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介護essay#5 現金払い

突然ですが銀行振込、どうされていますか。

私はネットバンキングです。
最初は「個人の預金までインターネット決済にするなんて怖すぎる」と不安だったネットバンキングですが、あまりの快適さに今ではすっかり頼りにしています。

85歳の老母は、もちろんネットバンキングなどしていません。いくつかある銀行口座はすべて「通帳、キャッシュカード、印鑑」の三点セットです。

さらに言えば、新聞代など各種振込みも銀行引き落としではなく、郵送されてくる振込用紙で支払いをする方式です。「現金が見えること」が安心で、身体になじんでいるようです。

このため、母が緊急入院となった時、いろいろな「現金での支払い代行」は大変でした。

電気代・ガス代・水道代あたりはさすがに銀行自動引落としになっていたものの、新聞代や生協の宅配などはダメでした。実家の「固定資産税」も現金払い、火災保険の更新手続きもなぜか同じタイミングでやってきました(これももちろん現金払い)。

さらに年一回徴収される町内会費など「こんな支払いがあったのか」と、親とはいえ別々に暮らしていると予想もつかない請求書が次々とポストに入ってきます。

そして忘れたころに入院費とパジャマレンタル代などの「医療費」請求書が、今度は入院手続きをした私の住所宛てに郵送されてきました。

いまは手軽にコンビニで支払うことができるものが多いとはいえ、雑多で細々とした支払いを代行するのは手間がかかります。まず銀行でお金をおろしてから、あらためて支払いを済ませに別の場所へ行かなければならないからです。「とにかく現金で支払いたい」世代の母がうらめしい・・・。

ところで、今日は久しぶりにネットバンキング利用しました。やっぱり便利だわ〜と思っていたら「トークンの電池切れが近づいています。アプリへの切り替えをおすすめします」との表示が。

決済に必要な「ワンタイムパスワード」を表示するトークンですが、5年で電池切れになるのだそう。アプリなら電池切れの心配はありません、切り替えはたった5分でできますから、アプリにしましょう!と説明が続きます。

でも私は使い慣れたやり方が良いのです。トークンの再発行はできないのかと画面をずっと下へスクロールするとありました、ありました。一番下に仕方なくな感じで(?笑)、再発行の方法が。

おそらく若い人なら「やっとアプリでたー」と前向きに受け止め、さっさと移行手続きをして使いこなしていくのでしょう。

私も母と同じだ、とガックリです。

慣れた方法がいい。新しいやり方のほうが便利で合理的だとわかっていてもわざわざ知りたくないし、新しいものに慣れる面倒くささを考えたら、今のままがいい。

60代目前の私は、自分を励ましながら母の分まで、時代のアイテムにどこまでついていけるのでしょう?少し不安なのでした。





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