見出し画像

日本とNATO。日本はどう世界平和に貢献するのか

外務省のホームページは2023年7月12日付で、「岸田総理大臣のNATO首脳会合出席(結果)」を掲載しています。

現地時間7月12日午前、岸田総理はリトアニアで開催されたNATO首脳会合に出席しました。上記リンクには会合での岸田総理の発言の概要が掲載されています。

この中で、岸田総理は、「国際安全保障環境が厳しくなるとともに、安全保障の裾野が急速に拡大し、安全保障環境が地域横断的なものとなる中、日本やNATOのような基本的価値と戦略的利益を共有するパートナーは、その絆を更に深めて行くべきである。新時代の挑戦に対応すべく、日NATO協力を新たな高みに引き上げる日NATO間の新たな協力文書の合意を嬉しく思う。」と日・NATO間の新たな協力文書の合意について述べています。

新たな協力文書「日・NATO国別適合パートナーシップ計画 (ITPP:Individually Tailored Partnership Programme)」には、2023年から4年間で進めるべき協力の内容が盛り込まれています。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100527275.pdf)

前身の協力文書 (IPCP 2020年版:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100068527.pdf)では協力分野が9つだったのに対し、今回の文書では16と大幅に増えています。

外務省のホームページにその概要が記載されているように (https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100156880.pdf)、 そもそもNATOは条約第5条で締約国の一国に対してでも武力攻撃があれば全締約国に対する攻撃とみなすとすると規定されているように、集団的自衛権を行使する軍事同盟です。

この枠組みの中では締約国の一国でも戦争を始めれば、全締約国が戦争当事者になるという危険をはらんでいます。このような軍事ブロックを強化することは一見締結国やパートナーの安全を強固なものにするかに見えますが、一方で軍事ブロックとブロック外の他国との緊張を高めたり、新たな軍事ブロックの出現や拡大を助長したりする可能性があるのではないでしょうか?

力には力で対抗しようというNATOのような軍事ブロックを形成することだけが世界平和のために有効だとは思えません。

私は日本には日本の歩むべき道があるのではないかと思います。唯一核兵器を使用され核兵器の悲惨さを身をもって体験した日本が、核兵器禁止条約締約国のような核のない平和な世界を希求しコミットしているような国々と力を合わせ、戦争当事者にならないように細心のかじ取りを行いながら、戦争当事者や戦争を起こそうとする誰に対しても物申せるようなリーダーシップを発揮して欲しいと思います。

日本にはどこかの軍事ブロックに加担する以外の道で、国際平和のキー・プレーヤーとして活躍して欲しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?