見出し画像

『will』=『be going to』と教えられてきた過去を錆びついたマシンガンで撃ち抜こう

【本当は書き換え可能でもなんでもない『will』と『be going to』のハナシ】

前回のレッスン『未来の英語にはカタチがない?①』では、英語の未来形には決まったカタチがないこと、『will』を使った未来表現&話し手の気持ち、それから『will』を省略しない時とするときでは、話し手の気持ちはどう違うのか、の三点をお話しました。


今回は『will』と『be going to』という、二つの代表的な未来表現にお話をフォーカスさせ、ときには二つを比べながら、その違いにせまっていきたいと思います。


【『will』=『be going to』だと教えられてきた背景】

『will』と『be going to』が書き換え可能である、と教えられたのは、私の記憶が正しければ中学校のころなのですが、みなさんも大体同じような時期なのではないでしょうか?


いわゆる、英語の書き換え問題と呼ばれるsectionが、毎回学校のテスト用紙にはあったような気がします。

当時の私は、といえば『will』を三語で書き換えろ、と言われるやいなや『be going to』を反射的に書いてしまうくらいの英語変換脳でした。

実際のところ、いつもそんな感じでラクラクと点数を稼がせてもらっていましたので、そういう問題はむしろwelcomeでしたし、英語も得意だったのですが……。


しかし高校に入り、英語の授業にだんだんとついていけなくなるにつれて、この手の問題が苦痛で苦痛でしかたなくなりました。

まず、ひとつの理由として「いや、こんなの英語でしゃべるときの話者の勝手というか好みの問題なのに、どうしてわざわざ言い換えを思いつかないと点数が取れないの?」ということ。

ふたつめは(これからお話する話題でもありますが)「『will』と『be going to』がまるっきりおんなじ意味だったら、みんな短くて覚えやすい『will』を使うはずだし、なんだかおかしくない?」という不信感からです。

私はそのもやもやを払拭するために、本屋で様々な文法解説書を読み漁りました。

やっぱり『will』と『be going to』は別モノだったのです。


さて『will』と『be going to』をある程度使い分けられるようになって、当時の学校の教え方を振り返ってみると、なんとなくその背景が分かってきます。


――完全に教える立場からの都合です。


まず一つは、問題が作りやすいということ。

書き換えが出来るpairを作っておくだけで、文法問題が一つ作成可能なので、文科省的にも国家的にも万々歳(笑)。


もう一つは、折角の問題のタネなんだから、敢えて説明せずに「交換可能だよ〜」、「書き換え可能だよ〜」と言っておいたほうが都合がいい、ということなんでしょうね。


ちなみに話はちょっとズレますが、最近わたしも中学生一年生の家庭教師をしていたとき、都合のいい教え方をしてしまいました。(悪気は全く無いです泣)

数詞の付け方を教えていたんですが、教科書を見てみると、たとえば『no apples』のように、noをつけた名詞に『s』が付いていたんですね。

「あーこれはゴチャゴチャ教えるのは、今の時点で良くないなー」と悟った私は気を遣って「えーとね、名詞にsが付かなくなるのは、数が一個の時だけなんだ。うん、『an apple』は付かないんだよ。二個とか三個の時は付くって知ってるよね?そうそう、あと0個、つまり『no apples』って言いたい時も『s』が付くんだよ〜。覚えておこうね。」と苦しまぎれな説明をしてしまいました(笑)。(この話も興味がある人がいらっしゃればします。)

しかたがないんです!!!

全ては教え子に点数を獲ってもらうためなんです!!!(声にならない叫び)


しかしみなさんは大人ですから、さらに先へ先へと進めるはず。

次からは実際に『be going to』を使うとき、話し手の心の中はどうなっているのか、にせまっていきましょう。


【『be going to』を借りてくる話し手の気持ち】

この表現を分析的に見てみると、面白いことが分かります。

『going』は『go』の進行形ですし、『to』はもともと終着点や結果を指し示す語です。

二つ合わせて何が言いたいのかというと、『be going to〜』は『〜という状況、状態に向かっているところ』という意味をあらわします。

『will』の意志というイメージに比べて、この『be going to』はもう少し客観的な意味合い、予定調和をコアとして持つことが予想できるでしょう。

例を挙げます。


①It's going to rain very soon.

うわー今にも降りそう!

②You're going to fail in the English exam.

きみ、次の英語の試験落ちるよ。

③He is going to fall asleep during the math class.

