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クールダウンスポット

時たま、心にモヤがかかったみたいに、なにも言語化できなくなることがあります。なにが不満なのか、問題の根っこは何なのか、考えても考えても糸口すら掴めない。アイデア出しがまったく捗らない。そんなとき、必ず行く場所があります。それは近所の河原です。

故郷の街には、大きな川が流れています。グラウンドや季節の草花が咲く広場、遊歩道として整備された河川敷。犬と一緒に走り回ったり、サワガニを捕まえたり、四つ葉のクローバーを探したり花冠を作って遊んだ河原は、成長してからもひとりになれる特別な場所でした。大人になった今も大きな川が流れる街に暮らし、心と頭のクールダウンスポットとして依存しています。眺めるだけで、歩くだけで、すっかり頭の中のゴチャゴチャが片付いて、とっても素直の自分になっているのです。

一級河川くらいになると土手や河川敷が綺麗に整備され、住民の憩いの場として活用されることが多いですよね。ウォーキングやランニングをしたり、トランペットやギターを練習に訪れる人、野鳥や草花の観察をしている人など、よくよく考えたら結構な人数が集まっているのに、不思議と気兼ねなく過ごすことができるパーソナルスペースとして成り立っています。川の持っている力って、なんなんだろう。川を眺めることで、わたしたちはなにを感じているんでしょうか。あちこちから季節の虫の声が聞こえてくるし、風に吹かれた草花が揺れる音や鳥の鳴き声、遠くを走る電車の音…さまざまな環境音が鳴っているのに、なぜだか静かです。生活音や騒音、誰かの話し声、意図的に発せられた音が川に吸い込まれて、元ある音だけ残っているような感覚。そういった川が作り出す音の環境に引っ張られて、頭の中の雑音が消え、もともと持っている自分の姿に戻れるような、そんな感覚なのかもしれません。

今日はなんだかとても抽象的な話になってしまいましたが、いつも川に救われてます。
余談ですが、日曜の夕暮れ、ボブマーリーを聴きながらランニングしてみてください。世界は美しいし、今日はこんなにも平和だ!という謎の多幸感に包まれます。一度味わったら、病みつきになるハッピー感、騙されたと思ってお試しあれ。

また明日。

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