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法のサービス

12年くらい前でしょうか。デスノートという漫画が社会現象になりましたよね。日本の法律に絶望した頭脳明晰な青年夜神月(macデフォルト変換”やがみ”で出た)法律や秩序では裁ききれない凶悪犯を殺しまくるというストーリー。最近続編の公開も決まりましたね。単行本派だったので、当時は日々ネタバレに怯えて暮らしていました。発売日には朝から書店へ走り、3回はぶっ続けで読んで内容の完成度にうっとりしたものです。

純粋な読者でアホな高校生だったわたしは、月の気持ちもわかるけど、殺人は倫理的によくないでしょと思っていたのですが、大人になるにつれ、法律がなんの役にも立たないというケースを目にするようになりました。ニュースを見ていても、これは殺す以外に道がなかったのかもなぁと同情してしまう場面もあります。相続問題とか、離婚問題とか。加害者の人権だけ守って、被害者サイドはほったらかしなんじゃないの?と疑問に思うことだってある。

ただし、具体的問題を前に、感情論を持ち込むとろくなことになりません。お金の話とか、権利の話とか、それこそ裁判沙汰の案件なんかはそうですよね。きっちり線引きするものが必要です。こんなに辛いのに!とか聞いてたらキリがない。それとこれとは別。でもその線引きによって追い込まれる人もいっぱいいて、最悪の場合死に至るという。かといって人対人の問題だから、夜神月みたいに削除していいかというとそうでもないですよね。

法律にいくまえの、プールみたいな場所があったらいいのに。健康診断や人間ドックみたいに、自分の身辺状況をチェックしてもらうとか。ここ危ういですよ〜今のうちに手を打っておかないと、のちのち借金全部こっちに来ますよ〜みたいなアドバイスがもらえたりするサービス。弁護士事務所に相談にいきたくても、それすら怖い人もいると思うんですよね。最近知って心底驚いたのが、病院に行って病気が判明するのが怖くて病院に行けない人の存在。結局発見が遅れて悪化して、治療費が跳ね上がるのに、怖くて行けないのだそう。弁護士への相談のハードルも、病院が怖い人たちと似たようなものなのかもしれませんね。

初期段階で弁護士さんに相談に行っていれば、法や秩序で裁けない悪も削除せずに済むのかもしれません。

わたしがデスノートで一番好きなのは高田様です。

また明日。

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