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おとなの小論文教室。

読書用メモ76

▼タイトル:おとなの小論文教室。(2009年2月発行)
▼著者:山田ズーニー

「伝わる・揺さぶる!文章を書く」(2001年11月発行)
「あなたの話はなぜ「通じない」のか」(2006年12月発行)

上記2作に続く3作目を読了。アマゾンのレビューを読み、期待しすぎて読み進めると「??」となって、途中からめちゃくちゃ面白くなって、もう一度味わうために2度読んだ。そう、とっても素敵な本だった。

タイトルから少なくとも文章を書くことについての本かな?と思ったのですが、「自分を表現する」ための本でした。しかもとっても優しい(読みやすいという意味ではなく、愛に溢れた温かい、という意味で)。ちょっと古い本なので続編も読んだり、今のほぼ日のコラムも読んでみたいと思う。

「自分が好きなことが必ずどこかにあって、自分がそれにふさわしい才能を持っているっていう風に思い込んでしまった段階から、なにかこう、「他者」とのつながりを断ち切ってしまうようなところもあると思うの。」(P112)

もう、この一文についての著者の意見やコラムの読者のメールがしみるしみる・・・。ここの章だけでもこの本の読む価値ありだった。目頭が熱くなった。コラムとそれに対する感想メールをまとめたものだから、この本自体が対話のようで感情のやり取りが続くのだ。こういう意見もあるよね、こういう見方もあるよね。そうだよね。みんな悩むよね。あぁ、人って一人じゃないよね、支えられて生かされているよね。

やりたいことが見つからないとか存在意義が見いだせないとか自分の中でもがき苦しんでいるならば、答えは、外にあるかも。自分の中に答えを追及するというのは、ちょっと乱暴な言い方をすると傲慢だとか自意識過剰なのかもしれない。不自由なんだね、苦しいよね、大丈夫だよ、背伸びして深呼吸して、表現してみよう。そんなことを背中をなでながら、そっと優しく気づかせてくれる感じ。

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