災害時に備えて~家庭用ポータブル電源~一家に1台あれば…
第93回
難聴ソルのゆんたくTime
2019(平成31)年4月5日 島原新聞掲載
私は最近、一家に1台これがあるといいなと思うものがあります。それは家庭用のポータブル電源です。
昨年の夏、沖縄に大型台風が上陸しました。
その時には沖縄で大規模な停電が発生。私は沖縄難聴中途失聴者協会(以下・沖難協)の会員でもあるので、会員同士のグループLINEで皆さんの安否を確認しました。那覇市や浦添市以外の人とは繋がりにくく、1日以上経ってライフラインが回復したあと、ようやく連絡が取れました。停電によりほとんどの電化製品が使えず大変だったようです。台風にはある程度備えがある沖縄でも、予想外の被害が出ることもあるのだと改めて感じました。
台風が去ったあと、沖難協の事務局長の渡久地準(とぐち・ひとし)さんとやりとりをする中で、いざというときには持ち運びができ、ある程度容量があるあるバッテリーが必要だ、という話になりました。生活のすべてを電気に依存している現在です。
本当に家庭用のポータブル電源を準備しておくことが大事だなと実感しました。
そのことがあったので、今年1月、私はアメリカ、アンカー社のパワーハウスというポータブルの大容量バッテリーを購入しました。
もともと、スマホ用のモバイル充電器はアンカー社のものを使っていたので、同じ会社のものなら大丈夫だろう、また同じ会社同士なら機械の相性も良いだろうと思い選択しました。
このパワーハウスはなかなか優れもので、8時間でフル充電でき、スマホだと約40回分、ノートパソコンだと約15回分、ミニ冷蔵庫だと約7時間使うことができます。
私は実際使ってみて感じたことは、ACアダプタの差込口に挿すときに少し力を入れないといけないということもありますが、USBポートの使い勝手がよい点が魅力です。USBポートは4個の差込口があり、同時に使えます。例えば、私の主人と私のモバイルバッテリーを1台ずつ、iPadやiPhoneと4個を同時に充電可能。
充電速度は通常電源から直接充電するのと比べると若干遅い気もしますが、4台充電してもパワーハウス自体の容量は1割減るかどうかという程度です。本当に大容量だなと実感します。
私としてはスマホやiPad、人工内耳の充電というものを一番に考えて購入しました。
が、実家で使っていると、それを見ていた母が「炊飯器やオーブンには使えないの?」と聞いてきました。「なるほど電気はいろんな使い方があるんだな」と改めて気づきました。通信機以外は使ったことがないので、保証期間中に他の家電も試してみようと思います。
先に沖縄の例を出しましたが、実際私が体験した中で忘れられない光景があります。それは熊本地震直後にボランティアで避難所の体育館で目の当たりにした光景。体育館のコンセントに何本もの延長コードをつなぎ、その先で何十台ものスマホが充電されているというものです。
昼間の比較的人が少ない状態でこれだけの台数があれば、夜はさらに大変なことになるのではと思いました。これが、今の災害後の状況かと驚きました。スマホは、私達にとってなくてはならないものになっています。常に充電していなければならないので、このような結果になってしまったのでしょう。他人事とは思えない出来事でした。
昨年の年末に発表された2018年の漢字は「災」でした。「年末なのにもうちょっと前向きな漢字でも良かったのに」と感じましたが、災害が多かったことは事実です。災害に直面する危険性を誰もが持っていることを目の当たりにする1年でした。そう思っていると、年明けすぐに熊本でまた地震が発生。突然やってくるのが自然災害です。自然の大きな力の前では、人間は無力な存在ともなり得ます。いざ災害が起こったときのことを考え、自分には何が必要なのかということを備えておくべきです。私の場合は外部との連絡手段、情報収集の手段としてスマホは欠かせないツールです。
自分自身がいつもスマホを使えるようにするためにパワーハウスを準備しました。電気に頼り、スマホに頼っている日常です。このポータブル電源を普段の生活の中に取り入れ、いざというときにもスムーズに使えるようにしておきたいと考えています。
一人ひとりそれぞれに必要なものの優先順位は違うと思います。明日は我が身という意識を持つことが大切です。自分で自分を守る準備を常日頃から心がけておきましょう。
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