〖穏やかな街〗
目の前で人が死んだ。
別に特別仲が良かったわけではないけど。
さっき紹介されたばかりの人だった。
目の前で人が逝ったのに、横にいる婚約者も周りの人たちもみんな驚くこともなく、ただそれが日常の一部かのように時間は過ぎ傍観の空間でわたしは耐えられず
〖誰か助けてあげてください。どうして誰も…〗
すると牧師のような人が穏やかな表情で
〖この街には医者はいないんです〗
血を吐いて死にゆく人を目の前に、わたしの絶望と府に落ちた感情を連れて
不穏で歪な時間が流れていった。
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