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(ご返信)「感染者数が下回ることを喜ばれない」ことについて

maychan0512様がご執筆された

という記事内にある

そして、東京都の感染者数が今年初めて前週を下回ったそうです。これを単純に喜んでいいのか、どうか。だめですよね。
まったく喜べる話ではありません。数値が下がったのは、PCR検査を受けない人が多いからでしょう。検査を受けて陽性が判明してしまったら、周りの人に大迷惑をかけることになりますから。症状が出ていないなら感染していてもいいと考える人は多いと思います。もう、道行く人たちは普通に感染していると考えるほうがよいのかもしれません。今後は高齢者の重症・中症が増えていくのでしょうか。

という箇所に疑問を感じ、コメント欄にてお尋ねしたところ、真摯にも別記事を設けてご返信くださったので、感謝の意を表するとともに、当方も別記事を立てて、お礼を兼ねて、別記事を作成することにいたしました(コメント欄には文字制限があるので)。

ちなみに、そのときの当方のコメントは以下の通りです。

文章を拝見させていただき、疑問に思ったことがあります。数値が下がったこととPCR検査を受けない人との因果関係とそれをたしかに示す根拠がわかりません。また、陽性で無いのであれば、油断はできないまでも、ひとまずは安心であるという認識でよろしいでしょうか。それと、陽性がわかった時点で周りの人が大迷惑を被るのであれば、誰しも陽性が出る可能性があるわけですし、誰しもが隔離された環境にいるのが理想だと思ってしまうのですが。もう一点。症状が出ていないなら感染してもいいとは、私個人は思っていませんが、そうした考えは少なくとも一般的な認識なのでしょうか。感染しても反応が出なければ良いという考え方はそこには許容され得ないのでしょうか。

新たに作成していただいた記事は以下です。


ご返信の文章に納得したかというとそうではありません。しかしながら、どのようなお考えをベースにされて、述べていらっしゃるかということについては理解いたしました。また、再三ながら、別記事を作成していただいたことに感謝申し上げます。違和を感じたときにそれを表明するのはよいとは思うのですが、特にコロナ禍においては、自己の主張をベースとした批判の応酬が繰り広げられる例が多く見受けられます。そのことについては留意して慎重を期しておきたいと思います。
なお、文の後半部に記載されていた解決案に関してですが、

●人と接触する仕事の人は病人や老人・子どもと接触しないようにする。
●特に、身内の高齢者とは離れてくらす。
●外出しないですむ人は家に閉じこもる。
このくらいしか思いつきません。他にもあるでしょうか?

実際問題として難しいと思います。一つ目に関しては介護や医療の仕事の人はそれを生業としているわけですし、エッセンシャルワーカーなので、彼らが不在になったときに病人や老人・子供たちをどうするのかという問題も生じてくると思います。


身内の高齢者と離れて暮らすことについては、私にはよくわかりません。
ペスト級の感染症でもないのですし、コロナ禍が始まって三年になります。三年間帰省できていない人もいます(これは感染以外にも日本的世間等の別の要因もあるとは思いますが、さておき)。現在の致死率・接触による重篤可能性の確かなる因果が不明な以上は、私は賛同できません。「帰ってこないでくれ」だけならともかく。日本固有の世間の論理で、「近所の目が気になるから来ないで」ということも聞きます。そんなことをしていたら、コロナ禍が収束しえないとすれば、ずっと隔離して暮らすことになります。
実効生産者数に関しても、ほとんどの都府県では1を割り始めています(都道府県別の「最新実効生産者数」をご参照ください。ピークアウトをしているのかと思います。ただ、再び1を超える可能性はいままでの経験上ありえます。絶対にこれで大丈夫だとは思ってはいません。


なお、本サイトは東洋経済が制作・運用しているとのことですが、典拠としたのはサイト下部にありますように厚生労働省のデータによるものだと思います。

三つ目の解決案に関してですが、外出しないで済む人は家に閉じこもるということは、ステイホームという言葉でさんざん言われてきて、効果が得たのかどうかわからなかったというのが実情ではありませんか。それに、外出しないで済む人とは、日本の総人口からしても極めて少数だと思います。彼らが、外出しないだけで、実効性のある解決策が見つかるのでしょうか。私には疑問です。

であるならば、オミクロンが脅威であるとするならば、今までの経過からみて、人的移動は止められず、解決できていないのですから、徹底的にロックダウンをすればいいかと思います。ただ、私は集団免疫獲得の効用を信じておりますので、かつてのペストのような猛威を振るう類の感染症でなければ、むしろ、発病そのものよりも、その他の問題(経済が最たるものですが)が縷々ある以上は、わざわざ外出することはありませんが、ごくごく普通、すなわち、コロナ前の生活に戻していく姿勢が重要なのだと考えております。いますぐマスクを外そうとは言いませんが、そういう国は増えています(最近ですとニューヨーク州でマスクのビジネスにおける屋内着用義務が撤廃されました。ニューヨーク州とカリフォルニア州はアメリカの他の州内に比べても厳しい規制がある地域でした)。

リソースを集めてそれを論拠として声高にすることは避けたいと思います。基本的には普遍的な正解などないと考える性質ですので。しかしながら、日本のマスメディア報道で東京都の感染者数が減っていて、それを素直に喜べない論拠については私はやはり違和感を感じざるを得ませんでした。

どちらにしても、もう一年もすれば、懐かしい批評があったなということで収束すると思います。誰もが、東京五輪や東日本大震災のことを忘却しているように。私はここに山本七平の「空気の研究」を思い出してしまいますが、筋から離れてしまうので、割愛します。

此度は東京都の感染者数が減っても素直に喜べないということについての、当方の所見であり、そのご返信にしては幅広くなり過ぎたきらいはありますが、根底にはうつろいやすい国民性というものがあると考えているので、ご紹介した次第です。これは私が幼児期から思っていた疑問でもありました。そうしたこともあり、此度のことを奇禍にして、己を再確認しようとも思いました。この点についてはご容赦ください。

それでは引き続いてのご執筆活動を応援しております。ありがとうございました。





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