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「モコリンペン」

たしか1980年代後半ごろから、当時の株式会社トミー (現在のタカラトミー株式会社) が発売していた「モコリンペン」というペンをご存じでしょうか?

このペンで紙に文字や絵を書いて、ドライヤーなどで熱するとインクが発泡してモコモコともりあがって立体的になる不思議なペンでした。

会社を退職したりする人などがいると、みんなで寄せ書きを色紙に書いて贈ることがありますが、そんな時このモコリンペンは色紙のデコレーションなどで大活躍していました。

今ではオンライン寄せ書きサービスなどというものがあって、オンラインでみんなに呼びかけてメッセージを打ち込んでもらうと、メッセージを適当に配置してくれてきれいにデザインされた色紙のイメージができあがり、最後はそれを色紙の台紙に美しくプリントアウトしてもらえます。遠く離れた人でも寄せ書きに参加できるようになり、とても便利で簡単になりましたが、手作り感は薄れてしまいました。

モコリンペンはまさに手づくり感満載の寄せ書き色紙づくりに必須のアイテムでした。

そういえば、「モコリンペン」は1980年代当時、会社と取引のあった文房具を扱うお店に電話で発注して取り寄せることが出来たのですが、電話をかけた発注担当の女性が、「モコリンペン」と商品名を言うところでどうしても笑いがこらえきれずそれ以上話せなくなってしまい、こちらから電話したにもかかわらず、いきなり「失礼します」と電話を保留にした上で、真っ赤な顔をしてそばにいた私に「た、助けてください。もう無理です。」と電話を回してきました。

わたしもその場面を見ていたので、笑いをこらえるのにかなり苦労しながらなんとか「モコリンペン」を注文したのですが、相手は何ら動揺した様子も感じさせず、「モコリンペン3本ですね。承知いたしました。」と淡々と返されて、ちょっと気恥ずかしくなったことを思い出しました。

残念ながら「モコリンペン」の生産・取り扱いはだいぶ前に終了しているようです。そのネーミングのセンスと言い、インクがモコモコ膨らむという画期的なアイディアといい、とても楽しいペンだったのでちょっと残念です。

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