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舌打ちは孤独のサイン

今日、電車でおじいちゃんに舌打ちされました。おじいちゃんは封筒に入った資料を見ていたのだけど、肘を大きく広げて読むもんだから、ページをめくるたびにわたしの腕にゴンゴンぶつかるんですね。わたしはiPadで読書していたのでそこまで場所をとるわけでもないし、すこしスペースを譲るために横にずれたんです。そしたら「チッ」って。おそらくおじいちゃんは、自分の動作を不快に思ったから席を詰めたのだと勘違いしたんですね。やってることは同じなので別にいいけど、そんなつもりはなかったのでちょっとムカつきました。勝手に不機嫌になっておいて、それはないでしょ。

不機嫌はどこでも自由に発揮していいものではありません。何か気に入らないことがあったからといって、物にあたって大きな音をたてたり、顔を見ながら舌打ちをしたりため息をついたり。遭遇するたびに驚いてしまうけれど、考えたんです。きっとこの人は、今まで抱えてきた不満を誰にも漏らすことができなかったんだ。その孤独の行き着いた先が、舌打ちなのだと。明らかな愛情不足だ。助けてあげないと。舌打ちから始まる険悪なムードだってあるかもしれないけれど、「舌打ちしながら心で泣いてるんだ」と思うと、すこしだけやさしくなれます。誰にも気持ちを伝えられないから、わたしに伝えたのだ!と言い聞かせて、大人な対応をしています。

みなさんも、舌打ちをされて腹が立ったら、試しに思い出してみてください。不思議とこころの中に慈しむだけの余白が生まれます。人間って慈悲深い。

また明日。

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