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メタバースの強烈なエコチェーンバー

なんぼー:この間のTikTok撮影どうだった?

りさ:うまくいきましたよ〜!まあ、うまくいかなくても踊ってるそのプロセスが楽しいんですけどね。

なんぼー:なるほどね。りさちゃんはTikTokは撮影して楽しんでるの?

りさ:いや、TikTokはほぼ見る専ですね。友達としか撮らないし…今回もイベントだから撮っただけで、普段は全然撮りません。

なんぼー:そうだよね。TikTokは見る人のほうが多い印象。ちなみに、TikTokは他のSNSとどう使い分けてるの?

りさ:なんだろう。TikTokは暇つぶしにぼーっと見る感じかなあ。最近は一本の動画が短いから検索にも使うようになりましたけど。

なんぼー:検索にも使うんだ。

りさ:検索以外でSNSを暇つぶしに見るのはInstagramが中心なんですけど、Instagramって、好きなものが見つかるのは良いんですけど、好きなものばっかり「出過ぎちゃう」んですよね。私の場合、もうユニクロコーデばっかり出てきて(笑)それ以外の世の中の流行とかを知りたい時に、TikTokを覗いているかも。

なんぼー:自分のタイムラインが、自分用にカスタマイズされているのに自覚的なのはすごいね。

りさ:そうですか?どのSNSも自分の好きなものばっかり流してくれるの、ありがたいんですけど、時々世の中のトレンドや全く新しいものも知りたくなる!

なんぼー:似たような現象で「エコチェーンバー現象」というのがあるんだけど、知らない間にこれにハマっちゃう人が沢山いるからね。

りさ:エコチェーンバー現象ってなんですか?

なんぼー:うーん、簡単に言うと、似たような人たちとSNS上で交流している間に、間違った意見も肯定されて正しく感じたり、偏った意見が一般的に見えるような現象かな。

なんぼー:たとえば、パパ活してたらパパ活している人をフォローするじゃん。そうすると、タイムラインはパパ活で溢れるわけだけど、そのうちに「世の中はパパ活している人ばかり」と思えてしまったり。中学受験のアカウントを沢山フォローしている間に、彼らの常識が、一般常識のように思えたり。

りさ:確かにそれ、心当たりありますね。私の周りで流行っているYouTuber、実は全然知名度低くて凹んだことありますもん。

なんぼー:あるあるだよね。IT業界の友達がSNSで話題にしていてすごく流行ってると言っているサービスも、他の業界の人達が全然使ってないってこともあるし。

りさ:あるある〜!!!

なんぼー:エコチェーンバーといえば、メタバースの世界になると、それがより強烈になる可能性があるんじゃないかと思っているんだよね。

りさ:なるほど。

なんぼー:メタバースに求めるものって、「現実じゃできない楽しみが起きる場所」だと思うんだよね。だから、それはエンターテイメントで、楽しい気持ちになるために行くと思うんだよ。

りさ:そうですね。わざわざ、あんなゴーグルまでかけていくんだもん。周りから見られたらちょっと恥ずかしい姿だし……!

なんぼー:今の所、あのゴーグルすごくハードル高いよね。

りさ:それ以外にも、見たいアニメも色々ある中で、それを中断してメタバースの世界に行くわけですから。

なんぼー:そうそう。だから、メタバースになっても、今のSNSみたいに、嫌いな人はブロックするだろうし、秩序を乱す人はBANされていなくなると思うんだよね。そうすると、SNSみたいにエコチェーンバー現象が起こるとおもっていて。

りさ:確かに。自分にとって理想的な世界がもっと理想的になる。ちょっと良い世界な気もするけれど……!

なんぼー:より現実世界にUXが近い分、僕はその環境が加速するのってちょっと怖いなと思っていて。暮らすようにその世界で過ごすわけだけど、その環境自体はすごく実は偏っている可能性がある。

りさ:知らない間に考え方や仕草や生活様式が狭くなっていくなんてこともあるのかな。そういえば、昔こんなブログを読みました。

りさ:フロリダの高級住宅街なんですけど、すごく閉鎖的な空間で、新聞などのメディアもそこの人たち限定のものが配布されているらしく。ここに住む人達は、同じ価値観の人達ばかりと交流するから、思想も偏りそうですよね。

なんぼー:その話面白いね。

りさ:だけど一方で思うんですけど、それって悪いことなんですかね……?確かに考え方は偏っちゃうけど、それはそれで本人は幸せなのかもと思っちゃう。

なんぼー:確かに生きやすいとは思うけど、今世の中はどんどん変化していく時代。VUCA(Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity)とも言われるよね。その時に、似通った人しか周りにいない環境だと、変化に弱くなると思うんだよね。

りさ:なるほど。進化の話でよく言われる内容ですね!色々な人がいれば、変化の先に生き残る人もいるけど、似通った人たちだったらみんなだめになっちゃうかもっていう。

なんぼー:そうそう。変化の多い時代に、脆いコミュニティや考え方になっちゃう危険性もあるかなと思っていて。

僕が好きな本に『反脆弱性』という本があるんだけど、この本で言われていることがまさにそんな感じで。

変化の多い時代に本当に強い考え方。生き方は、変化にしなやかに対応すること=反脆い、ってことなんじゃないかって主張なんだよね。

りさ:SNSの中で暮らせるようになったときの新たな危険性ですね…心地いいけど、脆い環境。数年後に、問題視されてそう。だけど、その状況を避けるためにどうしたらいいんだろう。

なんぼー:変化に気づいたり、変化に対応することが大事になっていくと思うんだよね。前に別で話したことがあるんだけど、むしろ積極的に人生にカオスをもたらしたほうが良いのかもしれない。

りさ:なるほど!エコチェーンバーな環境に入りがちだからこそ、積極的に人生にカオスを。

なんぼー:何も全部カオスにしなくてもいい。今は仕事だって、副業も盛んだから、仕事を続けながらカオスに飛び込んでみることもできるし。常に自分のリソースのうち、一部は新しいことに使うとか。

りさ:Googleの20%ルールみたいですね!業務の20%は今目の前のタスクではない、別の仕事をやるっていう。

なんぼー:考え方としてはそんな感じだね。でももっとカオスの割合を増やしてもいいかも。今やっている本業のようなことを7割、そこにカオスを3割。

もちろん、元々やっていることをおろそかにするのは良くないけど。例えば、残りの3割は本業とは別の場所で取り組んだり、立場を変えたり、勿論やること自体を変えたり。色んなパターンで変えるのが良いと思う。最近は自分の仕事でもそれを意識するようにしてるんだよね。

りさ:確かに、スノーボードでオリンピック選手になった平野歩夢選手も、スケートボードを始めていましたよね。気づけば同質化する環境でのんびりしちゃいがちな環境になればなるほど、外に出ていく価値があがっていきますね……。

なんぼー:そうそう。

りさ:自分の人生にどんなカオスをもたらすか、考えるだけでも楽しいかも。早速、どんなカオスにするか考えてみます!

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