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石油会社の株主会議

大きな油田になると、一つの会社だけでその利権を持つことは稀です。いくつかの会社がお金を出し合って油田を開発、生産するのが普通です。

そして多くの場合、一番お金を出した石油会社がオペレーターとして操業を行うことが多いようです。操業にはそれなりに人、技術が必要で、負担・責任も大きい半面、操業をコントロールする優先権・裁量が与えられることが多いようです。

一方、油田権益に参画する会社がお金を出し合って、新たに操業会社を立ち上げるケースもあります。操業会社の運営方針は権益を持つ会社が集まって会議で決められることになります。

日々の操業は操業を任せられた会社に裁量がありますが、お金のかかる大きな決定や、重大な決定は権益を持つ会社の代表者が集まって決めることになります。これを私たちは株主会議と呼んでいます。

一口に株主会議といっても、技術関係で言えば、workshopレベルの技術会議から、年に1~2回定期的に行われる各技術分野分科会、技術委員会、取締役会など、様々な会議があります。より下位の技術会議ほどより純粋に技術議論が行われる傾向があり、上位の会議になるほど政治的になるのはどこの世界でも同じかと思います。

メジャーと呼ばれる世界的な石油会社でも、油層モデルに対する考え方、技術的な課題に対する対応の仕方など、カラーがそれぞれあり、それが会議の場にも表れて面白いです。個人の能力や組織力といった面でも考え方がずいぶん違うようです。ちなみに日本の石油会社は何となく個人の能力や奮闘に任されている部分が多い気がします。というか、やたら組織力で押してくる欧米の石油会社があって、それはそれですごいなと感心してしまいます。

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