彼、このままだと数学の授業中に寝ちゃいそう。


①での話し手の心の中はこうです。

あ、黒い雲がもくもくと広がってきた。

こっちにも風が少し吹き始めている。

太陽もすっかり隠れてしまったし……ちょっと肌寒くなってきた。

こりゃ、雨降っちゃうね


②では、話し手はあなたに対して諦めを感じています。

あなたは話し手がいくら言っても、発破をかけても、全然英語の勉強に集中出来ませんでした。

テストはもう……明日の朝に迫っているというのに。

こりゃ、もう誰が見ても落ちるわ

そんな気持ちで吐露した一言が話し手の『be going to』には詰まっています。


③では隣のアキラくんが、数学の授業中こっくりこっくりしている状況を、あなたは横から眺めているとしましょう。

あ、さっきアキラくん結構給食おかわりしてたしな……。

五時間目だし、お昼食べた後って眠くなるもんね。

あ、またこっくりこっくりしてる。

これじゃあ寝ちゃうのも、もう時間の問題かも

数学の先生とっても怖いし、今のうちに起こしてあげたほうが良いかしら?


いかがでしょうか?この3つの共通点がなんとなく見えてきましたか?

3つとも、話し手は伝えたい状況に対して『客観的な根拠』を抱いていることが分かると思います。

これこれこういう状況説明から、きっと未来はこういうことになっているだろう、という気持ちです。

だから『will』という『話し手の単なる気持ちを表わす未来表現』を使った時よりも、話に客観性が感じられませんか?

もっと詳しく言うならば、話し手の中で、未来ではこういうことになっているだろうと思う根拠があるのです。

今の状況が、未来を結論づけ始めているってことです。

言い換えると、間近で見ていて、話し手の予想した出来事の方向へ物語が転がり始めている、といったような感覚があります。

意味合いとしては『〜しそう』という訳語がしっくりきますよね。


さて、違った例を挙げてみましょうか。


④I'm going to have a party tonight.

今夜パーティーをするつもりだよ。

⑤Nanami is going to marry Ken in June.

6月にナナミはケンと結婚するつもりです。

⑥She was going to study abroad, but she made up her mind to go to a medical college in Japan.

彼女は留学するつもりだったけど、日本の医学部に進学することにした。


話し手からみて、各々の文章の主人公がある決まった未来への流れにいる、ということをイメージしてもらえると、分かりやすいかな―と思います。


④詳しくは分からないのですが、今夜パーティーを開く予定だけが決まっている、という意味合いに聞こえます。確定的かどうかは分かりませんが、思いつきよりは確実でしょう。


⑤ナナミとケンは、思いつきで結婚を待ち望んでいるワケではありません。もう、二人は六月に結婚する流れのなかにいます。


⑥の例の中ではどうでしょう?

彼女は留学するつもりだったハズですが、最後には日本の医学部にいくことを決めた、という内容です。

これも彼女は留学する心づもりという流れの中にいた、というニュアンスを表すのに『be going to』はピッタリな表現としてハマってくれますね!


訳すときは『〜するつもり、〜する予定だ(それなりの確定度)』と訳すとしっくりくるでしょう。


次のsectionでは、更にくわしく『will』と『be going to』を使う状況を比較しながら楽しく学んで行きましょう!


【『will』≠『be going to』へのマインド改造計画】

さあ、ここでは『will』と『be going to』を比較させながら、あなたの脳みその奥深くに「『will』と『be going to』はぜんっぜん違うんだ!」という叫びを、くっきりと刻みこんでいきましょう!

さあ、どちらが話し手(あなた)の気持ちをちゃんと表していますか?

考えてみましょう。


例①ベッドの横でスヤスヤと寝ていた最愛の人がふと目覚めて、その寝顔を見ていたあなたがプロポーズしたい場合


Will you marry me?

わたしと結婚してくれる?

Are you going to marry me?

わたしと結婚するつもりある?


使いどころとしては、前者が圧倒的に多いでしょうね。

映画などでもまず前者しか使われません。

わたしと結婚する意志がありますか?と尋ねたいワケですから。

普通プロポーズするときは、結婚式の日程やら、式場選びやらそういったものは決まっていないのが普通かと思います。

後者の言い方を無理やり使うとしたら、次のような設定になるでしょう。

たとえば、付き合ってた年数がかなり長く「もうそろそろ私達も結婚するのか別れるのか、この付き合いに対してはっきりと引導を渡したほうがいいんじゃないの?」という風に聞こえます。

ラブラブ感は0です。


例②会社の上司が会議を開きたい場合。


We'll have a meeting in the afternoon.

