とし込むため、わかりやすさは生まれますが、扱い方を誤ってしまうと作者のもつ偏見が露呈してしまう恐れがあるでしょう。

たとえ「かわいさを武器にする女性」をターゲットにしていたとしても、
広い層に見られる場所に「かわいく、異性に甘える女性」のイメージなどを採用してしまうと、本来と違った印象を生み出してしまう可能性があるので、情報をわかりやすくするというメリットに甘えて、気軽にイメージを選んでしまうのは注意が必要だと思います。

写真などの非言語情報を選ぶ際には、本来伝えたい情報以外の要素が混じってしまわないかと再確認する。
この点においてもやはり「目的の達成に近づけているか」と振り返り、必要ならば修正を加えていくことの重要性を教えてくれています。

その6「虫眼鏡」


その2「スポットライト」で遠くから見ても主役がわかるように、わかりやすく組み立てたデザインを、今度はズームアップして細かく見てみる。「神は細部に宿る」という言葉から、ほんのちょっとの変化の積み重ねで、デザインをよりよいものに仕上げていくという手法。

細かい部分に注目して、修正を重ねていくことの重要性はこれまでの道具についても同じことで、
パッと見て「いい感じ!」でゴールせずに、「本当にこれでいいのかな?」と疑いの目を持ってみる。
これは所謂「批判的思考(クリティカルシンキング)」にもつながる考え方だと感じました。

情報を伝えるために細かな修正を加え、より相手に伝わるように試行錯誤を繰り返す「デザイン思考」と完成したものや、すでに世の中に広まっていることに対して「これでいいのか?」と考えてみる「批判的思考」との2つの考えをつなげていくことで、あらゆる業界・分野において、現状よりは少しいいものに仕上げていくことができる、あらゆる面においての「成長」の可能性を示してくれていると思います。

その7「愛」


どれだけこだわって作ったとしても、やはり最後は「愛」になるんですね。

作品に対しての愛情はもちろん、情報を伝える相手に対しての愛情についても言及されていました。
情報を伝える相手への「敬意」と置き換えてもよいかと思います。

ユーザーを見下した「これでいいんだろ?」「こういうのが好きなんでしょ?」という姿勢は、
デザインや言動の中に出てきてしまうのでしょう。

これこそ、どの業界にも通じていることだと感じます。

相手への敬意や愛情をなくしてしまうと、細かい言動や表情に出てきてしまう。それを感じ取った相手は、疑念や不信感を抱くでしょうし、内容がいいものであっても、「なんか嫌」といった感覚的な部分で距離を取られかねないのだと思います。

最初に「愛」最後にも「愛」というのは、人と人をつなげるあらゆるコミュニケーションにおいて、最も大事なものなのだと再確認することができました。理論武装で戦い合うのではなく、あらゆる違いに対して「愛」と「敬意」を持って接することが、人間関係を円滑にすすめるためのコツなのかもしれません。

最後に


今回「デザイン七つ道具」から学んだことを振り返ると、

・情報を伝えるならば、「コンセプト」は明確に!
・デザインは情報伝達の手段であると考えると「受け入れやすさ」を大事に!
・連想や写真・イメージ(例示)はわかりやすくなるが、偏見に思われるなど同時に危険も孕んでいるため注意!
・完成した製品や伝え方も「これでいいのか?(批判的思考)」と考え、
細かい修正を加える。振り返りと修正の繰り返しでより良いものにする。
・相手・作品への「愛情」「敬意」を忘れてはいけない。

扱うものが人材であれ、製品であれ、愛情・敬意を持ち、明確なコンセプトを示し、相手に受け入れやすい形に整え、相手に伝える。

その際には、「これでいいのか」と振り返りと修正を繰り返し、今あるものをよりよいものに仕上げていく。

このことがデザインを作り上げていく上でも、
個人や企業の成長でも重要な思考法なのだと感じました。

『なるほどデザイン』からあらゆる業界や個人の成長にもつながる思考法を学ぶことができました。


この考え方は、行き詰まったときに、
「今の方向性は間違っていないか」
「目指すべき方向はどちらなのか」

と振り返り、修正を行っていくことで、

「自身の人生をデザイン」していくという考え方につながると思います。

次回も新しいことを吸収し、思考を広げていきます。

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