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友だちと旅立ち

映画「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」には、いい人間しか出てきません。みんなやさしい。自分の都合でしかマッド・デイモン扮するウィルを見ていないけれど、彼に対して向けられる気持ちは、みな等しくやさしいのです。こういう映画を見ると、本当に心が洗われる。

コピーライターになるんだ!と180度人生の方向転換した頃、最後の最後までそばで応援してくれていた友だちがいます。長い間つらいこともうれしいことを共有してきた子で、いいメンツの飲み会に誘われた!とか、好きな人から連絡きた!とか、彼氏できた!とか、元彼と寄り戻した!とか、そういう類の喜び。それが宣伝会議の講座や通信生の大学に通って勉強をはじめた頃から、課題で鉛筆をもらったこととか、講師の人から高評価の連絡をもらったこととか、報告するうれしさのカテゴリが変わってきました。そんな変化も彼女は受け入れて、やっぱりあんたはすごい!とか、自慢の友だちだとか、自分のことみたいにうれしいとか、絶対もっとできるからよそ見すんな!とか言ってくれていました。だけどわたしは、彼女がいつまでも同じ場所でなんの努力もしない(ように見えた)ことがすごく嫌だった。どうして同じようにがんばってくれないんだと身勝手な憤りを感じて、ひどい言葉をたくさん浴びせて傷つけました。いま思えば、彼女にとても甘えていたと思うし、自分のことしか見えていないわたしより、彼女はずっと大人でした。もっと周りが見えていたら、あんなこと言わなかったし、待っていられたのになぁ。

劇中のベン・アフレック扮するチャッキーの演技はとても泣かせます。いつかウィルとチャッキーが10年後30年後にでも再会して、昔のように安い飲み屋でバカ話できていたら本当に素敵ですね。そういう意味で、来年公開の「トレインスポッティング2」はとても楽しみです。人は皆、どうしようもなくダメな生き物だってこと、はやく確認したい。

いつかまた会えるかな。お互いが自分の人生を生きていたら、きっとまた会えると信じて、自分の人生を生きておこうと思うのです。最近こんなことばっかり考えている気がする。年末だからでしょうか。

また明日。

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