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嬉しかったこと

今日はとってもいいことがあった。

いい感じのコートが欲しくて
服屋さんを物色していた時のこと。

あるコートが目についた。
ちょっと長めのステンカラーのコート。
色は真っ黒でカジュアルにもキレイめにもいけそうな。

手に取ってみる。
(重い。)

コートで重たいのはだめだ。
可愛いさで買ってもきっと着なくなる。。。

”おしゃれは我慢”は、25までだ。

と、自分に言い聞かせながら、かけてあったところに戻すと、
同じコートを見ていたショートカットの白髪のご婦人が
「あら、これは重い、だめだわ。」と呟いた。

その瞬間目があって、(重いですね。。)と、
お互いにっこりした。

よく見ると、とっても上品そうな女性だった。
素敵なコートを着ている。

「そのコート、もしかして着物で手作りされたんですか?」
思わず、声をかけた。
「そうなの、わかる?」と笑顔で答えてくれた。
「とても素敵です!」「ありがとう。」

と、2言、3言、交わした。


私は祖母と二人暮らしをしていた。
祖母はオーダーメイドで服を作ってお金を稼いでいた。
スーツやドレスも作っていたし、

ほとんどの服や小物は、テレビや本で一見しただけで
その日のうちには仕立ててしまうようなスーパーばあちゃんだった。

祖母のおかげで目だけは肥えた。
いい布、いい仕立て方。

そのご婦人のコートも
着物で作ったんだな、とすぐにわかった。
ハキハキした物言いが、なんとなく祖母と似ていた。

ほんの少しの時間だったけど、
祖母と話ができたような気がした。
祖母が生きていた時、安心していたんだなって
思い出した。


今日はとってもいい日だった。


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