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「続けたくなる」にはワケがある

えいと:これはもう良いかな。これは……どうしよう……!

なんぼー:なんか迷ってるね。

えいと:月末なので、サブスクを整理してたんです。

なんぼー:それ毎月やってるの?!マメだな〜!

えいと:そうしないとあっという間に増えちゃうんですよね〜。

なんぼー:今はサブスクサービスも多いもんね。

えいと:そうなんです!だから、毎月どのサービスが必要か、ものすごく吟味してます。

なんぼー:えらいね。サブスクって実は続けてもらうのすごく大変だよね。

えいと:ジムとかもすぐに行かなくなっちゃって、数え切れないくらい解約してます(笑)だけど最近はじめた『chocoZAP』は三ヶ月目です!

なんぼー:おー『chocoZAP』通ってるんだ。画期的なジムだよね。「コンビニジム」と名付けて、気軽に通えるようにして、なんとしても通い続けてもらおうという仕組みづくりがすごい。

えいと:どんどん店舗も増えて、通いやすくなってますしね。

なんぼー:体重管理のアプリを準備してたり、着替えなくてもOKですぐに始められる設備を豊富に揃えてたり、継続できる仕組みが豊富なんだよね。

えいと:ジムって行く度にタオルとか靴とか用意しないといけないのが面倒なんですよね……。それを考えるだけで気が重くて「今度でいっか」って(笑)そうして何度も退会してきました(笑)

なんとか通えてる時は「でも、お金払ってるし」って感じで無理やり行く感じだったんです。だけど、それもいつの間にか、「面倒くさい」が上回っちゃって。でも今の『chocoZAP』は、時間と時間の間に運動できて助かってますね。

なんぼー:パーソナルトレーニングとか、『ライザップ』みたいなサービスは「お金ガッツリ払ってるし、行かなくちゃ」と思うことで通えるけど、少し安いジムだと「まあギリギリ忘れてもいいか」ってなっちゃうのすごくよくわかる。ジム側も幽霊会員が退会に至るまでの数カ月間は、それで儲かっちゃうしね。

その点からしてやっぱり『chocoZAP』は「忘れさせない」ことに注力してるのが新しい。これまでとは真逆のビジネスモデルだよね。

えいと:サブスクじゃないんですけど、ずっと使い続けてもらえるアプリもすごいなと思ってて。この『Coke ON』、ずっと愛用してます。

なんぼー:さすがえいとくん。このアプリ、僕も使ってるよ。確か2022年時点で4000万DLを達成したんだよね。すごい数だよ。

えいと:しかもなんか使ってて嫌じゃないんですよね。本当にお得なお知らせをしてくれるんです。

なんぼー:それ、記事になってた気がするな……。ほら、これだ。

なんぼー:気温と連動していて、熱中症が起こりそうな暑い日にポイント2倍キャンペーンをしたり、逆に寒い日なんかに合わせてホットドリンクに関するキャンペーンを実施しているんだよね。

えいと:そうなんです!「なんか飲み物ほしいな」ってときにお知らせが来たり、あるいはお知らせを見て「確かに飲み物飲みたいかも」と思うんですよね。無理強いしないところがすきです!

なんぼー:普通、外に行きたくなくなるような雨の日にこそ、自動販売機は売上が下がるだろうからキャンペーンを打ちたいところだろうけど、それだとユーザーに不自然な行動をさせることになってしまう。雨の日キャンペーンは実は、メーカー目線なんだよね。

そういうことを繰り返していると、結局使ってもらえなくなることにもつながるから、むしろユーザーが使いたくなるタイミングに、キャンペーンで「背中を押す」使い方は自然で素敵だなと思ったよ。

えいと:「使い続けてもらう工夫」って、色々あって面白いですね!

なんぼー:最近知ったサービスだと、これはサブスクなんだけど『ホームワイン』というサービスが素晴らしかったね。

えいと:ワイン!大人の世界だ。わ、しかも月額1万円以上!お値段もオトナ……!

