【詩】夜が寂しいと言った

 夜が寂しいと言った

 月が眺めていた

 花が微笑んでいた

 私はひとりだった

 夜が泣いていた

 私に涙が触れた

 初めてひとりじゃないと思えた

 花が夜の涙をつたって

 夜の頬を撫でていた

 母のように 恋人のように 友のように

 月が呟いた

 何を言ったか 分からなかった

 どこかの星の言葉だった

 でもなんとなく涙が出た

 君が泣かなくてもいいんだと風が言う

 でも

 そんな

 そんな

 寂しいよ

 私は夜と月と花に
 また会おうねってそう言って

 風に手をひかれて別れた

 太陽が夜の手を繋いでいた

 一瞬しか見えなかった

 それでも嬉しかった

 夜が泣き止んでたから

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