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本屋になると決めた日

2024年春。北海道にも桜前線がやって来た頃。
わたしは「シェア型書店」というものの存在を知りました。

ウィキペディアによると、2021年には存在していたようなのですが、
お恥ずかしながら、私はこれまで、その存在を知りませんでした。

遅ればせながらシェア型書店について調べていくうちに、
わたしは、すぐに「面白そう」だと思いました。
自分の手持ちの本を売れる。自分の好きな本を売れる。
書店にもよるけれど、同人誌やZINEを売っても良いようです。
好きな本を売りつつ自分で同人誌を作ってそれも売る、なんて
楽しそうだな~と思ったのです。

なにより「本屋になれる」というのは、とても魅力的でした。

同時に、わたしが出店するハードルの高さも感じました。
多くのシェア型書店は、棚の管理を自分でしないといけません。
本を郵送して「私の棚に置いておいて下さい」はダメなんですって。
自分でこまめに、その書店に通って在庫の整理・補充をする。
できるような立地・環境で無ければ出店できないのです。

調べた所、札幌にはシェア型書店が無いようでした。
(わたしが無知なだけで、あるのかもしれない。あれば教えてください)

これでは、難しいですね。ざーんねん……と、思ったのですが。

棚の管理を店員さんが代行してくれるシェア書店があったんです!
それが「PASSAGE by ALL REVIEWS」さんと「ほんまる」さんでした。

ただ、PASSAGEさんは棚が埋まっているようでした。
系列店の「PASSAGE bis!」「SOLIDA」には空きがあるようです。
一方ほんまるさんは、できたてホヤホヤ。棚はまだあるようです。

私は本格的に出店を検討することにしました。
場所は、どこも東京の神保町です。本の町として有名な神保町。
「神保町で本屋をしている」って名乗れるの魅力的ですねえ。

掲げている理念などを読み込みました。
あと、PASSAGEさんは書評webサイトが由来となっていて、
ほんまるさんは小説家さんが主催しているお店という違いがあります。
お店の雰囲気も大分違っていますが、どちらもワクワクする感じで
ぶっちゃけ、どっちも出店してみたいなって思いました。

ところで、シェア型書店ってぶっちゃけ儲かるのでしょうか?
体験談をいくつか拝見したところ「ぶっちゃけ儲からない」
という内容ばかりでした。
なので、わたしは商売うんぬんではなく、趣味の範疇として、
出店するかどうか検討する形にもっていくことにしました。

シェア型書店は月額で費用が掛かります。
SOLIDAさんは他の店舗の倍~倍以上の設定になっていました。
(その分、場所が表通りだというのはあるのですが)
PASSAGE bis!さんはPASSAGEさんと同程度。
ただし雑貨など本以外も扱う棚という印象がとても強かったです。
このあたり比較して「わたしが出店するならPASSAGEだな」
という印象になり、そしてPASSAGEは棚に空きがない……。

ほんまるさんを見ることにします。
入会金が12,650円+月額4850円~9350円です。
(これに本が売れるたび手数料で5%かかります)

私は、出店するなら「とりあえず1年出店する」つもりでした。
なので年額7万円~12万5千円ですね。
金額は、棚の位置(高さ)によって違うのですが、
・目線の位置を考えると、一番高いプランが良さそう
・どうせ出店するなら最も目につく棚を経験してみたい
・ペンネーム(七海真砂)的に「735」のどこかがいい
という3点から、最高金額の「3」の棚を希望する前提で考えます。

12万5000円を365日で割ると、350円くらい。
本1冊の利益が100円だとしても、毎日4冊売らなければいけない……。
……なるほどなー。確かに黒字は大変そうだな~、と思いました。

でも私は趣味で出店するので、うーん、そうですねえ。
遊びに行ってみようかな、と思っていた「文学フリマ東京」への
遠征を、やめることにして。本屋さんに宛てることを考えました。
ざっくり飛行機代が3万円、宿泊費が1万円、そのほか1万円で
合計5万円くらい投入する計算です。

7万5千円。まだちょっと新しい趣味としても高額かなって……うーん。
月に5000円くらい食費を削ることにしましょうか。
この食費というのは「スタバに通う」とか
「美味しいおやつ」とかのちょっとした贅沢を削る方向で、
ガチで食費を削るのとはちょっと違うやつです。安心してね。

1万5千円になりました。お、無理のない趣味っぽくなってきたぞ。
ちなみに365日で割ると40円くらいなので、
2日に1冊売れたら出店料は回収できそうな感じです。
実際には、本を送付するための送料などが掛かりますので、
やっぱり1日に1冊くらい売れないと赤字かな?って感じですね。
でも、まあ、趣味の範疇として呑めるくらいの出費に収まりそう。

そんなわけで、今年は同人イベントへ行くかわりに、
シェア書店に出店する年にしてみようか、と
わたしは考えたのです。

何より「わたし、今、本屋やってるんだ」って
言えるの良くないですか?
わたしはめっちゃ良いと思います!

儲からなくて1年で閉店するかもしれないけれど、
「わたし、昔、本屋やってたことあるんだ」って
言えるの良いと思いませんか?わたしは良いと思うんですよ。
いい経験になってくれそうな気がしますしね。

というわけで、わたしは本屋になることを決めました。
シェア型書店に出店する人のことを、どうやら「棚主」と
呼ぶようですね。わたし、棚主になります!!

そうと決まれば、申し込みをしなければいけません。
そのあたりは、また今度。

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