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東半球と西半球を行き来する

地球上の位置を表す方法として、緯度、経度があります。日本地図や世界地図などで東西に延びる線が緯度を表す緯線、南北に延びる線が経度を表す経線となっています。

国土交通省 国土地理院のページによると、日本の東西南北端点の緯度経度は次のようになっています。

国土交通省 国土地理院のページより

このテーブルには表記されていませんが、日本は北半球 (赤道より北側) にあり、また、東半球 (本初子午線から東回りに180度経線までの半分のこと) にあるので、南半球の同緯度、西半球の同経度と区別するために、緯度を表す時は「北緯」、経度を表す時は「東経」をつけて表記されることもあります。

下記国土地理院のページには、都道府県及び市区町村の東西南北端点の経度緯度情報がまとめられています。

緯度は赤道や地理極 (北極点と南極点) という明確な基準がありますが、経度には明確な基準が自然にはありません。したがって経度0度0分0秒と定義された基準の子午線 (本初子午線) を人為的に決めてあげる必要があります。

1980年代以降、国際的な本初子午線としてIERS基準子午線が使われています。

私が小中高の学生時代には、本初子午線としては、グリニッジ天文台を基準としたグリニッジ子午線が使われていました。ですので、グリニッジという地名にはとても馴染みがあります。

グリニッジ天文台は基準子午線を決定する観測のために1675年に設置されたそうですので、まさに本初子午線ゆかりの地ということなのですね。

現在の国際的な基準時刻は協定世界時 (UTC, 英語: Coordinated Universal Time) と呼ばれていますが、かつてはグリニッジ天文台・グリニッジ子午線(経度0度)における平均太陽時が国際的な基準時刻として採用されていて、グリニッジ標準時またはグリニッジ平均時(GMT, 英語: Greenwich Mean Time)と呼ばれていました。

子供の頃、短波の海外放送を聞いて受信報告書を世界の放送局に送るときにこの GMT で受信時刻を記載していたので、懐かしさとともに記憶に残っています。

グリニッジには2回ほど訪れたことがあります。1回目は入社して間もないころのイギリス研修中に一人で、2回目は南国赴任中の休暇に家族でイギリスに訪れた際です。

今でこそ携帯にもGPSが当たり前のように搭載されていますが、一度目にグリニッジを訪問したときにはGPSなんて個人で手に入るものではありませんでした。

家族でイギリスに行ったときはすでにGPSを手に入れていたので、「子午線をまたごうよ。体を半分ずつ西半球と東半球に置いてみようよ。GPSが経度0度を示すのをこの目で確かめようよ」と、あまり乗り気ではない家族を説得して、なかば強引にグリニッジに向ったのでした。

グリニッジ子午線の基準になっているラインや、現在の本初子午線のマーク(グリニッジ子午線から約100m西にずれている) を見つけて、そこをまたいだり行ったり来たりしては、「体半分西半球だよ!」「ちょっと西半球に行ってくるね!」などとはしゃいでおりました。

そしては私はしゃぎすぎたあまり、GPSで測定するのをすっかり忘れていました。あとでロンドンへの帰りに気がついて、自分の愚かさにショックを受けました。家族には苦笑されました。

いつかまたGPSを握りしめてトライしたいです。

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