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なぜダメンズ好きなのかが分かった

私は過去に結婚している人とお付き合いしたことがある。
その人をTとしよう。
先日Tとの共通の知り合いに会い、久しぶりにTの話を聞いた。

Tがいきつけのカフェのアルバイトと不倫し、奥さんと離婚。
そしてアルバイトの子と再婚し、居場所をなくして田舎に引っ越していったそうだ。
※共通の知り合いは私とTの過去の関係性を知らない。

Tと恋愛関係になったのはもう11年くらい前だと思う。
7年以上、会ってもいない。
付き合ったのは多分1年にも満たなかったのだが、私はそのTの離婚が結構驚きだった。

不倫をするような人に見えなくて、正直不倫をするにしても、私だけだと思っていたのだ。
私のことを愛していた、とかそんな自分ONLYということを主張したいわけではない。
あぁ、私が引き金を引いただけであって、結局「繰り返し」て離婚をしてしまったのか、と思った。

できればアルバイトの子とは仲良く暮らしてほしいと思う。
彼がこれからずっと幸せでありますように、とそっと願った。

私とTが付き合っていた時、奥さんとはうまくいっていないと聞いていた。
そんな状況だから私に手を出したのか、もしくは手を出したからうまくいかなくなったのか、詳細は分からない。

私はその当時、妻子ある人と付き合うということが悪いことだとは思っていなかった。
出会う順番が遅かっただけだと本気で信じていた。
好きになってしまったら、それはしょうがないじゃないか(男性側も女性側も)。
結果、不倫になってしまうけれど、それはやむを得ないことなのだ。
そんな思い込みを持っていた。

だけど、今はそうじゃないと思っている。
過去の私にグーパンチをくらわしてやりたい。
大変に猛省しております。
相手の奥さんにも、自分自身を大切にしなかったことに対しても。

よく、「浮気をする人は何度も同じことを繰り返すよ」みたいなことを耳にする。
私はそれは自分の選んだ相手には当てはまらないと思っていたのだ。
(どんだけ自信過剰なのだ)

好きになってしまったからそうなった、と思っているから、当てはまらないと信じ込んでいる。
しかし、未婚のシングルマザーになり、ダメンズを選ぶ自分に非があると理解した今は、「(奥さん以外を)好きになる」「(不倫を)繰り返す」こと自体が他責なのだとわかった。

不倫をしてしまう男性は、自分の奥さんとの不仲の原因を自分の中に見つけることなく、他の人を好きになる事で(一時的に)解消するのだ。
ほら、妻は自分のことをわかってくれないけれど、この子は癒しをくれる。
家に帰ってもヒステリックに怒られるだけだけど、この子といれば楽しい。
外に逃げても、結局は奥さんと、自分と向き合わないと何も解決しない。
だから、不倫は繰り返される、は正しいのだと思った。

私はなぜダメンズを好きになるのか?
同じだ。

私は自己肯定感が低かった。
私が小1の時に3つ年上の兄が交通事故で死んだ際、母に「兄の方が好きだった」と言われた。
兄に受けさせようと思っていた男子高が共学になって私にそこの受験を強いてきた(言われるままに猛勉強したが私は落ちた)。
大学受験の際には、兄と私は違う・兄にやりたかったことを私にやらせるな、とケンカをし、それ以来 母は私に兄を重ねることをやめた。

私に直接重ねることはなくなっても、時折兄を偲ぶ中で、あの子は天使のような子だと言い、あんないい子がなぜ死んだのか、と涙を流すたびにその思いを批判することはできず(かわいそうなのは理解できたから)、私は何も言えなかった。
「私は天使のような子ではないのだ」と受け取っていた。

どう頑張っても、母親の中で1番にはなれない。
死んでしまったのに、兄を超すことができない。
だから、無意識に「どうせ私なんか」「私は価値がない」という想いがずーっと心の奥底にへばりついていたのだ。

だから、私の恋愛は普通の好きでは満足できなくなっていたのかもしれない。
私に好意を持ってくれる普通の男性もいたが、全くと言っていいほど惹かれなかった。

例えばどんな人に私は惹かれたのか?
「奥さんではなく自分を選んでくれる」と思うことで、自分に価値を感じる。
一般的に「なんであんな人選ぶの?」と言われるダメな人を好きになり、私だけは彼のことを理解してあげられる、と自分を重ねる。

結局自分自身と向き合わずに他人に依存したり、他人を使って自分を癒すから、何度もダメンズを好きになるのだ。

Tの話を聞いた後しばらく、そんなひねくれた恋愛しかできていなかったことを振り返った。
※ちなみにTより素敵な男性(そちらも既婚者)が現れてしまったため、私はTと続かなかった。当時の私、本当に愚か者。

未婚のシングルマザーになった当初、どうも私の心の在り方が間違っているらしい、とは自分で思っていたものの、今回の振り返りで論理的にダメな理由が分かった気がする。
そして、ダメンズ好きを抜け出すヒントがわかったかもしれない。

「ダメンズ好きは繰り返す。※ただし自分と向き合わない限り」

母とは何度もケンカを繰り返し、とことん話した結果、今では仲が良い。
兄を想う気持ちも、私が子供を生んだ今、少しはわかる。
子を死なせた親は守ってあげれなかった自分を責め、死んだわが子を美化してしまうこともあるだろう。
それを話せる相手は私か父くらいしかいないのだから、娘の私に吐露させるくらい、受け取ってやろうじゃないか。
母は、私が天使ではないと言っているのではないのだ。

そして、今私には、「どんなNancyでもそのままのあなたが大切」と言ってくれる親友がいる。
自己肯定感が低かった私に、「お兄さんよりあなたの方がすごいですよ」と何度も魔法をかけてくれた優しい友人もいる。

私なんかと自分にフタをしていたが、そっとまぶたをあけて自分を見てみると、ありのままの自分も悪くないとちょっと認めることもできてきた。

ダメンズに自分の居場所を見つけるのではなく、まずは私自身を大切に。
そして、そんなありのままの私を肯定してくれるパートナーを見つけたい。
その人はきっと、ダメンズではないはずだ。

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