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人に話を聞いてもらうと謎に解決する件(傾聴体験談)

夜の22時過ぎ、一人暗い部屋で小さなライトをつけて、PCを見ながらムフフと笑う女が一人。
彼女が見ているのは、なんと自分が映っている録画したZoom動画だった。
数日前に自分の話を聞いてくれるという優しいおじさんに何の不信感も持たずペラペラ話した2時間超えの動画を、倍速にもせずなめるようにじっくり見る。
YouTubeやVoicyは常に2倍速なのに、自分の動画はノーマルでじっくり見てしまう。
面白い、自分が面白くてたまらない。吹き出す。肩を揺らす。変人だ。
そんな怪しい40歳の独身女性(ただし子持ち)。

さて。
ある人の紹介で、「自分のこと話聞いてもらったら?Kさんお話聞くの上手いよ?」と紹介していただいた。
とある文章講座の講義で物書きド初心者の私に、人の話を聞くという姿勢をまず学べ、と傾聴の仕方を教えてくれることになったKさん。
あ、では、ぜひ、お願い、します・・・!

基本的には誰かの自己開示インタビューを読み物にするという課題が多い講座だった。
だから私もまずはKさんに自分の話を聞いてもらうことになったのだ。
自己開示は嫌いではないのだが、実は私はビビっていた。
あんなことや、そんなことまで掘り出されて、会社のお客様にばれて、クビになったらどうしよう・・・。
ついつい調子に乗って黒歴史の話を展開してしまいそうだ。
文章講座の受講生にはうちの会社のお客様企業で働く方もいる。
個人で参加しているとはいえ、バレたら後ろ指さされるのではないか(どんな秘密だ)。

そんなこと考えていたら夢でもうなされながら当日を迎えることになってしまった。
結論から言うと、私の心配するような展開にはならなかった。
ただし、私の誰にも言っていなかった唯一の秘密をKさんに告白した。
さすがKさん、話を聞くのがうまい。
まったく、口が軽いだけの女だ。
※黒歴史や唯一の秘密は心の整理ができたらいつか書いてみたい。

冒頭でなぜ私が自分の録画動画で爆笑していたか。
会話のほぼ70%を、私が目をつぶっていたからだ笑
なぜ、ん~と考えるたびにおぬしは目をつぶる。
しかも時々白目。
相手の顔を見ろ。まぶたの裏には何もないはずだ。
あと、自分の自慢・得意なことは何ですか?と聞かれて、悩みに悩んで絞り出したのが、「タスク管理とタスク消化です」と話す自分に吹いた。
実にモテなさそうな回答だ。
だから独身なのか(ただし子持ち)。
傾聴してくれたKさんはこんな変顔を2時間以上も見せられ、なぜ吹かなかったのか。
謎だ。
そういや「時々顔が真顔になると怖いよ、笑ったほうがいい」というアドバイスは暗に白目のことを指していたのだろうか。

傾聴の中身は、今住んでいるところから地元の話、仕事の経歴、未婚のシングルマザーになった経緯、ダメンズ傾向、ドラムの話など。

傾聴の体験なので、Kさんの傾聴スキルも一生懸命盗もうと試みた。
「えらいなぁ、大変やったなぁ」
ひたすら肯定して褒めてくれた。
ココがスキルか・・・と認識しつつ、気持ちよく見事に転がされペラペラしゃべってしまう。

あと、「え!なにそれ!それでどうなったん?」「ほんでほんで?」と興味を持って話を促してくれる。
これって、意識してなかったけれどすごく大事だと気が付く。

「ほかに、話したいことある?」と促されて、私は自分の中で消化しきれないものを言語化した。
「私、結婚すらできてない、って自分のこと、引け目を感じているんです」

私は未婚のシングルマザーだが、結婚できてない自分を恥じていた。
みんな普通に結婚して、普通に子供産んで、子供産んでなくても普通にパートナーと仲良くやって、普通に「家族」というものを作っている。
私は普通じゃない。普通にも届かない。
そんな風に感じていた。

そして、もしかしたらこれから出会うかもしれない新しいパートナーをどのように選べばいいかイメージができていなかった。
もう失敗したくない。次こそは普通の人になりたいから。
言葉にして話すことで、あぁ私はこんなことを思っていたんだと認識できた。

Kさんのアドバイスは、数日たって後からジワジワ効いてきた。
「もう結婚できてますやん。男がヘタレで逃げただけでしょ。」
「客観視しっかりできてるけど、正論すぎるというか、もっと肩の力抜きなはれ」
「十分に元パートナーのこと整理できてるから、新しい人に行ってもいいと思うけど」
「ただ、ダメンズ好きだからそこだけ注意したらよろし」

結婚すらできてない自分が、シングルマザーを推奨する文章なんて書けるわけない(そんな資格ない)。
初めはそう思っていた。
書くことによってさらに自分が客観視できたのもあるかもしれないが、なんだか今の自分でも大丈夫な気がしてきた。
ダメンズ好きだから救いようがない、ではなく、短所をわかっているからこそこれから注意できるじゃないか。
別に私、普通じゃね?
というか、普通ってなんだ?
私はそのままの私でよくね?

傾聴されて、言語化して、文章に起こして、そしてそれを客観視する。
話を聞いてもらうことでこんなに心の整理になるとは。

ありがとうKさん。
Kさんから教えてもらった神保彰のドラムコンサートに9月に行く予定です。
Kさんも何かあれば私でよければお話聞きます。
「ほんでほんで?」ってスキルマネしても怒らないでくださいね。

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