なんぼー:そうそう。前提として、1万円以上のサブスクってものすごく難しいんだけど、この『ホームワイン』は1万円のサービス内容がすごく考えられていて。「ワインを学ぶスクール」としてサービスを提供しているんだ。

えいと:なるほど。

なんぼー:そのスクールの教材として、毎月、小さな瓶3本分のワインと、そのワインに関するビデオが届くようになっているんだよね。あとは、入会時に冊子がもらえて。

えいと:んー、小さなワイン3本に毎月1万円かあ。

なんぼー:サブスクって実は「余らせない」ことがものすごく大事なんだよ。余ると、ものすごく嫌な気持ちになってしまうことない?

えいと:わかります。残るのも嫌だし、だからといって、食べる気も起こらなくて。だって、残るってことは味が好きじゃなかったってことがほとんどじゃないですか!でも、捨てる時には本当に嫌な気持ちになるし。確かに余っちゃうと「サブスクじゃないほうがいいのかな」と思っちゃいますね。

なんぼー:だから、余らせない量で提供している方がいいんだよね。ワインも、飲みきれないような味のボトルが1本来たら、捨てる時の気分が最悪になっちゃうじゃん。

えいと:でもそうすると、値段に見合う価値を提供するのが難しい気がしますね。

なんぼー:そこを「スクール形式」にしているのが上手。あくまで勉強したいなら1本大きなボトルが届くよりも、異なる味わいの小さなボトルが3本来た方が、いろいろな味について学べて嬉しいよね。それぞれに説明もついているから、多ければ多いほど楽しめるし。

えいと:確かに。

なんぼー:この『ホームワイン』は、ワインが好きな人のことをよく観察しているし、彼らがワインに抱いている感情もよく理解しているんだよね。まず、ワインが好きな人って学問を探求するみたいに、楽しんでいる人も結構いて。

えいと:わかります!ワインって、こう、グラスをくるくる回して、味の違いを楽しみながら飲んでいる人のイメージがあります。教養人っていうか……。

なんぼー:ワインはソムリエと呼ばれる人が有名だったり、ラベルを写真に撮って集めるアプリがあったり、資格があったり、「学んでいく」という楽しみ方が強いんだよね。そして、そういう人ってある程度、そういう「学び」にお金を投資できる余裕がある。

えいと:なるほど。だんだん、このサブスクに入る人のイメージが湧いてきました。

なんぼー:ターゲットも、ターゲットのワインへのニーズにも理解が深くて素晴らしいよね。それに、たとえ「ハズレだ」と思う好みでないワインがきても、3本届いて、しかも学びが目的だと「幅広いワインが来てる」と思えるし。逆に、量が少ないから、高いワインも入れようと思えば入れられるだろうけど、登録者にとっては高いかどうかさえ、あまり重要ではないと思う。よくできた仕組みだと思ったよ。

えいと:同じものを送っても、満足してもらえるかどうかが、コンセプト次第で大きく変わりますね!

なんぼー:同じように、コンセプトが面白いのが『酒ガチャ』で。こっちは日本酒をはじめとしたいろいろなお酒なんだけど。ランダムでお酒を届けてくれるんだよ。

えいと:「ガチャ」っていう表現いいですね!

なんぼー:しかもある程度テーマも準備してくれているからざっくりとした概要を想定して注文することもできて。日本酒って、ある程度レベルを超えると、全部美味しいじゃん。あとは個人の好みというか。

えいと:お酒って、好みに優劣無いですよね。本当にそれぞれの好み……だからこそ選ぶの難しいですけど。

なんぼー:そうそう。だからこそ、銘柄で買おうとすると、「これはプレミアムついているやつ」「これは知らない」と知名度で判断してしまう。それをガチャとして送ることで、受け取る側は新しい銘柄にも出会えるし、送る側は「ハズレ」だと思われずに様々な銘柄を試してもらうことができる。

えいと:両方にとってハッピーですね。確かに、「飲んでみたら美味しかった」っていうものに出会いたい気持ちがあるなあ。気がつくと知ってるものばかり飲んじゃうだろうから、登録している人にもメリットありますね!

なんぼー:絶対的な値段や知名度と、「美味しさ」は比例しないからこそ、人間の認知のズレをうまく使うと、誰もがハッピーになる仕組みを作り出せるんだね。

えいと:「続けたくなる仕組み」をつくるのも難しいけど、さらに全員が幸せになる仕組みをつくれているサービス、かっこいいですね!


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