よっしゃ、午後に会議やろっか!

We are going to have a meeting in the afternoon.

(詳細はまだ分からないが)午後に会議を予定していますよ。


圧倒的に後者です。

そもそも思いつきで会議をする上司がいる会社など、私は怪しげ過ぎてついていけません。

午後に会議があるとしても、この発言の後に「これこれこういうことに付いて話し合いをするつもりだから、君はこのことに付いてリサーチをしておいてくれ、頼んだぞ!」と部下に伝えるのが普通です。(あれ?これはタダの私の愚痴なのでは……)

前者だと、完全に上司のやる気が空回りしています(笑)。


また次の例では、会話の流れで『will』と『be going to』を比較すると、とてもわかりやすいとおもうので、最後は対話文で例を作ってみました。

違いを噛み締めながら、じっくりと読んでみてください。


例③釣りに行く途中に友達にばったり会い、友達も行くことになった場合


友達『Hey, how are you doing?』

やあ、なにやってんの(最近どう)?

私『Oh, hi! I am going to go fishing on the lake.』

おお!いま湖で釣りをしに行くとこなんだけど。

友達『Really? It sounds like very fun. I will go with you.』

そうなの?面白そうだね。俺も一緒に行くよ!

私『Okay! I'll lend one of my rods. Come with me!』

オッケー!じゃあ私の釣り竿ひとつ貸すね。こっち来て!


最初のポイントは『私は、釣りに行くことが決まっていた』ということ、つまり、釣りにいく流れのなかにいた、ということですね。

『be going to』を使うのに相応しい文脈です。


次のポイントは『友達は、最初釣りに行くつもりなどなかったが、面白そうだ、とその場で釣りに行くことを決めた』ということ。

話し手の意志のスイッチがカチッと入るのを感じます。

ここでは『will』の使用がピッタリです。


最後のポイントは、それを受けて『釣り竿を貸してあげれば一緒に出来るね!』と私の中で思いつきが降ってきたこと、です。

そういう訳で更に『I'll...』と省略バージョンになっています。


こんな風に通して読んでもらうと、両方の違いが、あなたの心にじわじわと染みこんできたのではないでしょうか?


――いかがでしたか?

これで『will』と『be going to』の違いについて、みなさんも自信を持って説明できると思います。

誠に残念ですが、あなたは本日をもって『will』を『be going to』で書き換え可能ですだなんて、口が裂けても言えない人になってしまいました(笑)。


次回はちょっと馴染みの薄い、未来を表わす現在形、それから未来を表わす進行形について説明していきたいと思います。

でもこの二つが分かれば、あなたの英語表現がますます味わい深いものになっていきますよ!

楽しみにしていてくださいね!!!(*´ェ`*)


それではまた、次回『未来の英語にはカタチがない?③』までのお楽しみ☻

I am going to give you another lesson! See you very soon! またね!



―――ななびのちっちゃなあとがき―――

今回は皆さんの中でも、もやもやの1、2を争うであろう、『will』と『be going to』の違いについてお話しました。

中学や高校の時からの、もやもやの正体を見出すことができたでしょうか。


実は最近、英語の家庭教師やらコンサルをはじめまして、色々な年代の方に教えています。

学生向けの受験英語から、社会人向けのTOEIC指導まで、中々いそがしい毎日です(笑)。

楽しく指導させてもらっています。

何回かTOEICを受けたことはありますが、毎回900点以上は取れてるので英語の筋肉はまだ衰えていないかな、と同時に筋トレし続けなきゃなあ……とも思う毎日です。

もしもご興味ある方は、コメントにでも書き込んでくだされば詳しい連絡先などもお教えしますので、良かったら。


それ以外にも、なにか英語に関してのご質問があると、自分の説明にも新しい課題が見つかるので、本当に助かります。感謝です。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事は投げ銭制です。もしもこの記事を読んで、何か1つでも得るものがありましたら、心ばかりのお気持ちを。

私はいま全国でヒーリングの旅をしようと、画策しています。もしも、サポートいただけたら、それは旅の資金にしようとしていますので、私の作品に少しでも感銘を受けてくださいましたら、ぜひ、サポートよろしくお願いします。旅のレポートが書けるのを楽しみにしています。今からワクワクです☆☆☆