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「普通」って、なんですか

むかし、大人になったばかりの頃、仲良くなった人たちの集会がいつも日曜でした。でも当時、わたしはお店に勤めていたので、日曜は絶対休めませんでした。

先日、news zeroで拝見した芥川賞候補作「迷彩色の男」著者、安堂ホセさんが言っていた、「漫画の白い部分は肌の色じゃない」が、わりとマイノリティに近いと思っていた自分にぐさっと刺さっていまして。

そうだよね。でも、そこは全然考えたことがなかった。。。

わたしは東北産まれなので、肌は白い方で、絵でも白やきなりの肌ばかり書いていました。。

マンガはたしかに、肌の色が黒いものをあまり見たことがなかった。でもそれは、全然当たり前じゃない。

大人になったら、サラリーマンになって働くのが普通って周りでは言われていましたが、じつはわたしの父も、夜勤や日曜勤務などをしていて、知り合いに、日曜休みの人がほとんどいませんでした。
わたし自身も、最初の仕事場は土日出勤しないとクビって言われたけど、それって、土日は休みが当たり前だと思ってる人が「普通」だから、なんですよね。

土日休みの仕事に全然つけなくて、行きたい所へも行けなかったわたしにとって、「サラリーマン」も普通じゃなかった。今でも、1年中休みのないようなことをしている。いつ稼げるかもわからない。月ゼロの時だってある。

普通って、エリートしかなれないものだと思っていた。
でも今、「普通」っていう人が、誰も、どこにもいない。

普通を作ったのは、誰?

背丈も低く、出来ることと出来ないことが極端で、たくさん食べられなくて、お酒もまったく飲めない。
みんなが「楽しい」と思えることは、うちではあまり楽しんでいない。
でも、それぞれ、楽しんでいることはあるし、そこへお金を使っています。

わたしが現在していることは、逆に普通ではダメなことが多いです。
最初から普通にはなれないと思っていたかもしれない。
学校の先生がわたしに、華のある仕事などろくなことがない、と言ってきたのでにらみ返してやったことがありましたっけ。

最初の仕事は女性ばかりの仕事場でしたが、たくましく働く素敵なマダムばかりでした。当時は、まだ女性は結婚したら家にいろ、がまかり通っていた時代でしたが、お構いなしでしっかり稼いでいました。
むしろ、事務仕事をしていた時の方が、何かの決まり事があって、はみだしたらダメ、な空気があったような気がします。

そして令和の今、モデルケースの人がいなくなった。
やっと、自分らしくいた方がいい、時代が来たのか?と思ったら、まだまだ悪しき慣習、理想の人じゃない人は叩いていい、みたいなのが残っているみたいですね。。

本当の自分を言えない時代は、まだまだ続きそうです。。

お正月に、コーチングをしている人たちから集中的にワークが届いて、自分の作業も終わってなかったしで、頭が混乱していました。
でも最近気がついたんです。
「こうすればうまくいく」はわたしじゃない。

金を稼げば勝ちじゃない。豊かさ、幸せは人によって違う。
誰かが金銭感覚は父親が悪いって言ったけど、父だけで金銭感覚は身につかないよ。
時代の流れ、置かれた境遇も無視出来ません。

同じことをずっと続けていますが、昔ならショップに売り込んで門前払いされて終わりでしたが、ネットで売れて、実力をつけられる時代になりました。

安堂ホセさんの小説の世界は、リアルにありそうな内容で、でも本当ではない。きちんと自分と向き合って、置かれた立場を表現しているのが、よくわかる。
本当にこの主人公になったら、ぞっとするよ。でも、誰にもノーと言うことが出来ないんだよ。今もね。

だからこそ、小説を書く意味がある。

クリエイターは今をうつす鏡。
わたしも、「普通」ではなく、今をうつし取ろう。


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